2002年11月15日アメリカを変える。「前編」  


 俺がアメリカに来て3年半が経つ。来たばかりの頃はアメリカの合理的なシステムにただ驚くばかりだった。高度に発達した大学のシステム、流通システム、インターネット。アメリカがなぜ世界一の超大国であるかを、まざまざと見せつけられた。俺はアメリカに永住したいとまで思った。

   しかし、ある時、その考えを180度変えさせる出来事が起きた。地球温暖化をくい止めるために、世界各国が話し合あって創り出した取り決めである京都議定書からのアメリカの脱退。その理由は京都議定書はアメリカの経済発展の妨げになるから...。当時、生物学を専攻していた俺にとってアメリカのこの決断は信じられなかった。地球人類の未来よりもアメリカのその場限りの経済発展を重要としたのだ。世界一の超大国が目の前の利益しか追えない近視眼的世界観しか持てていないと言うのは、全人類、地球上生きる全ての生命すら危うくする。

    俺は生物学専攻からビジネス専攻に変わった(自由に専攻を変えられると言うのはアメリカの大学の優れた点だと思う)。アメリカがそこまで重大に考える経済の世界で俺がトップを取れば、アメリカを止められると思ったからだ。(俺は誇大妄想癖僻がある。)しかし、そこで見えたものはアメリカ主導の経済システムの不完全さだった。

   俺はマルクスではないから、資本主義の方が共産主義よりも、上手く機能することはわかる。共産主義は理論てきにほぼ完璧で最も理想的であるにもかかわらず、唯一、人間の欲望をあまく見ていたために資本主義に敗北した。逆に人間の欲望を最も上手く活用した資本主義は様々な問題を抱えつつも世界で最も上手く機能するシステムとして受け入れられた。しかし人間の欲望は歯止めが利かず、暴走する。暴走しだした資本主義という超特急列車の車輪はその勢いに耐え切れずいたるところで悲鳴を上げ始めている。アメリカ人や日本人のためにNIKEの靴をつくらされるアジアの子供達、経済発展を夢見る途上国は、一握りの金持ちの行う投資ゲームによってどん底に突き落とされる。アジアの金融危機に始まり、ロシア、メキシコ、アルゼンチンと飛び火した経済の混乱で富を得たのは先進国(おもにアメリカ)の一部投資家だけであることを俺は知っている。貧しいものはより貧しくなり、富めるものはより富んで行く。地球温暖化は自国の事しか考えない国の経済発展のために引き起こされる。そうやって引き起こされた異常気象で農業しか産業のない発展途上国は大打撃をうける。異常気象による大不作で生活に困り子供を売るカンボジアの親たち。10歳に満たない子供ですら男児は過酷な労働で奴隷のように使われ、女児は児童売春の餌食となる(朝日新聞によると、児童売春に金を払う金持ちに日本人も多く含まれるそうだ)。ウェイターをやれば一日1万円以上稼げるアメリカと子供後が千円以下で売られるカンボジア、人は死なずともこの地球上に天国と地獄をかいま見ることが出来る。

   うーん、酔いが覚めてきた。この続きはまた次回。

  次回予告。生物学、経済学と専攻を変え、サンアント二オからオクラホマに転学し、大学卒業、就職活動という人生の一大転機を間近に向かえた俺が考え出した、「アメリカを変える」秘策とは...。それは、アメリカで寿司ファーストフードチェーン店を展開し、マクドナルドを倒すことだった!(テロみたいな負け犬の策とは根本的にちがうよ。)

   次回お楽しみに!