『多選禁止、早期に成立を』

中田横浜市長と一問一答

 五月中旬から随時、十四回にわたってお届けした「中田市政にアシスト」。各界で活躍する専門家や有識者から「市政変革」への提言や叱咤(しった)激励を寄せてもらったが、そのボールをどのように横浜市政に打ち込むのか。十九日、中田宏市長にインタビューし、今後の取り組みや考えを聞いた。市長はこの中で、全国初の首長の多選禁止条例の制定について、市議会の理解を得た上で早期に成立させたい考えを明らかにした。一問一答は以下の通り。

 ――十六日に市長就任百日を迎えた。これまでの成果をどう振り返るか

 市民の期待はよく分かるし、市政を変えることに自分自身も期待している。重要なのは成果を挙げること。一口に「変える」といっても、すぐにできること、それなりの段取りが必要なもの、周到な準備が必要な課題がある。仕分けをして、順次進めていく。

 ――市長選では、高秀前市長の多選を批判したが、自らの任期を条例で制限する考えはあるか

 横浜では、わたしのように多選に問題意識を持つ人がいる一方、禁止に否定的な人もいた。しかし、市長選の結果やその後の事象(市長選をめぐって逮捕者が出た高秀陣営の選挙違反事件)を通じ、「多選はまずい」との結論は出つつある。

 すでに「実」は取ったが「名」も必要。(条例制定は)横浜から日本の価値観を変える大きな意味がある。否決されては意味がないから、議会と議論を重ね、早期制定の土俵をつくりたい。

 ――市長交際費のインターネット公開を二十日から始めるなど情報公開の徹底を掲げているが、今後はどう取り組むか

 公開できないものには公金を出さないのが大原則。(非公開後の不服申し立ての結論が出るのが遅いとの指摘もあるが)、情報公開審査委員には「速やかに結論を出すよう、忌憚(きたん)のない意見を」とお願いした。そうすることで、行政も鍛えられる。

 ――ごみの減量化が進んでいないといった、ごみ施策をめぐる市の問題意識を問う発言も目立った

 これまでの横浜は、金があって大規模焼却施設も建てられるため、大量消費・大量廃棄の先端にあった。だが、地球環境の保全がのど元に突き付けられているとの時代認識を行動に移さないといけない。横浜ほどの大都市なら、分別のさらなる徹底、集めた資源の利用(を促進させる)事業を検討しないといけない。

 ――指定有料ごみ袋の導入のほか、南本牧最終処分場の拡張に危ぐする識者もいる

 有料袋については、ごみの分別種別や出し方、メーカーや販売店の協力などいろいろな組み合わせの中で考えたい。ごみの量がゼロ社会の実現までは、相当な時間がかかるだけに、焼却残渣(ざんさ=燃えかす)をどこに運ぶかは、行政が先回りして考えておく責任がある。かといって、処分場があるからといって、(ごみ減量化など)とるべき行動をやらないという甘えにつながってもいけない。

 ――民の力を生かすことを強調するが、外郭団体を今後、どうしていくのか

 公的団体には、非効率な運営をし、天下りを受け入れてさらに非効率に拍車をかけていたようなものが、日本の至る場所にあった。民間に同じような業務をする団体があれば競争をさせる実験もしたい。要は、目的の達成が重要。どのような形の団体が望ましいのか、(市民や庁内に)投げ掛けたい。

 ――五兆円の借金を抱える財政難の下、公共事業のあり方をどう見るか

 必要な事業を止めるつもりはないが、質的変換は必要だ。市は発注者としてだけでなく「お客」として、質や価格の安いものを求める厳しい目を持つことが必要。これまでの事業は緑を壊すものが一般的だったが、緑を増やしていくものにもしたい。横浜には「土」がないとつくづく思う。
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媒体 東京新聞 掲載日 2002.07.20