クロスオーバネットワーク
よくクロスオーバネットワークの設計は教科書どうりにはできないといわれます。その理由は教科書がはじき出す値は、インピーダンス、音圧周波数特性が共にフラットでしかも音源位置が
そろっているというどれもあまり現実的でない仮定を元にしているからです。では実際に教科書の値はどの程度役に立つのでしょうか?実測を元にCADで確かめて見たいともいます。SE8でやっても良かったのですが、追試ができるようにspeakerworkshopで行いました。そのファイルはここにおいておきます。おいておくつもりだったのですが、geocitiesではrarファイルははじかれてしまいました。とりあえず拡張子をjpgにしてここにおいておきます。ダウンロードして拡張子をrarに変更して解凍してください。
ここで実例として使うのはSE8の習作として作ったUsherのKSW2-5029Eと9950です。
5029はの能率は86dBでインピーダンスは8オームとスペックシートではされています。
9950は能率88dBでインピーダンスは8オームということになっています。
fostexのカタログによると
ハイカットフィルタ
L=296*R/fc(mH)
C=148000/(fc*R) (micro F)
ローカットフィルタ
L=170*R/fc (mH)
C=85300/(fc*R) (micro F)
クロスオーバ周波数を2500Hzとすると
ローカットフィルタは
0.947mH
7.4microF
ハイパスフィルタは
0.54mH
4.26microF
となりました。これはどうやら非対称なフィルタですね。
クックブックによるとLpadは
ドライバにパラレルにいれる
R2=10^(A/20)*Z/(1-10^(A/20))
シリアルに入れる
R1=Z-(R2*Z/(R2+Z))
Zはドライバのインピーダンス、AはAttするdB
ここでは2dBですので
R2=30.8ohm
R1=1.645ohm
になりました。
それでシミュレーションすると

かなりハイあがりでしかもなんとなくフラットになっているだけで位相関係もよくないですしクロスオーバも3kHzくらいになってます。
これでtweeterを逆相にすると

どうやら正相でつなぐ方がまだ良いようです。
次はこれにzobelを足してみたいと思います。クックブックによるとZobelの値は
C=Le/Rc^2
Rc=1.25*Re
Rc=1.25*5.7=7.125ohm
C=0.569*10^(-3)/(7.125)^2=11.2microF
うえのにこのzobelをたすと

聴感上で調整するとまず最初にするのはtweeterがホットすぎるのでATTで押さえ込むことになると思います
zobel抜きの状態でtweeterにATTすると

一番よさそう感じですが、tweeterのミッドバスに対するオーバーラップが大きすぎしかも位相関係がうまくいっていないので合成値がマイナスになっているところがかなりありクロスオーバ周波数も2500Hzではなく3.5KHzくらいになっています。
このtweeterを抑えた状態でzobelを足すと

1kHz近辺が盛り上がりすぎています。強調感はあるのに繊細感がない感じの音になると思います。
最後に私がデザインしたクロスオーバはこのようになっています。

4kHzのディップはディフラクションによるものでoffaxisでかなり埋まります。