議員に重い説明責任


 除名処分を受けた井上さくら、与那原寛子両市議は半年前、高秀秀信前市長の四選を阻止する市民運動の先頭に立っていた。寒風吹く街頭でピンポン玉による投票を行い多選の是非を問う。市民に直接呼び掛け、世論を動かしていく熱意やノウハウを感じた。それだけに、「議長席居座り」という浅はかな行動に出たことは残念でならない。
  「議会正常化に向けた話し合いは議会で決着をつけなければならない」との主張に、「日の丸の議場掲揚反対」「少数会派の発言機会確保」という点で共闘できたはずの共産党やネヅトもそっぽを向いた。議長席占拠に対する他会派からの謝罪要求に「他に手段はなかった」などとして歩み寄らなかった結果が今目の処分につながっている。
 しかし、除名は議員にとっては「死刑宣告」と同じだ。だからこそ国会では封印され、地方議会でも前例はほとんどない。
 賛成した会派はもとより個々の議員も有権者への説明という重い義務を負った。
 前回選挙で井上氏は一万三千票、与那原氏は九千票を得ている。信を託した有権者がこうした結果を望んでいるとは思えない。事の審判は司法および県にゆだねられていく。横浜市会の負った傷は深い。今目のてん末を他の議会に他山の石としてもらうことがせめてもの救いだ。
  (報道部・有吉 敏)

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媒体 神奈川新聞 掲載日 2002.06.26