BSE(牛海綿状脳症)豆知識
ちょっとはマジメなお話
BSEは、TSE(伝達性海綿状脳症:Transmissible Spongiform Encephalopathies)という、未だ十分に解明されていない伝達因子(病気を伝達するもの)と関係する病気のひとつで、牛の脳組織をスポンジ状にし、起立不能等の症状(足がガクガクなる)を示す遅発性かつ悪性の中枢神経系疾病です。
TSEの特徴として次のようなものがあります。
(1) 潜伏期間は数ヶ月から数年の長期間
(2) 進行性、致死性の神経性疾患
(3) 罹患した動物やヒトの脳の薬剤処理抽出材料を電子顕微鏡下で観察すると異常タンパク質プリオンの凝集体を確認(これが発症の原因であると考えられています)
(4) 病理学的所見は中枢神経系の神経細胞及び神経突起の空胞変性、星状膠細胞 の増殖
(5) 伝達因子によるヒトや動物での特異的な免疫反応がない。
次にBSEの臨床的特徴をあげると
(1) 潜伏期間は2〜8年程度、発症すると消耗して死亡、その経過は14日から180日。
(2) イギリスでは3〜6歳牛が主に発症。日本国内でBSEが発祥し
た牛は2頭は5歳7ヶ月と5歳8ヶ月だった。
(3) 臨床症状は、神経過敏、攻撃的あるいは沈鬱状態となり、泌乳量の減少、食欲減退による体重減少、異常姿勢、協調運動失調、麻痺、起立不能などであり、死に至る。
BSEに似た病気でCJD(クロイツフェルト・ヤコブ病:Creutzfeldt-Jakob Disease)、致死性家族性不眠症、vCJD(新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病:variant
Creutzfeldt-Jakob disease)が報告されています。(vCJDの日本国内における発症報告は現在のところ無し)
ところが1997年10月2日の科学雑誌「Nature」に報告された2つの論文によると、BSEの原因物質は、vCJDの原因である可能性が高いとしました。
(1) 英国の家畜衛生研究所のDr. Moira Bruceらは、3群の近交系マウス及び1群の交雑系マウスにBSE、vCJD、及びCJDを接種したところ、
BSE接種群はvCJD接種群と同様の潜伏期間、臨床症状、脳病変の分布を示したことから、BSEとvCJDは同じ特徴を持つ、又は同じものであると し、CJD及びスクレイピーとは異なるものであるとしました。
(2) また、英国の王立医科大学のDr. John Collingeらは、ヒトのPrP遺伝子を組
み込んだマウスへのBSEの伝達実験を報告しており、1996年の10月24日 にも「ネイチャー」にvCJDとBSEの関連を示す関連を示すデータを報告しています。
〈最近の実験報告〉
最近の牛のPrP遺伝子を組み込んだマウスを用いた実験結果も、BSE感染牛がvCJDの原因であるという見方を支持しています。これらのマウスではBSE伝達因子が種の壁を超えて増殖するだけでなく、vCJDかBSEのいずれかを接種したマウス間での、病気の特徴の識別ができませんでした。
このようにBSEがvCJDの原因であるか否かについては、直接的な確認はされていないものの、動物試験では原因であることを示唆する結果が示されています。しかし、現在までBSEがヒトへ感染したという直接的な証明は未だなされてはいません。
BSEについて、最近はニュースでも取り上げられなくなりましたが、BSEに関する研究は進んでいます。世界中の科学者がBSEの解明に懸命になっているのですが、お役所はずいぶんと静かですね・・・
最後に・・・
英国での実験・研究の結果、脳、脊髄、眼及び回腸遠位部(小腸の最後の部分)以外のところからBSEの感染はなく、牛乳、乳製品からも感染はないとされています。
また、「国際獣疫事務局」(OIE)の基準でも、牛肉は危険部位ではないとされています。
それでも焼肉屋には閑古鳥が鳴いています。貧乏人にとっては(貧しさに自信あり!)値下げしている今がチャンスなのに・・・
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