| W6/JG2TKH Sandiego CA QRP運用記 2002年11月中旬にアメリカ出張(NYとCA)があり、その際にJG2TKHは7K1NAQ小山OMのご協力とアドバイスをいただき、YaesuのFT817という5W出力のQRPトランシーバとMP1というSuper Antenna社のマルチバンドバーチカルアンテナを持参しました。 (前座) 幻のW2/JG2TKH 11月14日に成田−JFK経由でマンハッタンに。Radisson Lexington New Yorkというミッドタウンのホテルに到着しました。ご存じのようにミッドタウンは摩天楼。このホテルも当然高層なのですが、残念ながら部屋は谷間の6F。窓もとても小さく、空が見えない。ホテルのWebサイトで予約を取ったのだが、安いプロモーション価格だったので階数指定ができなかったのが敗因。それでもだめ元でトライしてみた。 送信する前に、一つでも受信できなければならない。アンテナとリグをセットしていざ受信。 ?? ノイズだらけ。普段は28Mhzしか聞かないが、念のため14メガから上の全バンドを聞いてみる。やっぱりだめ。パケットクラスタで強そうな局を見つけてダイアルを合わせてみる。でも聞こえない。SWRはこの環境なのでさすがに3を下回ることがないが、何にも聞こえないとは、、、トホホ。 結局ここでの運用はあきらめ、マンハッタン見物に出かけた。 ![]() ホテルの部屋のデスクに固定したアンテナ、、、何も聞こえない!! NYからCAへ 国内線空港として主に使われているラ・ガーディア空港からデトロイト経由でサンディエゴに向かう。無線機とアンテナは怪しまれないかどうか不安。飛行場のチェックインカウンターでパスポートを見せるなり、「あなたはセキュリティチェックを受けることに選ばれている(英語ではYou have been selectedという表現)」と航空会社の職員に言われる。そして別室に連れて行かれ、預かり用のトランクケースの中身を厳重にチェックされる。当然無線機、同軸、アンテナなどを一つ一つ取り出して質問開始。検査官はアジア系の人のためか、それほど険悪な雰囲気はなく、「アマチュア無線が趣味で、日本と交信するために持ってきた」と説明したら、物珍しそうにしている。結局ここではトラブルにならず。一方、機内持ち込みの方はPCやデジカメを入れていたのだが、こちらもいよいよ搭乗しようとする際に脇に連れて行かれ、靴を脱ぎ、ジャケットも脱ぎ、ベルトをズボンからはずし、鞄の中の所持品をすべてテーブルの上に出された。さらに参ったのは衆人環視の中、財布の中のコインや札までを全部出されたことだ。当然私をお客とは思っていない。すべての言葉が命令文で、一言もPleaseもThanksもない。この空港は国内線が主のため、日本人旅行客の絶対数がとても少なく、そのために怪しく思ってしまうのだろうか? ともあれ、テロに過敏になっているこの国は、少しでも「異邦人」がいるとヒステリックに疑うことしかできない、病んだ国になっているようだ。 仕事より無線のためのロケーション?! サンディエゴでの仕事は、とあるソフトウェア会社のカンファレンスへの出席。会場となっているホテルが、ラグーンの中にある高級リゾートであることがわかっていたので、当初から無線がやりたいと思っていた私は、部屋を予約する際に「西側に海が見える部屋」をリクエストしておいた。 実際に部屋に着いてびっくり、部屋の目の前がラグーン、想像を遙かに上回るすてきなロケーションである。 ![]() 宿泊したParadise Point Resortというホテルはラグーン中央の島にある 早速設営! 部屋に到着した時間は午後6時過ぎ、早速アンテナを設営して受信してみると、28Mhzで(以下すべて周波数は28Mhzのことです)ZLがガンガン入感しているではないか。不思議なことにバンドはとても静かで、この1局しか聞こえていない。部屋がちょうど西南西向きなのでロケ的に恵まれているのだろう。残念ながらJAの信号は聞くことができず、翌日を待つことになった。 ![]() 部屋の前はラグーン。仕事どころではない絶好のロケーション! JAが強い! 翌日(18日23:46UTC)58でガツンと入感していたJH0HQP丸山さんを見つけて呼んでみる。丸山さんは横浜で聞いていてもガツンと聞こえるし、耳も飛びも良い。サンディエゴからの5Wバーチカルではどうか??何と、応答があるではないか!こちらが話していることをほぼ100%聞き取れている。すばらしい受信能力だ。さすがM2の7エレの威力。 これに気をよくし、同じくらいの信号強度で届いているJI1KXL小倉さんを呼ぶ。この人は同じ横浜在住で毎朝のようにW向けにCQを出していて、結構呼ばれている。2エレのHB9CVを使用されているとのことだが、受信能力はどうか。丸山さんよりも強力に聞こえてくるのに、何度かトライしても応答がなかなかもらえない。10回くらい呼んでいるうちに、ようやく信号に気が付いてくれて0019Zに交信成立。小倉さんは何度もサンディエゴに滞在されたことがあるそうで、もっとお話をしたかったのだが、時々スタンバイのタイミングがずれるので相当受信が苦しいことが想像できる。無駄なことはわかっているが、ついついこちらも大声になってしまう hi バンドをワッチしてみると、いるいる!日本の常連さんがW向けにCQを出している。改めて驚くことだが、1エリアの信号は抜きんでて強い。ほとんどが57-59振っている。それ以外のエリアはそうはいかない。私は名古屋に住んでいたので、その時に自分には聞こえないWと交信している1エリアの局が結構いたことを覚えているが、サンディエゴで聞いてみて、なぁ〜るほど とあきらめがついた。 あまり強くない他のエリアの中で、結構強く入っている信号を見つけた。JH3DPB田中さんだ。6エレ30mh、200Wだが、なかなかどうして堂々たる入感ぶりである。こちらから呼んでみると一発で応答がある。56を送って55をもらう。すばらしい耳だ。田中さんのコメントでは私がJH0HQP丸山さんと交信しているときには、私の信号が聞き取れなかったそうである。どうやら3エリアからのベストタイムは日本時間の9時半頃のようである。この時間を過ぎると平日は常連さんの時間となるが、田中さん以外の1エリア以外の信号はせいぜい3つくらいでとても呼ぶ気になれない(と書きながら聞こえるJAの信号を片っ端から呼んだのだが、当然応答はない hi)。 0130Z頃までJAは大変安定して入感しているが、同時にDUやYBが結構強く入ってくる。その後VKやZLの信号がローカル局のように聞こえ出す。サンディエゴでは夕方7時頃までガンガン聞こえている。 ![]() 室内ではFT817をデスクの上に設置 翌日もトライ 翌日、この時間帯だけは仕事をすべてキャンセルして部屋にこもる。昨日と同じようなコンディションである。昨日呼んでも応答してもらえなかった局を再度呼んでみる。う〜ん、やっぱりだめだ。暇をもてあまし、0000Zにメキシコからの6J1DHNと交信。初のJA以外だ。取り立てて感慨はないが hi 0043ZにJH3DPB田中さんに声をかける。田中さんは確実に聞き取ってくれている。やはり耳がよい局は際だっている。Wからたくさん呼ばれていたJE1RXJ後藤さんが0109Zになってようやく拾ってくれる。59-55で交信成立。1エリアの局はWで信号が強く聞こえているので呼ぶWも多いようだ。この日、JA3CZY局も強力に聞こえていたので何度も呼んでみたが、結局交信できずに終わる。 ![]() JA方面はこんなロケ。白い椅子のそばにアンテナを立てている。 3日目も飽きずに 日本の20日の朝、運用最終日である。この日は比較的コンディションが良さそうである。2300Z頃から町田市のJH1AGU青木さんが強力に聞こえているのでまず呼んでみる。全然応答がない。交信相手のWには5エレ+200Wと伝えているので是非了解してもらいたいところ。何度か挑戦していたらJH0HQP丸山さんが「森さんが呼んでますよぉ」と助け船。この丸山さんの信号が強い強い。青木さんのところではノイズがあるそうで、厳しそう。こちらの話がどれだけ了解できているか心配である。何とか59-55で交信成立。私の横浜の自宅でも苦しまされているが、都会地では本当にノイズが多い。きっと青木さんも同じような悩みがおありなのだろう。これだけWにガツンと届いているのに気の毒である。 その直後、JH0HQP丸山さんと交信する。丸山さんが59をくれる。えっホント?? でも普段のスキャッターでの交信と同じか、それよりも気楽に会話が弾む。いったいどんな耳をしているのですか、丸山さん!? 0006ZにDS3EXXと58-53で交信成立。あっさりとできてしまって意外感。しかも耳がよい。HLの局はサンディエゴからは結構良好に聞こえていて、驚く。その割にはJA6が弱いのはどうして?? 0014ZにJH3DPB田中さんに声をかける。丸山さんと同じく確実にキャッチしてくれる。しばしラグチューをするが、とても安心感がある。 運用はこの日で最後である。ここ数年、海外出張が結構あったが、無線機を持参したことは今回が初めて。わざわざ重たい設備を持っていくのが苦痛で考えもしなかったが、7K1NAQ小山さんのプッシュのおかげでとてもエキサイティングな体験が実現した。次回からも必ず持っていこう、そしてホテルの部屋はJAに向いていることが絶対条件、、、と心に刻んでホテルを後にした。 (番外)伝搬について一言 プアなアンテナ、あるいはオムニアンテナを使ってみるとコンディションのピークの移り変わりが顕著に表れる。JAからだと朝7時頃から11時過ぎまでWが開いているのだが、当然エリアによって刻々と変化する。ビームアンテナだとQSBにも了解度を維持できるのでそれほど気にはなっていなかったが、今回の運用では「ピークに呼ばないと交信できない」という当たり前の法則を体験した。 そしてもう一つは、1エリア、それも「神奈川」付近の有利さである。実際名古屋からここ港南台に引っ越してきて、「Wが近い」と思う。名古屋で5エレスタックをやっていたが、ここで地上高が低い5エレシングルでもW向けなら遜色ない。緯度が低い、東に位置する、海が近い、、、条件がそろっているのだ。 とは言え、そうでないエリアのJH0HQP丸山さん、JH3DPB田中さんの卓越した受信能力には太鼓判を押したい。高ゲインのアンテナを適正に上げていれば、物理法則通りに成果が上がるのである。お二人とも出力は200Wであるが、それで十分である。実際にKWの信号(JA3CZY局、JE1RXJ局)と比較しても同じ強さで届いているである。私も条件が許すのなら、そうしたすばらしいアンテナを是非上げたいと思う。 |
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