収支不足5年で1380億円

◆横浜市が中期財政見通し

  横浜市は十日、本年度から二〇〇六年度までの五年間にわたる「中期財政見通し」を発表した。歳入から歳出を差し引いた収支不足額が来年度は五百三十億円に上り、五年間の累計では千二百億〜千三百八十億円になると試算している。歳出抑制を進める一方で、行政のスリム化などが避けられない情勢。来年秋までに具体的な財政健全化策をまとめる。
 同市では今回のデータを「来年度の予算編成や中期政策プランの策定など、すべての施策の選択・判断を行う際の根拠」(中田宏市長)としていく。新産業育成など税収アップ策への重点投資とともに、事務事業の見直しや事業の委託・民営化など行政改革を推進する方針だ。
 市財政局などによると、地価下落などの影響で市税収入は〇六年度まで下落傾向が続くのに対し、人件費や扶養費などの義務的経費は増加する見通し。
 歳入のうち、市税収入については経済成長率が「0・5%」と「1・25〜2・5%」とする二通りの場合で試算。固定資産税の評価替えによる影響も考慮し、本年度より〇六年度までの五年間で、成長率が高い場合でも百四十億円、低くなれば三百二十億円落ち込むと予測した。
 地方交付税は〇四年度から交付税特別会計借入金の償還が始まるため、〇六年度には本年度の九百八十億円が七百六十億円にまで圧縮されるとした。市債に関しては従来通り対前年比12%減の継続を前提としている。
 歳出面で増額を見込んだのは人件費などの義務的経費で、〇六年度には本年度の約11%増の七千九百九十億円にまで膨らむとしている。
 最も経費増が見込まれるのが扶助費で、不景気による生活保護費の増額などを予測。〇六年度には本年度より五百十億円増の二千三百六十億円となる見通しを示した。義務的繰出金は国民健康保険などの社会保障費がかさむため、同様に最大で二百三十億円増となる。人件費についても給与改定や職員定数の増減は見込まずに試算。本年度から〇六年までに百二十億円増となる。

◆試算の前提
 税財政制度と市の施策・事業に変更がないことを前提に本年度の当初予算(五月補正後)をベースに実施。義務的経費は個別に算出し、行政運営費や施設整備費などその他経費は本年度と同額のままと設定した。

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媒体 神奈川新聞 掲載日 2002.09.11