市議身分、法廷論争も 市会除名の2人


 横浜市議会で今月五日、本会議場での国旗掲揚に反対する「市民の党」の井上さくら、与那原寛子両市議が議長席などに座り込み、議事を遅らせた問題は、二十五日の本会議で、二人の除名処分という異例の厳しい処分で、一応決着した。両市議は同日付で失職となったが、身分の保全などを求め、法的手段に訴える構えで、問題はなお尾を引きそうだ。

 この日の本会議では、処分を決定する投票の前に、同市議会懲罰特別委員会の関貞彦委員長(自民)が、「除名が妥当」との結論に達した経緯を報告。

 これに対し、神奈川ネット、共産の二会派が「市民に与えられた権利を議会が奪うのは問題」と除名に反対する立場を表明した。

 一方、二十分間ずつ弁明の機会を与えられた井上、与那原両市議は「少数意見を聞かずに、国旗の掲揚に踏み切ったことこそ、議会制民主主義のルールに反する」と、本会議場への国旗掲揚を決めた市会運営委員会で発言の機会が与えられなかったことに対する不満を改めて述べた。

 この間、議場からは二人に対し、「何を言うのか」「ルールを曲げるな」といったヤジが浴びせられ、ぎっしりと埋まった傍聴席からも、両市議を支援する傍聴人らが声を上げ、場内は一時騒然となった。

 出席議員の記名投票=写真=で、両市議の除名が決まると、小林昭三郎議長は、それぞれに処分を宣告。失職が決まった両市議に対し、「退場願います」と述べ、本会議は約二時間半で終了した。

 全国的にみると、九二年十二月に福島県常葉町議会議員が議場内での不穏当発言を理由に議員を、また、九八年三月に岡山県長船町議会で同僚議員を中傷するなどしたとして議長を除名にした例などがあるという。

 本会議後、記者会見した井上、与那原両市議は「少数派に有無を言わせない、市議会のやり方は許せない」と悔しさをにじませ、近く、地方自治法に基づき、県知事の審決を申請するとともに、身分の保全などを求め、提訴する考えを明らかにした。

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媒体 読売新聞 掲載日 2002.06.26