■ 源泉(事業主から従業員へ給与を渡すその時に徴収する税)を年末に調整すること
■ 源泉徴収が適用されるのは所得税のみ(給与所得・利子所得・退職所得)
■ 日本のみの仕組み(外国はみんな確定申告)
■ 源泉徴収義務者は企業(源泉徴収が企業の仕事、と定められている)
★★ 具体例 ★★
※Aさん(月給者)の場合
毎月の給与から源泉徴収された所得税は月1万円 → 1月から12月までで12万円
ボーナスから源泉徴収された所得税は夏が4万円、冬が6万円 → 合計10万円
とすると、1年間で合計22万円の税金をおさめたことになりますね。
これらの税金は給与やボーナスを支払う都度計算されています。

12月にその年最後の給与を支払い終わった段階で、Aさんの年収が確定します。
この年収をもとに、年末時点でのAさんのいろいろな個人的事情を加味して課税対象となる課税対象額をだし(これを所得控除といいます)、その年にAさんが支払うべき税金(=年税額)を計算するわけです。
計算した結果、Aさんの今年支払うべき税金は18万円でした。
Aさんは18万円でいいところを22万円も払っていますので、差引4万円が還付されます。
この例の場合、「18万円」を求め、すでに支払った「22万円」との差額「4万円」をだすのが年末調整の作業です。上記の例では還付されますが、払い足りない場合は追徴となります。
【年末調整のしかた】
収入が同じでも、個人のいろいろな事情で担税力(税金を負担する力)が異なります。
そこで、「所得控除」といって、税金の計算のもとになる課税所得自体を減らしていく方法がとられます。
給与所得者の場合はこうなります。

※1.所得控除
基礎控除、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、障害者控除、勤労学生控除、老年者控除、寡婦(寡夫)控除、生命保険料控除、損害保険料控除、小規模企業共済等掛金控除などがあります。(ほかにも医療費控除、雑損控除などがありますが、年末調整で使用するのは上記控除種類です。)
独身で若くて健康で扶養家族もない、生命保険料も払っていない、という人は基礎控除と社会保険料控除くらいしかありません(つまり課税対象額が多い)が、扶養家族がいたり、障害を持っていたり、家族の社会保険料を払っていたりしているとそれだけどんどん所得控除が増えていき、それにつれて課税対象額が減っていく、という仕組みですね。
※2.税額控除
算出年税額は課税対象額が330万円以下なら課税対象額×10%となります。(課税対象額が多いと税率が多くなりますので計算式が変わります)
所得控除は課税対象額をへらすためのものでしたが、税額控除は計算された年税額自体をへらすものです。代表的なものに住宅ローン控除があります。
【昨年と変わった点】
■ 生保損保相互参入に伴い、生命保険料控除・損害保険料控除にかかる保険料はその契約内容をみて決定することになりました。
→ 前は生命保険会社と交わした契約なら生命保険料控除、損害保険会社と交わした契約は損害保険料控除、と切り分けがはっきりしていたが、今は損害保険会社が生命保険を売ったりしているので、会社だけではどんな保険かわからなくなっちゃったから。
★★ 実務上のポイント ★★
保険会社から来る保険料支払証明書にどちらの種類に該当するか書いてあるケースがほとんど。親切なのは外資系。イケてないのは日▲生命とか、○友生命とか大手系。 |
♪♪ Coffee break ♪♪
生命保険料控除と個人年金保険料控除はそれぞれ最高5万円の控除が受けられるけど、昔は生命保険料控除だけで、生命保険会社が個人年金を売るときに個人年金控除をセールストークに使ったらしい・・・。なんだそりゃ。 |
■ 小規模企業共済等掛金控除の対象に個人型年金の掛金(日本型401kの掛金)を入れてよいことになりました。
★★ 実務上のポイント ★★
1.実際に個人型年金の掛け金が発生するのは平成14年1月1日以降だから、平成13年の年末調整にはあんまり関係がない。
2.個人型年金には国民年金基金の掛け金が該当するようだが(税務署談)、国民年金基金の掛け金は社会保険料控除として差し支えなし。 |
■ 住宅ローン控除の期限が延長されました。
♪♪ Coffee break ♪♪
この不景気で住宅ローン控除の延長だけでなく、株式の配当所得にかかる税金を軽減しようという動きがあるらしい。今株を買って、何年後かに売ったら(すぐ売ったらだめ)そのもうけに税金がかからないようになるとか・・。 |
【その他ポイント事項まとめ】
■ 死亡退職、心身障害による退職の場合…退職時に年末調整を行なう。
■ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書と配偶者特別控除申告書の内容が合っていないときは本人に確認。
■ 申告書類は基本的に本人の申告を信じてやるが、明らかな間違いは訂正してあげて差し支えない。
■ 年末調整の結果、税額に過不足が生じた場合
その過不足金額の還付&追徴方法は次のいずれかが一般的。
- その月(12月)給与にのせる
- 現金で還付(これがお父さんたちのひそかなお小遣いとして人気あり)
- 1月給与にのせる
■ 過不足税額の納付方法
税額は毎月10日に納付するが、納付書に年末調整の還付金と、差し引いた後の金額を記入する。(つまり納付時に還付分は相殺できる)1回で差し引けない場合は次月へ繰り越してよい。(つまり還付金と相殺した結果、納付なしとなることがありえるが、この場合でも納付書はきちんと税務署へ提出する必要がある)
■ 源泉徴収票(複写)の上2枚は市町村役場へ1月末までに提出
→ 5月に次年度の市町村民税特別徴収通知書がやってくる(帯みたいなもの)
その後市町村民税がかわった場合も税務署へは会社からの届出等は特段いらない
■ 1月末までに支払調書を税務署へ提出
■ 確定申告が必要な人
- 給与以外の所得が20万円あった場合
・ クイズの賞金・競馬の配当金・保険金など → 一時所得
・ 原稿料・特許権料 → 雑所得
等が多い。
- 住宅取得の初年度(2年目からは年末調整でOK)
- 下のいずれかの控除がある人
医療費控除、雑損控除(泥棒に入られた、災害に遭った等)、寄付金控除
■ 共稼ぎ夫婦の住宅ローン控除について
(例)3000万円の借入金で、夫1800万円、妻1200万円で別々に住宅ローン控除を受けていたケースで、妻が途中で退職して所得がなくなったため、夫がローンの全額を負担することになった。
現在の借入金残高が2500万円として、夫は2500万円について住宅ローン控除を受けられるか?
→ 受けられない。夫は当初申告した1800万円を限度として控除を受けることになる。
編集 カンちゃん