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石川嘉延 静岡県知事殿
2002年3月29日
要望書
浜岡原発を考える静岡ネットワーク代表・長野栄一
浜岡原発1、2号炉運転再開について
昨年11月7日、9日の事故以来、再三にわたり申し入れをしてまいりましたが、納得できるお返事
をいただいておりません。
本年1月7日には、事故原因の徹底解明と抜本的な対策が出来、県及び県民を充分納得させ
ない限り、2、3号機の運転を再開しないことを中部電力に御指導下さるよう、17項目の質問や要
望を添えて申し入れました。しかし、信じられないことに、その2時間後に県は中電の説明を受け、
あっさり3号機の運転再開を許してしまいました。
さらに最近中電社長が「地元の理解が得られれば、夏前に2号炉、10月までに1号炉の運転
を再開する」と発表しましたが、それまでに水素爆発対策、老朽化による水漏れ対策が本当に完
璧に出来るのか大変疑問です。昨年12月14日、ドイツのブルンスビッテル原子炉で、浜岡と同様
の水素滞留爆発事故が起きました(資料@)。格納容器内の直進個所であり、炉心により近かっ
たら大惨事になっていたと言われています。保安院は水素が滞留した原因はL字管にあるとして、
その前に隔離弁を付けることによって、全国同型配管を持つ14機の運転を許可
しました。しかし、
ドイツの例から、水素は何処に溜まっても危険で、沸騰水型 (BWR)そのものに問題がある疑い
が出てきました。保安院は市民との話し合いの中で「この弁で水素爆発が起きない保証は無い」
と自ら認めているのです。浜岡1〜4号炉は全て危険なBWR型炉です。私たちは中部電力に「1,
2号炉は運転してはならない。3,4号炉は東海地震が過ぎ去るまで停止しておく」主旨の民事差
し止め仮処分申請をする団体に加わり、全国的に広げています。滅多に地震の無いドイツでさえ、
ミュールハイム・ケアリヒ原発 の敷地の一部を走る断層がM8を超える可能性があるとして、操業
たった11ヶ月で廃炉とする判決が98年に下されています。ニューヨークでは「テロによる放射能
の壊滅的な放出を防ぐため、インデアンポイント原発を閉鎖しよう」と自治体や住民が立ち上がっ
ています(資料A)。東海地震の切迫する浜岡原発こそ、出来るだけ早く停めておくべきではない
でしょうか。石川県知事には、県民の生命、財産を守る大きな義務があります。浜岡原発は4機と
も危険ですが、少なくとも1,2号炉の運転再開には、慎重には慎重を期すべきで
す。
そこで次のことを要望いたします。
中部電力より1、2号炉運転再開に向けての説明があった場合は
1.中部電力に、議員、県民を対象にした事故解明の説明会を開かせてください。
(質問に充分な時間を取ること)
2.中部電力、保安院、危険を警告している複数の学者をパネラーとする公開討論会を県が主催
してください。
以上を実施し、県民の充分な納得を得られない限り運転再開に同意しないでください。
1、2号炉運転再開に要望書提出報告
1,2号機運転再開に関して、3月29日に静岡県議会、県知事、市町村議会、市町村長に要望書
を提出しました。
中電社長は26日に「3月末から4月上旬以降の1号炉事故原因公表後、2号炉は夏前に、1号
炉は10月までに、地元の理解を得られれば運転再開したい」と発表しま した。3号炉の運転再
開では、記者発表(02.1.7)の翌日に「異論は無かった」 として実質的に運転再開した経緯があ
りますので、急遽、知事(原子力安全対策室長)と議会(事務局)に手渡しし、市町村長と議会に
は「配達記録」付きで「要望書」を郵送しました。
内容は「運転再開の前に、@中電に議員や市民を対象にした説明会を開かせることA中電、
保安院(国)、警告をしている複数の学者をパネラーとする公開討論会を県が主催すること」です。
県議会議長不在のため、事務局に手渡し、後で各会派に配ることにしました。
水越安全対策室長とは40分ほど話せましたが、「まだ原因解明されてないが、中電や保安院
の説明に納得したので3号炉の運転再開は同意した。1,2号炉については、中電にはこの要望を
伝え、公開討論会主催は他県のことも調べて検討してみ る。」ということです。これまでと同じです
が、県には専門知識をもつ人がいず(原子力アドバイザーや来年度派遣予定の専門官は国が決
めた人たちで当てになりません)、県民の生命、財産を自分達が守るのだという気概も無く、心も
とない限りで す。
市町村長や議会(特に1,2号炉廃炉を言及している2市3町)がどのように動いて
くれるか、期
待しています。
中電、国には追って要望書を提出予定です。
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