市長選の敵討ち? 横浜市会の質問時間変更

 横浜市会の質問時間変更案が二十二日の議会運営委員会で決まり、二十三日開会の第二回市会から適用されることになった。時間が増える自民(三十三人)、民主(十六人)、公明(同)の三大会派が賛成。反対に回った共産党(十人)、神奈川ネット横浜(同)、民主党横浜みらい(五人)といった少数会派が時間を減らすと言う構図となった。「平等性を尊重した」という三大会派側に対し少数会派側は「市長選の敵(かたき)をこんな形でとるとはひきょうだ。」などと猛反発している。
(報道部・有吉 敏、牧野 昌智)

延長戦の様相呈す

交渉会派(五人以上)に認められている予算代表質疑(総枠二百分)でみると、これまで一会派に十一分ずつを割り振り、残った時間を所属人数により比例配分してきた。しかし今後は会派への割り振りは止め、人数による純粋比例配分のみを行うこととした。これにより自民が十三分、民主と公明が一分ずつの増となる。一方、共産とネットは四分ずつ「みらい」は七分の減となる。
 非交渉会派も行える予算・決算特別委員会についても比例配分に一本化。市会唯一の非交渉会派の「市民の党」(二人)も時間を二分減らすこととなった。

敗北会派が押し切る 削減の少数会派は猛反発

 先の市長選をめぐる構図でみると、三大会派は前市長を応援した。一方、ネットと「みらい」は中田宏現市長をサポート。共産党は現職再選阻止の立場で環境学者を推し、市民の党も「反高秀」の立場で活動した。
 特に、「みらい」は民主党市議団を割って出て中田市長擁立を後押しした経緯があるとあって、三大会派からの風当たりはもともと強い。「みらい」の市議は「今回の件についてはわれわれが口を開かなくとも、世間の人たちは『嫌がらせだ』と自然に感じるでしょう」とコメント。「対立の構図」は市長選の延長戦のような様相を呈している。

世間の理解を期待

 三大会派側には」大義」がある。交渉会派として最小単位の「みらい」の誕生で「議員一人あたりの発言時間数でみれば自民は『みらい』の半分にしかなっていない」との不公平感がぬぐい去りがたい状況になったという。「個々の議員の発言権は大切。ならば会派人数で配分を決めるのが筋だ」というのが結論だ。
 本音の部分には「中田市長のスタンスをただしていくのに時間が必要になった」という事情がある。「来年の統一地方選をにらめば旧市長の与党であった三大会派はこの一年の質疑が勝負となる」という認識だ。
 事前の交渉では、共産やネットなどから総枠を増やして少数会派の発言時間を確保してゆく対案を提示された。しかし「民意を得ている量が少ない少数会派の都合を優先するわけにはいかない」などとして退けている。自分たちの質問時間を確保しつつ、「みらい」やネットという中田市長に近い会派を抑えていくには「会派人数による純粋比例配分」は世間の理解も期待できる格好の落としどころだったようだ。



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媒体 神奈川新聞 掲載日 2002.05.23