危ない教科書が徘徊する?!Part2レジュメ

「つくる会」教科書を徹底批判する

●2001年4月28日
I「歴史」の前提

1.「歴史を学ぶとは…序文」
・過去を学ぶとは、今の時代の基準から見て過去の不正や不公正を裁
 いたり告発することではない。過去の事実について、過去の人がどう
 考えたかを学ぶこと.当時の人の考えや思いを知ること。
 日本の過去の事実・行為の正当化。歴史から反省し学ぶ姿勢を拒否。
・歴史は民族によってそれぞれ異なって当然。
 自国に都合のよい歴史記述あって当然。民族対立・排外主義の歴史観。
2.「近代日本史の前提」
 @日本の大国化の歴史は欧米列強の進出と同時進行。
  欧米帝国主義のアジア侵略に対応するためにの大国化であった。
  日本の侵略の正当化。
 A中国朝鮮は欧米列強の武力侵略を認識できなかった。
 B日本は武家社会だったので、欧米列強の武力侵略に敏感に対応できた。
  自立できず、情勢に積極的に対応できない遅れた中国朝鮮。

U.朝鮮・韓国の記述

1.「朝鮮半島は日本に突き付けられた凶器」
 日本に向けて大陸から一本の脱が突き出ている。それが朝鮮半島だ.朝鮮
 半島が、日本に敵対的な大国の支配化に入れば日本を攻撃するかっこうの
 基地となり、日本の防衛が困難になる.したがって朝鮮半島は日本に突き付
 けられた凶器となりかねない位置関係。
 朝鮮植民地化の正当化論
2.「韓国併合」
 @「欧米列強(英米)が支持していた」。…桂・タフト協定.(米のフィリピン支
 配を容認との交換)日英同盟(イギリスのインド支配容認との交換)帝国主義
 の植民地強盗同盟の合理化と肯定。
 A「日本の安全と満州の権益を防衛するには必要」…日本の国益ために韓
  国朝鮮が犠牲になるのは当たり前。
 B「韓国総監府を置いて支配権を強めていった」。…経過について、一切書か
   ず。
  日露戦争の過程は朝鮮植民地化の過程。第一次(1904)、第二次「保護条
 約」、三次日韓協約…内政、外交を奪い、統監府政治。朝鮮軍の解散→義兵
 同争→安重根による伊藤の射殺
 C「合法的」に行われた。
 戒厳令下、民衆には一切知らされず強行。軍事的脅迫のなかで「締結」された
 ものであり、対等平等の関係ではない。
 D「賛否両論があり、反対派の一部から激しい抵抗があった」
 抵抗闘争に触れず。義兵闘争、3・1運動 全国で200万人の決起…報復とし
 ての関東大震災に於ける朝鮮人虐殺6000人にも触れず。
 E植民地支配の実態について全く記述なし。…「植民地」「総督府」もない。

V15年戦争について記述

1.「満州事変」…中国人の排日運動で、日本の権益が侵害されたのが原因。
 国民は関東軍の行動を熱烈に支持。陸軍に220万円の支援金が寄せられ
 た。満州国は急速に経済成長を遂げ、人々の生活は向上した。

2.「日中戦争」…日本の和平工作を中国が拒否し、中国共産党が戦争の長期
 化を方針としていたため、際限のない戦争にひきこまれていたった。

3.「大東亜戦争」
 @名称…項目タイトル「大東亜戦争」。日本政府はこの戦争を大東亜戦争と命
  名した。戦後アメリカ側はこれを太平洋戦争と呼ばせた。
 A開戦理由…「ABCD包囲網」と「中国から無条件で即時撤退を要求したアメリ
  カのハル・ノート」。「これによって日本は対米戦を決意せざるをえなくなった」
 B戦争目的…「自存自衛とアジアを欧米の支配から解放し、そこに大東亜共栄
 圏を建設すること」
 C結果…「日本軍の南方進出がきっかけとなり、日本敗戦後、アジアからアフリ
  カまで、ヨーロッパの国々の独立の波はとどまることがなく、世界地図は一変し
  た」

4.日本の被害は細かく書くが、日本の侵略による被害(加害)事実は全く書かない。
 @アメリカの空襲…戦争中であっても無差別に殺害することは国際法で禁じられ
  ていた。にもかかわらず、アメリカは一般庶民に対する無差別爆撃をおこなった。
  東京大空襲では、約10万人を殺害した。
 A日本人犠牲者数…詳細に記述 日本人死者252万人? 世界の死者2200
  万人?全体の11%?

5.戦争の賛美
 @まるで戦時公報…「銀輪部隊」
 Aまるで戦記もの…死の美化「玉砕・全滅」
 B国家への自己犠牲の美化…「神風特攻隊」
 C「戦争に善悪はつけがたい。政治で決着がつかず、最終手段としておこなうのが
  戦争である」

「つくる会」教科書の検討…「天皇」に関して

《結論》まさに「皇国史観」の教科書。

    日本は「天皇中心の神の国」である。
    日本は天皇によってつくられ、守られてきた国。
    天皇は常に国家の平穏と国民の幸福を祈る、「公」しかない「無私」の存在で、
    日本人の心の支え、敬愛の対象。
    直接政治を行わないので、どんなひどいことがあろうと天皇に責任はない。つ
    まり戦争責任は全く無い。
  こうした観念を子供のうちから徹底的に植え付けるための教科書。

歴史教科書から
 <古代>

・「神話」(天皇の存在とその支配を正当化するための話)をこれでもか、これでもか
 と繰り返す。何と9ページ!

Bここでは神話が多くの民族が持つ普遍的なものであることを(言語の期限と無理
 やりつなげて)印象づける。

C・「大和政権」「大和国家」でなく「大和朝廷」連発。
  ・仁徳古墳は世界一。ピラミッド、始皇帝墓と図入りで比較。
  ・「神武東征」を1ペ−ジ使って記載。
   伝承だと言いながら、
    「史実を反映している可能性は考えられる。」
    東征のルートを地図で示す。
    「建国記念日」は「神武天皇即位の日を太陽暦に直したもの」
  歴史の事実だったように思わせる。

  ・朝鮮南部任那を支配。「任那日本府」を疑いもない事実として記載。

D・「帰化人」という語の使用。

  ・氏姓制度「大王から臣や連といった姓を与えられ…」
  →「皇室には今もなお姓がないのはなぜだろう。この当時から大王は姓を与える
  立場だったことと、どのように関係しているのだろう。

  ・高句麗、百済、新羅の日本への朝貢→「アジアの中心の一つであるという強い
            、                自覚をいだくようになった」
E・日本武尊の話に2ページも!4世紀前半ごろ貴行天皇(第12代)の皇子
  「この草薙の剣と、…は、やがて「三種の紳器」よばれ、歴代の天皇に受けつが
  れる皇位のしるしとなった。」
  「そのすべてが事実だったとは限らない。しかし…」と続け、地図で東征ルートま
  で載せて、史実であったと印象づける。

F・大化改新、宮中クーデターを日本書紀のままに具体的に描写。
  「(蘇我氏は)天皇家気どりで…」「皇極天皇の御前に…」「おどろく天皇に皇子は
  ひれふして…」

 ・壬申の乱後、中央豪族たちが没落して「こうして、天皇を中心に国家全体を支える
  「公」の立場がようやく確立することになった」

G・またまた紳話!何と4回目!しかも4ページにわたって!
   イザナキ、イザナミ→天照大紳(太陽の女神で皇室の先祖)、スサノオ
  →天孫降臨(ニニギが三種の神器持って高千穂の峰に)
  →神武東征(またまた登場!)「イワレヒノコの命は、45歳の冬、船団を仕立てて
  日向を出航し、大八島の中心である大和の地を目指して、…ついにこの地を平定
  し、大和に橿原の宮を建てて初代天皇となり、後の世から神武天皇と呼ばれるよう
  になるのである。」

  <中世>

G・元寇・「朝廷が2回目の使者に用意した返事の下書きには、『日本は天照大神の
 子孫が統治する立派な国だから、知恵でも武力でも侵すことはできない』とあった」
  (全く必要もない記述!)

H・「秀吉は、さらに中国の明を征服し、天皇も自分もそこに住んで、東アジアからイ
  ンドまでも支配しようと…」

  <近代>   

L・近代の初めのところに2ページも使って「日本の国旗と国歌」
  その冒頭は1999年の「国旗国歌法」をとりあげ、その神聖さ強調
  日の丸の由来では天照大神(またまた登場!)から説明。
  君が代…「天長節に公表された」
  「日本国憲法のもとでは、日本国および日本国民統合の象徴と定められる天皇
   を指し、…」と断定。 
M・「天皇のもとにつくられた新政府の指導者に…」
 ・「新政府軍は天皇の軍隊を示す錦の御旗を先頭に押し立て…」
  「王政復古の大号令は、神武天皇(また登場!)の建国の精神に…」
  「明治天皇は公家・大名の前で、…五箇条の御誓文を発した。」
  (明治天皇の写真とともに大きな囲みで、訳付きの全文掲載。また天皇の横、神
  前で御誓文を朗読する絵を大きく載せる。同時に出された『五傍の掲示』のこと
  はどこにもない。)
  「江戸は東京と改称され、明治天皇は京都から長い行列をともなって…」
  (天皇の行列の絵を掲載)
  「この版籍奉還によって、全国の土地と人民は天皇(公)のものとなった…」
  「天皇直属の御親兵」「天皇の名において廃藩置県の布告を…」

Q・大日本帝国憲法「皇居で明治天皇から…原本が授けられた。」
 「国歌の統治権は天皇にあるとし、その上で実際の政治は各大臣の補弼に基づい
 て行われると定めた。また、天皇に政治的責任をおわせないこともうたわれた。」
 「アジアで最初の議会を持つ立憲国家として出発した。」

 ・教育勅語、1ページの半分以上のスペースで大々的に!
 「これは…各学校で用いられ、近代日本人の人格の背骨をなすものとなった。」
 (全く何の批判もなく、礼讃のみ)

23.「明治天皇が崩御し…」 

25.・森鴎外「西洋人のようにすべてのものに疑いの目をむける自分と、家に伝わる、
 天皇を中心とする日本人の伝統との矛盾に悩んだ姿を書いている。」

29・「二・二六事件と天皇の決意」「しかし、昭和天皇は『朕みずから近衛師団を率い、
 これが鎮圧に当たらん』と断固たる決意を示した。」 

31・大東亜戦争・・天皇の名で戦争が始められたことがどこにも書かれていない。

33・「聖断下る」「・・鈴木首相が天皇の前に進み出て聖断をあおいだ。これは異例
 のことだった。天皇はポツダム宣言の受諾による日本の降伏を決断した。」
  (御前会議の写真つき)

35・「国家神道の廃止や、いわゆる天皇の「人間宣言」は、日本神道や天皇に対す
 る研究が不足したまま、神道や天皇制度が戦争の原因だと短絡的に誤解したため
 に行われた。」

38・「昭和天皇ー国民とともに歩まれた生涯」・・何と2ページ!
  「崩御の日」→「お人がら」→「昭和天皇とその時代」

公民教科書から

E・大日本帝国憲法
 「明治のはじめには五箇条の御誓文が示され、天皇自ら率先してこれを実残するこ
 とを明らかにした。・・その後もつねに参照され、国の指針となった。」
 「この憲法では‥我が国は万世一系の天皇が統治する立憲君主制であることを明ら
 かにした。」
「この憲法は、アジアで初の近代憲法として内外ともに高く評価された。」

F・天皇と政治(1ページ半)全文重要!

H・国旗・国歌に対する意識と態度(2ページの特集!)

 *「北朝鮮による日本人拉致問題」(1ページ特集)