教科書問題で浜松市教委交渉 6.20

 6月20日、市教委を訪れ、教科書問題で交渉した。
対応したのは市教委学校教育指導課副参事の内崎氏。申し入れ文を読み、説明した
あと、行動を共にした劉徳相さんが発言。

「韓国では教育者は尊敬されている。知識があり、良心的であるからだ。この状況
は日本でもかわらないと思う。歴史教育は事実を述べて後世に伝えるもの。誤りが
あれば是正して直すものだ。今回の歴史歪曲問題では、日本が自らの手で歴史を創
作し歪曲していることを危惧している。それは次世代にとって望ましくないことだ。

 過去にも歪曲問題があったが、今回は質的にちがうと考える。日本の侵略戦争は
アジア民衆2千万人を殺した侵略行為であった。日本政府はそれを反省せず今度は
歪曲している。日本が侵略戦争を美化することは美化にとどまらず、戦争の再発に
つながっている。

 日本人も戦争再発は望まないだろう。正しい方向に是正されることをここにもと
める。

 韓国民衆はとても憤慨している。なかには1965年の韓日条約を破棄し、国交
断絶をという人もいる。他国のNGOとも連携し、韓国内だけではなく、国際的な抗議
行動が始まった。6月12日には71カ国の日本大使館前で抗議行動がおこなわれたが、
これははじまりにすぎず、この動きはもっと広がるだろう。

 良心的教育者が先頭にたって日本の教科書の歪曲を正してほしい。とくに浜松の
教育者が先頭にたってほしい。

 ドイツでは55年前の戦争犯罪を今も追及し処罰している。このため韓国の人々は
ナチスを憎むがドイツ国民を憎まない。日本もそうあってほしい。

 この発言をふまえ、対応した市教委に私たちは「過去の日本の戦争はまちがって
いたと考えるのか」を質問した。

 内崎氏は「はっきいいえない」「そのときの状況は理解していない」「知らない
から」と答えた。

 戦争全般は「よくない」としながら、日本の過去の戦争について善悪の評価をお
こなわない姿勢を市教委幹部はしめした。「韓国への植民地支配についてはどう考
えるか」と追及するとこれに対しては韓国人を前に「まちがっていた」とやっと答
えた。

 このような市教委の姿勢は「つくる会」の日本の戦争を肯定しアジア解放のもの
とする考えを容認することになる。

 私たちは指導課に再度、過去の日本の戦争についての価値判断を示すよう要求し
た。

 劉さんは最後につぎのように発言した。
「福岡の教委を訪れたとき問題はあるが、日本人も良心的な人がいると思った。し
かし、浜松では大変失望した。戦争は特定の人々が特定の目的をもっておこすもの。
それにより、破壊と民衆の犠牲が生まれる。戦争をおこすことは許せないことだ。
 市教委は日本の戦争について責任ある発言をしない。とても残念だ。憤りを感じ
ている。韓国には反日感情が大きくあったが、良心的な人々の努力で文化開放にす
すんできているのに。国際化のなかでは正しい歴史認識による国際理解・友好が必
要なのだ。

 今解決しておかなければ収拾できないことがあるのだ行動しない良心は良心では
ない。行動する良心を持ってほしい。

 劉さんは怒りを抑えながら、日本の過去の戦争をまちがいと認めない市教委幹部
に対しこのように発言した。
 日本の侵略戦争はアジアの人々に対し「殺し、奪い、
犯す」ものであった。「慰安婦」問題は、侵略戦争の犯罪性を象徴している。

 「日本の戦争はまちがっていた」の一言がいえず、スマイルで対応している市教
委幹部の対応は教委への市民の不信感を増幅させるばかりである。
 映画『プライ
ド』をかつて市教委が推薦したように市教委内部には過去の戦争を肯定する勢力が
根をはっているように思われた。