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熊本県消費生活条例

 

昭和52年9月30日条例第51号

熊本県民の消費生活の安定及び向上に関する条例をここに公布する。

 

熊本県消費生活条例

 

目 次


第1章 総則(第1条〜第6条)
第2章 消費生活の安全、取引等の適正化に関する施策
第1節 危害の防止(第7条〜第9条)
第2節 表示、規格等の適正化(第10条〜第18条)
第3節 不当な取引行為の禁止等(第19条)
第4節 消費者啓発等(第20条〜第22条)
第3章 生活関連物資に関する施策(第23条〜第26条)
第4章 資源及びエネルギーの有効利用を通じた環境への配慮等(第27条)
第5章 消費者の苦情の処理等(第28条〜第31条)
第6章 熊本県消費生活審議会(第32条)
第7章 調査、公表等(第33条〜第35条)
第8章 雑則(第36条・第37条)
附 則

 

第1章 総則

 

(目的)
第1条
 この条例は、法令に特別の定めがあるもののほか、県民の消費生活における利益の擁護及び増進に関し、県、事業者及び消費者の果たすべき責務を明らかにするとともに、県の実施する施策について必要な事項を定めることにより、県民の消費生活の安定及び向上を図ることを目的とする。

(基本理念)
第2条
 前条の目的を達成するに当たっては、県、事業者及び消費者の相互の信頼を基調として、次に掲げる消費者の権利の確立を図ることを基本としなければならない。
(1) 生活物資等によって、生命、身体又は財産を侵されない権利
(2) 生活物資等について、適正な表示を行わせる権利
(3) 生活物資等の取引において、不当な取引条件又は取引方法を強制されない権利
(4) 生活物資等又はこれらの取引により不当に受けた被害から公正かつ速やかに救済される権利
(5) 生活物資等又はこれらの取引について、必要な情報を速やかに提供される権利

(定義)
第3条
 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 消費者 事業者が供給する生活物資等を消費して生活する者をいう。
(2) 事業者 商業、工業、サービス業その他の事業を行う者及びこれらの者が組織する団体をいう。
(3) 生活物資 消費者が消費生活を営むうえにおいて通常用いる物資をいう。
(4) 生活物資等 生活物資並びに消費者が消費生活を営むうえにおいて通常受ける役務及び通常取得する権利をいう。

(県の責務)
第4条
 県は、経済社会の発展に即応して、県民の消費生活の安定及び向上に関する施策を策定するとともに、これを実施する責務を有する。
2 県は、市町村と連携し、かつ、協力して、前項の施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。
3 県は、第1項の施策の策定及び実施に当たっては、消費者の意見を十分反映させるよう努めるものとする。

(事業者の責務)
第5条
 事業者は、その供給する生活物資等について、危害の防止、表示及び規格の適正化等の必要な措置を講ずるとともに、県が実施する消費生活の安定及び向上に関する施策に協力する責務を有する。
2 事業者は、その供給する生活物資等について生じた消費者の苦情(以下「消費者苦情」という。)の申出を適切かつ迅速に処理するため、必要な体制の整備に努めなければならない。
3 事業者は、生活物資等の取引に関して知り得た消費者に係る個人情報の適正な取扱いに努めなければならない。
4 事業者は、県民生活との関連性が高い物資(以下「生活関連物資」という。)の流通の円滑化及び価格の安定を図るために必要な措置を講ずるとともに、県が実施する生活関連物資の流通の円滑化及び価格の安定を図るための施策に協力しなければならない。

(消費者の責務)
第6条
 消費者は、経済社会の発展に即応して、自ら進んで消費生活に関する必要な知識を修得し、及び情報を収集し、自主的かつ合理的に行動するとともに、県が実施する消費生活の安定及び向上に関する施策に協力するよう努めなければならない。

 

第2章 消費生活の安全、取引等の適正化に関する施策

 

第1節 危害の防止

 

(危険生活物資等の供給の禁止)
第7条
 事業者は、消費者の生命、身体又は財産に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある生活物資等(以下「危険生活物資等」という。)を供給してはならない。

(危険生活物資等の調査)
第8条
 知事は、事業者が消費者に供給する生活物資等について、危険生活物資等の疑いがあると認めるときは、速やかに必要な調査を行うものとする。

(危害防止勧告)
第9条
 知事は、第29条に定める熊本県消費者苦情処理委員会の意見を聴いて、事業者が消費者に供給する生活物資等が危険生活物資等であると認めるときは、その危害を防止するため、当該事業者に対し、当該生活物資等の供給の中止、回収その他必要な措置を講ずるよう指導し、又は勧告することができる。
2 知事は、消費者の被害防止のため必要があると認めるときは、速やかに県民に周知を図るものとする。

 

第2節 表示、規格等の適正化

 

(表示の適正化)
第10条
 事業者は、その供給する生活物資等について、消費者が選択又は利用を誤ることがないよう品質、機能、量目、製造年月日、消費期限、賞味期限、品質保持期限、保存方法、原産地、事業者の住所及び氏名又は名称その他の必要な事項を適正に表示するよう努めなければならない。
2 事業者は、その供給する生活物資等について、消費者の選択を容易にするよう販売価格及び単位当たりの価格又は利用料金を当該生活物資又は店内の見やすい場所に表示するよう努めなければならない。

(包装の適正化)
第11条
 事業者は、その供給する生活物資について、消費者にその品質又は数量が実際のものより著しく優良若しくは有利であると誤認させ、又は消費者の負担を著しく増大させるような過大又は過剰な包装(容器を用いる包装を含む。)を用いないよう努めなければならない。

(規格の適正化)
第12条
 事業者は、その供給する生活物資等について、品質の改善及び消費生活の合理化に寄与するため、適正な規格を定めるよう努めなければならない。

(計量の適正化)
第13条
 事業者は、その供給する生活物資について、消費者が不利益を被ることがないよう適正な計量をするよう努めなければならない。

(広告の適正化)
第14条
 事業者は、その供給する生活物資等について、虚偽の、誇大な、その他消費者に選択又は利用を誤らせる広告又は宣伝をしないよう努めなければならない。

(供給後のサービスの適正化)
第15条
 事業者は、その供給する生活物資等について、修理、交換その他の方法による供給後におけるサービスの向上を図るよう努めなければならない。

(自主基準)
第16条
 事業者は、その供給する生活物資等について、表示、規格等の適正化を図るため、必要な基準(以下「自主基準」という。)を定めるよう努めなければならない。
2 事業者は、自主基準を定め、変更し、又は廃止したときは、速やかに当該基準を知事に届け出なければならない。
3 知事は、事業者に対し、自主基準の設定、変更及び遵守について、必要な指導又は助言を行うことができる。

(県の基準の設定)
第17条
 知事は、事業者が供給する生活物資等について、表示、規格等の適正化を図るため、特に必要があると認めるときは、事業者が遵守すべき基準(以下「県の基準」という。)を定めることができる。
2 知事は、前項の規定により県の基準を定めようとするときは、第32条に定める熊本県消費生活審議会の意見を聴いて定めるものとする。
3 知事は、県の基準を定めたときは、速やかに告示しなければならない。
4 前2項の規定は、第1項の規定により定めた県の基準を変更し、又は廃止する場合に準用する。

(県の基準の遵守義務)
第18条
 事業者は、県の基準を遵守しなければならない。
2 知事は、事業者が県の基準を遵守していないと認めるときは、当該事業者に対し、これを遵守するよう勧告することができる。

 

第3節 不当な取引行為の禁止等

 

(禁止行為等)
第19条
 事業者は、消費者との間で行う取引に関し、次の各号のいずれかに該当する行為で規則で定めるもの(以下「不当な取引行為」という。)を行ってはならない。
(1) 消費者に対し、販売の意図を隠して接近し、不実を告げ、誤信を招く情報を提供し、威迫し、執ように説得し、又は心理的に不安な状態に陥れる方法その他の不当な方法により契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させる行為
(2) 消費者に対し、著しい不利益をもたらす不当な内容の契約を締結させる行為
(3) 消費者に対し、契約(契約の成立又はその内容について当事者間で争いのあるものを含む。)に基づくその債務の履行を不当に強要し、又は契約に基づく自己の債務の履行を不当に拒否し、若しくは正当な理由なく遅延させる行為
(4) 消費者に対し、消費者の正当な根拠に基づく契約の申込みの撤回、解除、取消し若しくは無効の主張を妨げ、又は契約の申込みの撤回、解除若しくは取消しによって生ずる債務若しくは契約が無効であることに基づく債務の履行を不当に拒否し、若しくは正当な理由なく遅延させる行為
2 知事は、事業者と消費者との間で行われる取引に関する行為について、不当な取引行為の疑いがあると認めるときは、速やかに必要な調査を行うものとする。
3 知事は、事業者が不当な取引行為を行っていると認めるときは、当該事業者に対し、当該不当な取引行為の中止その他必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
4 知事は、不当な取引行為による被害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、速やかに、当該不当な取引行為に係る情報を消費者に提供するものとする。

 

第4節 消費者啓発等

 

(啓発活動等の推進)
第20条
 知事は、県民が自主性をもって健全な消費生活を営むことができるようにするため、必要な知識の普及、情報の提供等の消費者に対する啓発活動を推進するとともに、消費生活に関する教育を充実する等必要な施策を講ずるものとする。

(消費者活動の促進)
第21条
 知事は、消費生活の安定及び向上を図るための消費者の健全かつ自主的な組織活動が促進されるよう必要な指導及び援助を行うものとする。

(試験等の実施及び情報提供)
第22条
 知事は、消費生活の安定及び向上に関する施策の実効を確保するため、生活物資等の試験、検査又は調査(以下「試験等」という。)を実施し、及びその体制の整備に努めるとともに、必要に応じて試験等の結果の概要に係る情報を消費者に提供するものとする。

 

第3章 生活関連物資に関する施策

 

(調査等)
第23条
 知事は、県民の消費生活の安定に資するため、常に、生活関連物資の需給及び価格の動向について必要な調査その他の情報の収集を行い、県民に対して必要な情報を提供するよう努めなければならない。
2 事業者は、前項の規定により知事が行う調査その他の情報の収集に協力しなければならない。

(物資の指定)
第24条
 知事は、生活関連物資の買占め若しくは売惜しみが行われ若しくは行われるおそれがある場合又は生活関連物資の価格が異常に上昇し若しくは上昇するおそれがある場合において、当該生活関連物資の不足若しくは価格の上昇が県民の生活に著しい影響を及ぼし又は及ぼすおそれがあると認めるときは、当該生活関連物資を特別の調査を要する物資として指定することができる。
2 知事は、前項に規定する事態が消滅したと認めるときは、同項の規定による指定を解除するものとする。
3 知事は、第1項の規定により指定し、又は前項の規定により指定を解除したときは、速やかにその旨を告示しなければならない。

(物資の売渡し勧告)
第25条
 知事は、前条第1項の規定により指定した生活関連物資(以下「指定生活関連物資」という。)の販売を営む者(以下「関係事業者」という。)が買占め又は売惜しみにより当該指定生活関連物資を多量に保有していると認めるときは、その者に対し、当該指定生活関連物資の売渡しを勧告することができる。

(価格の引下げ勧告)
第26条
 知事は、関係事業者が指定生活関連物資を仕入価格その他の取引事情からみて著しく不当な価格で販売していると認めるときは、その者に対し、その価格の引下げを勧告することができる。

 

第4章 資源及びエネルギーの有効利用を通じた環境への配慮等

 

(環境への配慮等)
第27条
 県は、健全な消費生活を推進するため、資源及びエネルギーの有効利用及びこれを通じた環境への配慮に関し、知識の普及、指導、情報の提供その他必要な施策を講ずるものとする。
2 事業者は、生活物資等の供給に当たって、資源の再生利用その他資源及びエネルギーの有効利用を行うとともに、これらを通じて環境への負荷(環境基本法(平成5年法律第91号)第2条第1項に規定する環境への負荷をいう。以下同じ。)の低減に努めるものとする。
3 消費者は、消費生活において、不用品の再利用その他資源及びエネルギーの有効利用を行うとともに、これらを通じて環境への負荷の低減に努めるものとする。

 

第5章 消費者の苦情の処理等

 

(消費者苦情の処理)
第28条
 知事は、消費者苦情の申出があったときは、速やかにその内容を調査し、当該苦情を解決するために必要があると認めるときは、あっせんを行うことができる。
2 知事は、前項の規定による調査に当たって必要があると認めるときは、当該消費者苦情に係る事業者その他の関係者に資料の提出又は説明を求めることができる。
3 知事は、消費者苦情の解決が困難であると認めるときは、次条に定める熊本県消費者苦情処理委員会の調停に付することができる。

(熊本県消費者苦情処理委員会)
第29条
 知事は、消費者苦情について調停を行わせ、その他消費者苦情の解決に関し必要な事項を審議させるため、熊本県消費者苦情処理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、委員5人以内及び特別事項を審議させるための臨時委員5人以内で組織し、委員及び臨時委員は、学識経験のある者のうちから知事が任命する。
3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 臨時委員は、当該特別事項の審議が終了したとき、解任されるものとする。
5 第2項の委員及び臨時委員は、再任されることができる。
6 委員会は、調停のため必要があると認めるときは、当該消費者苦情に係る関係者に対し、必要な資料の提出又は説明を求めることができる。
7 第2項から前項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(消費者訴訟の援助)
第30条
 知事は、消費者が事業者を相手とする訴訟(以下「消費者訴訟」という。)を提起する場合において、当該訴訟が次の各号のすべてに該当する消費者苦情に係るもので、公益上必要があると認めるときは、委員会の意見を聴いて、当該消費者に対し、規則で定めるところにより、当該訴訟の費用に充てる資金の貸付けを行うことができる。
(1) 委員会の調停によって解決されなかったもの
(2) 同一又は同種の被害が多数発生し、又は多数発生するおそれがあるもの
(3) 1件当たりの被害額が規則で定める額以下のもの

(貸付金の返還等)
第31条
 消費者訴訟に充てる資金の貸付けを受けた者は、当該訴訟が終了したときは、当該貸付けに係る資金に相当する金額を返還しなければならない。
2 知事は、前項の規定にかかわらず、特に必要があると認めるときは、規則に定めるところにより、当該貸付けに係る資金の全部若しくは一部の返還を猶予し、又は免除することができる。

 

第6章 熊本県消費生活審議会

 

(熊本県消費生活審議会)
第32条
 知事の諮問に応じ、消費生活の安定及び向上に関する重要な事項を審議させるため、熊本県消費生活審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、委員15人以内で組織する。
3 委員は、次の各号に掲げる者のうちから、知事が任命する。
(1) 学識経験のある者
(2) 消費者を代表する者
(3) 事業者を代表する者
(4) 関係行政機関の職員
4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 第2項から前項までに定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

 

第7章 調査、公表等

 

(立入調査)
第33条
 知事は、第8条、第19条第2項、第25条又は第26条の規定の施行に必要な限度において、事業者に対し、必要な資料の提出若しくは説明を求め、又はその職員に、事業者の事務所、事業所、倉庫その他事業を行う場所に立ち入り、帳簿、書類、設備その他の物件を調査させ、若しくは関係人に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項に規定する立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(公表)
第34条
 知事は、事業者若しくは第29条第6項に規定する関係者が正当な理由なく前条第1項若しくは第29条第6項の規定による資料の提出若しくは説明をせず、若しくは虚偽の資料の提出若しくは説明をしたとき、又は事業者が前条第1項の規定による立入調査を拒んだときは、その旨を公表することができる。
2 知事は、第9条第1項、第18条第2項、第19条第3項、第25条又は第26条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

(意見の聴取)
第35条
 知事は、前条の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、意見の聴取を行わなければならない。

 

第8章 雑則

 

(関係行政機関等への要請)
第36条
 知事は、この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関に対し、適切な措置をとるよう要請し、又は協力を求めるものとする。

(雑則)
第37条
 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。


附 則

この条例は、昭和52年11月1日から施行する。

附 則
(昭和56年9月21日条例第34号)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 熊本県生活物資安定緊急対策に関する条例(昭和49年熊本県条例第24号)は、廃止する。

附 則
(平成7年10月2日条例第53号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。

附 則
(平成8年12月19日条例第62号)
1 この条例は、平成9年4月1日から施行する。ただし、第28条第2項の改正規定は、同年2月1日から施行する。
2 この条例の施行前に改正前の熊本県民の消費生活の安定及び向上に関する条例の規定によりなされた指定その他の行為は、改正後の熊本県消費生活条例の相当規定によりなされた指定その他の行為とみなす。

附 則
(平成11年12月20日条例第57号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。