「占拠とは認識せず」


◆懲罰特別委で2市議が主張
 「市民の党」の井上さくら、与那原寛子両市議による議長席占拠騒動(五日の本会議)の処分を協議する横浜市会の懲罰特別委員会(関貞彦委員長)の第四回会議が十七日開かれ、両市議の弁明などが行われた。両市議は「議長と市会事務局長との話し合いを求めての行動。占拠とは認識していない」と正当性を主張。一方、委員からは「議場混乱を見越した上での計画的な行為」などの批判が相次いだ。

 二十一日の第五回会議で交渉六会派(自民、公明、民主、共産、神奈川ネット横浜、民主党横浜みらい)が処分についての意見表明を行う。謝罪要求を両市議は受け入れないことから各会派は態度を硬化させており、「出席停止」などの重大な処分が下される見通しとなってきた。
 この日の懲罰委では、議場占拠騒動前の本会議(五月二十九日)で、議場に掲揚された日の丸に手をかけて退去させられた井上議員が弁明。「ポールに手をかけただけで、議長の命令もなく身柄を拘束されたのは地方自治法にも反する行為。この問題について議長や市会事務局長に話し合いを求めたが、十分な回答はなかった。そこで五日は議長席と(その隣の)事務局長席で二人を待った」などと説明した。与那原議員は「戦争の原体験から日の丸を受け入れられない人はいる。ひとつの意見を強制するのは反対。議論したかった」と説明。占拠騒動についても「席で待っていただけなのに議長は来ず、没交渉のまま放置されたのは残念」と述べた。
 質疑では「議長が開会宣告し自席に戻るよう言ったのに無視したのは占拠以外の何ものでもない」(公明委員)との疑問が投げ掛けられたが、両議員は「議長は着席しておらず宣告自体、正規のものと受け止めていない」とした上で「ただ結果的に開会であったのならば、議長の指示に従わなかったのは申し訳なかった」などと回答した。
 また、「占拠」との指摘については「席で待っていただけなのに議長は来ず、没交渉のまま放置されたのは残念。六時間もの空転は予測していなかった」と反論した。「実力行使」についても「話し合いの約束さえできればいつでも席を離れるつもりだった」などと否定した。
 こうした答弁を各委員は「思想信条に基づき行動するのは認めるが今回の行動はそのこととは別。議会制民主主義のルールに沿った手続きを踏んでいないのは明らか。反省の言葉が聞けないのは残念だ」(共産委員)、「他人の席に勝手に座っておきながら『占拠ではない』と主張するのはおかしい」(自民委員)などと批判し、議論はかみ合わないままだった。

 【横浜市会が定める懲罰】市会規則に定められており4種類ある。最も重いのが議員職をはく奪する「除名」。次いで7日間を最長とする「出席停止」、「陳謝」、「戒告」となっている。

ヲヤジ注 横浜市会の規則は地方自治法に基づいており、条例、議決などで罰則を変える事はできない。
媒体 神奈川新聞 掲載日 2002.06.18