横浜市議会日の丸問題

議長席占拠、また“空転” 6時間以上座り込み
 ■『市民の党』2人の市議 中田市長“初対決”なし

 五日の横浜市議会本会議で、日の丸掲揚の実力阻止で開会を遅らせた会派「市民の党」の議員が議長席などを六時間以上にわたって占拠。またも議会が空転した。小林昭三郎議長の指示で議会事務局員が二人を押さえ込み退場させるなど、議場は大混乱。議事進行は大幅に乱れ、中田宏市長に対する初めての代表質問など、中身の議論は六日に持ち越された。

 議長席と議会事務局長席に約六時間座り込んだのは、与那原寛子、井上さくらの両市議。本会議場での国旗掲揚に反対する二人は、五月二十九日の本会議開会前には国旗を引き降ろそうとし退場させられた。

 その後、同三十一日の市会運営理事会でも二人は「発言の場を与えられなかった」として、▽国旗掲揚を強制している▽議長が開会前には出せないはずの退去命令を出した−などの点について小林議長に説明を要求。回答がないことから、五日午前九時四十分から、議長席などに座り込んだ。

 議長が議長席に座れず、代表質問などを予定していた本会議は十時になっても開けない。傍聴席からは、両市議の支持者から「頑張れ」との声の一方、「予算審議を見に来たんだぞ」などと不満の声も上がった。

 十時半ごろ、十数人の市議が議長席周辺に集まり、退席するよう求めたが、二人は「議長の説明がほしい」と拒否。その後、国旗が議長席横へと運び込まれ、市職員六人が“盾”のように周囲を取り囲んだ。

 十一時前、小林議長が席前でマイクを持ち開会を宣言。二人に退場を求めたが従わず、傍聴席からは「ルールに従え」「外へ出るのは国旗だ」と怒号が飛び交い、わずか十分で休憩に。

 休憩中、各会派は小林議長らに二人の退去を要請、ネットの市議らが説得を続けたが難航。

 午後三時四十五分、再開された議会で、二人は再度の退場要請に従わなかったため、議長が議会事務局職員に退出を指示。二人は毛布で覆われ、連れ出された。

 散会後、各会派は記者会見。二人は「議長や議会は少数党の意見を聞こうとしない。座り込みはやむにやまれぬ手段」と弁明した。

 一方、他会派からは「少数会派の発言の場を保障すべきだ」との声もあったが、居座りに理解を示す会派はなく、「議会の品位をおとしめた」「重要審議ができなかった」と批判が相次いだ。

 中田市長も「二人の主張は尊重するが、行動は賛成できない」と指摘。代表質問で議会との“初対戦”が先送りとなったことには「明日が試験と思って勉強したのに…。やってくれよなあ」とあきれ顔だった。


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媒体 東京新聞 掲載日 2002.06.06