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昭和52年3月28日福岡県条例第8号
福岡県民の消費生活の安定及び向上に関する条例をここに公布する。
(目的)
第1条
この条例は、県民の消費生活における利益の擁護及び増進に関し、県、市町村及び事業者の果すべき責務並びに消費者の果すべき役割を明らかにするとともに、県の実施する施策について必要な事項を定めることにより、県民の消費生活の安定及び向上を図ることを目的とする。
(基本理念)
第2条
前条の目的を達成するに当たつては、県、市町村、事業者及び消費者の相互の信頼を基調とし、次の各号に掲げる消費者の権利の確立を図ることを基本とするものとする。
一 商品等により、生命、身体及び財産が侵されないこと。
二 商品等について、適正な表示を行わせること。
三 商品等の取引について、不当な取引方法から保護されること。
四 商品等及びこれらの取引方法により、不当に受けた被害から速やかに救済されること。
五 商品等及びこれらの取引方法について必要な情報を速やかに提供されること。
(定義)
第2条の2
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 消費者 事業者が供給する商品等を使用し、又は利用して生活する者をいう。
二 事業者 商品等を供給する事業を行う者及びこれらの者が組織する団体をいう。
三 商品 消費生活に係る取引で販売される物品をいう。
四 商品等 次に掲げるものをいう。
イ 商品
ロ 消費生活に係る取引において有償で提供される役務
ハ 施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち消費生活に係る取引において販売されるものであつて規則で定めるもの
ニ イからハに掲げるものの販売又は提供に関する信用の供与
(県の責務)
第3条
県は、経済社会の発展に即応して、県民の消費生活の安定及び向上に関する施策を策定するとともに、これを実施する責務を有する。
2 県は、前項の施策の策定及び実施に当たつては、消費者の意見が反映されるよう努めるものとする。
(市町村の責務)
第4条
市町村は、当該地域の実情に即した消費生活の安定及び向上に関する施策を策定するとともに、これを実施する責務を有する。
(県及び市町村の相互協力)
第4条の2
県及び市町村は、それぞれが実施する県民の消費生活の安定及び向上に関する施策について、相互に協力するものとする。
(事業者の責務)
第5条
事業者は、その供給する商品等について、危害の防止、規格及び表示の適正化等必要な措置を講じ、かつ、流通の円滑化及び価格の安定に努めるとともに、県及び市町村が実施する消費生活の安定及び向上に関する施策に協力する責務は有する。
2 事業者は、その供給する商品等について、品質その他の内容の向上及び資源利用の適正化を図るよう努めなければならない。
(消費者の役割)
第6条
消費者は、自ら消費生活に関する必要な知識を修得するとともに、自主的かつ合理的に行動することによつて、資源利用の適正化並びに消費生活の安定及び向上に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。
(危険商品等の供給禁止)
第7条
事業者は、消費者の生命、身体又は財産に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある商品等(以下「危険商品等」という。)を供給してはならない。
(危険商品等の調査)
第8条
知事は、事業者が消費者に供給する商品等について、危険商品等の疑いがあると認めるときは、速やかに、必要な調査を行うものとする。
2 知事は、前項の規定による調査を行うに当たり、必要があると認めるときは、当該事業者に対し、当該商品等の安全性について、資料の提出又は説明を求めることができる。
(危害防止勧告)
第9条
知事は、事業者が消費者に供給する商品等が危険商品等であると認めるときは、その危害を防止するため、当該事業者に対し、当該商品等の供給の中止、回収その他必要な措置をとるべきことを勧告するとともに、速やかに、その旨について消費者への周知を図るものとする。
2 前項の場合において、知事は必要があると認めるときは、福岡県消費生活審議会の意見を聴くものとする。
3 知事は、第1項の規定による勧告をした場合において、当該事業者に対し、当該勧告に基づいてとつた措置及びその結果について報告を求めることができる。
(規格、表示等の適正化)
第10条
事業者は、消費生活の安定及び向上を図るため、その供給する商品等について、次に掲げる事項を推進するように努めなければならない。
一 品質の改善及び消費生活の合理化に寄与するよう適正な規格を定めること。
二 消費者が選択又は使用を誤ることがないよう品質、機能、量目、製造年月日、事業者の住所及び氏名又は名称等を適正に表示するとともに、虚偽又は誇大な表示を行わないようにすること。
三 消費者の選択を容易にするよう販売価格及び単位当たりの価格を当該商品又は店内の見やすい場所に表示すること。
四 消費者が不利益を被ることがないよう適正な計量をすること。
五 消費者が誤認し、又はその負担が著しく増大することのないよう過大又は過剰な包装を行わないようにすること。
六 消費者への供給後における修理、交換等のアフターサービスの向上を図ること。
(自主基準の設定)
第11条
事業者は、規格、表示等の適正化に関し、必要な基準(以下「自主基準」という。)を定めるよう努めなければならない。
2 事業者は、自主基準を定めたときは、速やかに、当該基準を知事に届け出なければならない。これを変更し、又は廃止したときも、同様とする。
3 知事は、事業者に対し、自主基準の設定及び変更並びに遵守について、必要な指導又は助言を行うことができる。
(県の基準の設定)
第12条
知事は、規格、表示等の適正化に関し特に必要があると認めるときは、商品等について、事業者が遵守すべき規格、表示、その他の基準(以下「県の基準」という。)を定めることができる。
2 知事は、県の基準を定めようとするときは、あらかじめ福岡県消費生活審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
3 知事は、県の基準を定めたときは、速やかに、告示しなければならない。これを変更し、又は廃止したときも、同様とする。
(県の基準の遵守義務)
第13条
事業者は、県の基準が定められたときは、これを遵守しなければならない。
2 知事は、事業者が県の基準を遵守していないと認めるときは、当該事業者に対し、これを遵守するよう勧告することができる。
(不当な取引方法の指定)
第13条の2
知事は、事業者が商品等の供給に当たつて、消費者に虚偽の事実を告げる行為、消費者の知識、能力又は経験の不足に乗じて消費者を取引に誘引する行為、消費者に取引を強要する行為その他の消費者に当該商品等の選択を誤らせるような取引方法を不当な取引方法として指定することができる。
2 第12条第2項及び第3項の規定は、前項の規定による不当な取引方法の指定について準用する。
(不当な取引方法の禁止)
第14条
事業者は、前条第1項の規定により指定された不当な取引方法(以下「不当な取引方法」という。)を用いてはならない。
2 知事は、事業者が不当な取引方法を用いている疑いがあると認めるときは、速やかに必要な調査を行うものとする。
3 知事は、前項の規定による調査に必要な限度において、当該事業者に対し、取引方法についての資料の提出又は説明を求めることができる。
4 知事は、事業者が第1項の規定に違反していると認めるときは、当該事業者に対し、当該取引方法を改善するよう勧告することができる。
5 前項の場合において、知事は必要があると認めたときは、福岡県消費生活審議会の意見を聴くものとする。
(不当な取引方法に関する情報提供)
第15条
知事は、不当な取引方法による被害の発生及び拡大を防止するため必要があると認めるときは、速やかに当該不当な取引方法、その内容その他必要な情報を消費者に提供するものとする。
(試験、検査等の機能の整備等)
第16条
知事は、消費生活の安定等を図るため、商品等の試験、検査等を行う機能を整備するとともに、必要に応じて、その実施した試験、検査等の結果を消費者に提供するものとする。
(自動販売機等の管理)
第17条
事業者は、商品等を自動販売機その他これに類似する機械(以下「自動販売機等」という。)により供給するときは、消費者の見やすい箇所に管理責任者の氏名又は名称、住所又は所在地、電話番号その他連絡に必要な事項を表示するとともに、自動販売機等の設置の安全に努めなければならない。
2 知事は、事業者が前項の規定に違反していると認めるときは、当該自動販売機等の管理について、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
(情報の収集及び提供)
第18条
知事は、県民の消費生活との関連性が高い物資及び役務(以下「生活関連物資等」という。)の需給及び価格の動向について、情報を収集するとともに、必要な情報を県民に提供するよう努めるものとする。
2 事業者は、前項の規定による情報の収集に協力しなければならない。
(物資の供給等の要請)
第19条
知事は、生活関連物資等の流通の円滑化及び価格の安定を図るため必要があると認めるときは、事業者に対し、当該生活関連物資等の供給その他の必要な措置をとるよう協力を求めることができる。
(物資の指定)
第20条
知事は、生活関連物資等の需給又は価格の動向が消費生活に著しい影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがあると認めるときは、当該生活関連物資等を特別の調査を要する物資として指定することができる。
2 知事は、前項に規定する事態が消滅したと認めるときは、同項の規定による指定を解除するものとする。
3 知事は、第1項の規定により物資を指定したときは、速やかに、その旨を告示しなければならない。これを解除したときも、同様とする。
(特別調査)
第21条
知事は、前条第一項の規定により指定した生活関連物資等(以下「指定生活関連物資等」という。)の需給及び価格の動向について、必要な調査を行うものとする。
(物資の売渡し勧告)
第22条
知事は、指定生活関連物資等の販売を行う者(以下「関係事業者」という。)が、買占め又は売惜しみにより、当該指定生活関連物資等を多量に保有していると認めるときは、当該関係事業者に対し、当該指定生活関連物資等の売渡しを勧告することができる。
(価格の引下げ勧告)
第23条
知事は、関係事業者が指定生活関連物資等を著しく不当な価格で販売していると認めるときは、当該関係事業者に対し、その価格の引下げを勧告することができる。
(立入調査等)
第24条
知事は、前2条の規定の施行に必要な限度において、当該関係事業者に対し、その業務に関し報告させ、又はその職員に、当該関係事業者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、指定生活関連物資等に関し、帳簿、書類その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
(物価監視員)
第25条
第18条、第21条及び前条の規定による情報の収集、特別調査及び立入調査等を行わせるための職員として、物価監視員を置く。
2 物価監視員は、前条の規定による立入調査等をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し関係者に提示しなければならない。
(啓発活動及び教育並びに組織活動の促進)
第25条の2
知事は、消費者が自ら消費生活の安定及び向上を図ることができるようにするため、商品等に関する知識の普及及び情報の提供、生活設計に関する知識の普及等消費者に対する啓発活動を推進するとともに、消費生活に関する教育の充実に努めるものとする。
2 知事は、消費者の健全かつ自主的な組織活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(苦情処理体制の整備等)
第26条
事業者は、その供給する商品等について、消費者との間に生じた苦情(以下「消費者苦情」という。)を適切かつ迅速に処理しなければならない。
2 事業者は、消費者苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備に努めるものとする。
(苦情等の処理)
第27条
知事は、消費者苦情の申出があつたときは、速やかに、その内容を調査し、当該消費者苦情を解決するためのあつせんその他の措置を講じなければならない。
2 知事は、前項の規定による調査に当たつて必要があると認めるときは、当該消費者苦情に係る事業者その他の関係者に対し、資料の提出又は説明を求めることができる。
3 知事は、第一項の規定によるあつせんその他の措置を講じた場合において、消費者苦情の解決が著しく困難であると認めるときは、福岡県消費生活審議会の調停に付することができる。
第28条
削除(平4条例6)
(消費者訴訟の援助)
第29条
知事は、消費者と事業者の間で訴訟(訴訟に準ずるもので知事が別に定めるもの及び民事調停法(昭和26年法律第222号)による調停を含む。)が行われる場合において、当該訴訟が次の各号のすべてに該当する消費者苦情に係るものであるときは、福岡県消費生活審議会の意見を聴いて、当該消費者に対し、規則で定めるところにより、当該訴訟の費用に充てる資金の貸付け、その他訴訟活動に必要な援助を行うことができる。
一 第27条第3項の調停に付されたもの
二 同一又は同種の被害が多数発生し、又は多数発生するおそれがあるもの
三 1件当たりの被害額が規則で定める額以下のもの
(貸付金の返還等)
第30条
消費者訴訟に要する資金の貸付けを受けた者は、当該訴訟が終了したときは、当該貸付けに係る資金を返還しなければならない。
2 知事は、前項の規定にかかわらず、規則で定めるところにより、当該貸付けに係る資金の全部又は一部の返還を猶予し、又は免除することができる。
(福岡県消費生活審議会)
第31条
県に福岡県消費生活審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、この条例の規定によりその権限に属する事項について調査審議し、及び調停を行うほか、知事の諮問に応じ、消費生活の安定及び向上に関する重要な事項を審議する。
3 審議会は、委員35人以内で組織し、委員は、学識経験のある者、消費者を代表する者、事業者を代表する者及び関係行政機関の職員のうちから知事が委嘱又は任命する。
4 審議会は、第2項の調停のため必要があると認めるときは、当該消費者苦情に係る事業者その他の関係者に対し、必要な資料の提出又は説明を求めることができる。
5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(公表)
第32条
知事は、事業者が次の各号の一に該当する場合は、当該事業者の氏名又は名称及び住所、事由、経過その他必要な事項の概要を公表することができる。
一 第8条第2項、第14条第3項、第27条第2項又は前条第四項の規定による資料の提出若しくは説明をせず、又は虚偽の資料の提出若しくは説明をしたとき。
二 第9条第1項、第13条第2項、第14条第4項、第17条第2項、第22条又は第23条の規定による勧告に従わなかつたとき。
三 第24条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条による調査を拒み、妨げ、若しくは質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
(国等への要請)
第33条
知事は、この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、国又は関係地方公共団体に対し、適切な措置をとるよう要請し、又は協力を求めるものとする。
(委任)
第24条
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(施行期日)
1 この条例は、昭和52年4月1日から施行する。
(福岡県消費生活安定緊急対策に関する条例の廃止)
2 福岡県消費生活安定緊急対策に関する条例(昭和49年福岡県条例第21号)は、廃止する。
附 則
(平成4年条例第6号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して6ヶ月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(平成4年規則第70号で平成4年9月1日から施行)
(経過措置)
2 この条例の施行前に改正前の福岡県民の消費生活の安定及び向上に関する条例の規定により知事が福岡県消費者苦情処理委員会の調停に付した行為は、改正後の福岡県民の消費生活の安定及び向上に関する条例の規定により福岡県消費生活審議会に付した行為とみなす。