Whose are genes? / 遺伝子は誰のもの?
2000/3/1,23 ([Bilab:4042][Bilab:4092] より一部改編)
アメリカでは、遺伝子の特許をとる争いが激化しているそうです。「遺伝子のこの部分はガンの発病に関係している」という具合に、ある特定の部分の役割を解明する事で、その「部分」の特許をとるそうです。つまり、遺伝子の「ある特定の位置」を「自分(会社)の所有物」にしてしまうということです。
ある製薬会社の顧問弁護士のインタビューでは、インタビュワーの「将来、(あなたがたの会社が)金儲けできることを望んで、特許を取っているわけですね?」の問いに、顧問弁護士は「(もちろん)そうなってくれることを望んでいます」と答えていました。
将来、我々が「ガンの遺伝子の研究をするぞ」と思ったら、GENBANK や EMBL にアクセスするよりも前に、まず製薬会社に特許料を支払わねばならない、ということになるかもしれません。
最近知ったのですが、以下のような声明が先日発表されました。
ヒトゲノム解読情報公開を、米英首脳が声明
クリントン米大統領とブレア英首相は3月14日、人の遺伝子情報全体であるヒトゲノムの解読情報は、世界中の科学者に公開されるべきだとする共同声明を発表した。独自に解読した情報を有料で販売する流れに歯止めをかけるため、国レベルの合意を示したものとみられる。
「解読した情報」が、いったいどこまでをさすのかわかりませんが、この声明文では、ゲノム情報の特許取得競争の激化に歯止めがかけられそうもありませんね。製薬会社は「解読した情報」の「特定の部分」で特許を得ようとしているのですから。遺伝子情報が無料で公開されたとしても、自分の研究したい部分の遺伝子情報が、製薬会社に既に特許をとられていてしまったら、製薬会社に対してお金を支払わなければならないのです。この声明文のままでは、細々とゲノムの解析を行ない、なんとかして名声をあげようとしている弱小研究室の科学者を苦しめて、金儲けのうまい製薬会社のお偉いさんにますます金儲けをさせてしまいそうですね。