
| 静岡市教育委員会 2001年7月6日 教育長 織田元泰様 住所 静岡市鷹匠2−12−10 団体名 「つくる会」教科書を子供たちに渡すな!実行委員会 代表 ◆日本側 池田一・中川弘・西脇征嘉・森正孝 ◆在日側・金竜沢(僑友の会・日朝韓の会) 教科書採択に関する請願 内外から厳しい批判を受けている「中学校社会新しい歴史・公民教科書」(「新しい歴史教科 書をつくる会」以下「つくる会」〕執筆編集・扶桑社刊)(以下「新しい歴史・公民教科書」)が、現 在、各地で採択委員会にかけられています。私たち日・在日朝鮮、韓国人のこの教科書に反対 する市民の代表は、ここに、貴委員会に対し、以下の通り、「新しい歴史・公民教科書」を決して 採択することのないよう強く請願するものです。 まず、日・在日共同による請願にあたって、次のことを述ペておきます。 日本国内の一部に「日本の教科書発行や採択にあたって、韓国をじめ外国が意見を言うことは、 内政干渉にあたる」という主張があります。 しかし、これは大きな認識の間違いであります。かつて1982年の教科書問題の際、日本政府 は韓国をはじめアジアからの抗議を受け、「近隣アジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の 扱いに、国際理解と国際協調の見地から配慮がなされていること」(近隣諸国条項)を「教科書検 定基準」に新設しました。 95年には、「アジア諸国に与えた多大の損害と苦痛に対してお詫びと反省」(村山首相談話)を 表明、そして、98年には、「両国国民、特に若い世代が歴史への認識を深めることが必要」(日韓 共同宣言)と表明しております。 これらは、日本が国家として世界へ発した国際公約であり、したがってそれを順守する義務が日 本政府にはあります。 しかるに、今回の「新しい歴史・公民教科書」の内容は、これらの国際公約をことごとく無視し、こ れらの国際公約に相反する記述となっているのです。 それを、日本政府は無謀にも「検定合格」させ、教科書として学校現場に登場する機会を与えた のですから、在日韓国・朝鮮人はもとより、韓国、朝鮮民主主義人民共和国をはじめアジア諸国、 人民が意見を言い、抗議をすることは当然であり、断じて「内政干渉」にはあたりません。むしろ責 められるべさは、国際公約に反し「検定合格」させた日本政府にあります。 以上の立場を前提にして、私たちは以下の通り請願いたします. 1,「つくる会」は、この間「新しい歴史・公民教科書」のパイロット版と称する本を教育委員会委員や 学校長らに無料で配布したり、検定申請本(白表紙本)を学校現場へ持ちこむなどの違法な宣伝 活動をおこなってきた。そして、採択作業の行われている現在、この「新しい歴史・公民教科書」を 書店で市販するという前代未聞の異常な行為を展開している。私たちは、こうした「つくる会」の異 常な行為に惑わされることなく、採択が公正に行われるよう指導されることを要請する。 2,この間「つくる会」は、関係の深い政府与党の国会議員や県市議会議員とともに、地方議会にお いて「採択は、現場教員の関与を排除し、教育委員会の権限で決定する」旨の「請願」をくりかえし おこなってきた。そして、採択の現段階においても、「採択委員会」に対して、同様に国会議員や県 市議会議員を使って、圧力をかける懸念があることは拭いされない。したがって、採択に当たって は、一切の外部の政治的圧力を排除して公正に行われるよう指導されることを要請する。 また、不信を招くような採択作業がおこなわれないために、採択の過程についての情報公開を強く 要請する。 3,国際化の時代にあつて、他国との対話と相互理解をすすめることは、一層、重要な課題となって いる。このような時、独善的な歴史観で日本のおこなった植民地支配や侵略戦争を正当化・美化 したり、武力で国際社会に対応すべさである、などと強調する「新しい歴史・公民教科書」は、時代 に逆行するばかりでなく、日本を国際的孤立に導くことになり、これからの日本をになう子どもたち の教科書としては不適切であることは言うまでもない。あくまでも、国際理解・国際協調の見地につ いて十分な配慮がなされている教科書を採択するよう指導していたださたい。 4,すでに、「新しい歴史教科書」について、日本の学者たちから51カ所、そして、韓国からは35カ所、 中国からは8カ所の誤りや修正要求が日本政府に提出されており、さらに日本の複数の大新聞の 社説は、「公民教科書」も含め、これが教科書に適していない、と明言している。何よりも、すでに廃 止・失効した大日本帝国憲法や教育勅語を礼讃し、アジア太平洋戦争を「大東亜戦争」と記述し、 植民地下でおこなった様々な皇国臣民化政策、強制連行、従軍慰安婦、など加害の事実を徹底し て隠し通し、「栄光の日本」を描きだそうとする姿勢は、アジア諸国民との友好と信頼、対話と相互 理解の道を閉ざすだけでなく、韓国民衆をはじめとして、戦争と植民地支配の悪夢を、体と心にとど める全アジア民衆にとって脅威ですらある。 以上の点を考えた時、この「新しい歴史・公民教科書」は、中学生が学ぶ教科書としては、全くふさ わしくないと断言できる。 5,以上述べた請願の内容を、教科書採択関係者に正確に伝えていただくとともに、貴委員会におい ても、本請願の趣旨を十分理解され「中学校社会 新しい歴史・公民教科書」が採択されないよう 強く指導されることをここに請願いたします。 |