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平成14年3月22日市条例第6号
近年のインターネット等の高度情報通信ネットワークによる情報の流通拡大により,容易に個人が様々な情報を入手することが可能となるとともに,世界中に自分の考えや主張を発表することができるようになった。このことは,我々の日常生活における利便性という意味においては画期的で,すばらしいことではあるが,同時に使われ方しだいでは他人の権利を侵害したり,尊厳を傷つけたりする手段にもなりかねない。現にインターネット上には,人種,民族,性別,社会的身分等に係る不特定又は多数の者の属性に関し差別を助長・誘発するおそれが高い情報や,青少年の健全育成を阻害する内容の有害情報が日常的に流通しており,それらの中には法的な規制が及ばないものも多く存在している。
岡山市は,「岡山市くらしやすい福祉のまちづくり条例」を制定し,すべての人の人権が尊重され安心して暮らせる国際・福祉都市にふさわしいまちづくりを目指している。そうした意味においても,市民は何人たりともこうした情報により被害を受けることがあってはならないし,また,情報を発信し,特定,不特定を問わず他人に被害を及ぼすことがあってはならないと考える。
こうした観点から,インターネットという地球規模の高度情報通信ネットワークに対して本市として現在なしうる方策を検討した結果,本市が開設するホームページの掲示板においては,責任をもって有害情報の記録行為を排除し,高度情報通信ネットワークの健全な利用を広く啓発することで,市民の人権意識の普及高揚を図るとともに,市民自らが掲示板を開設する際のモデルとなることを願い,ここに条例を制定する。
(目的)
第1条
この条例は,有害情報の記録行為を禁止し,そのための必要な措置を定めることにより,本市が管理する電子掲示板における秩序の維持を図り,もって市民の人権意識の高揚に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条
この条例において次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1)電子掲示板
特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成13年法律第137号)第2条第2号に規定する特定電気通信設備の記録媒体に記録された電子情報のうち,不特定又は特定の者が情報を記録することができ,かつ,記録媒体に記録された情報を不特定の者が受信することができる方式のものをいう。
(2)有害情報
本市が管理する電子掲示板に記録されてはならない情報として,次のいずれかに該当する情報をいう。
ア 個人のプライバシーを侵害するおそれがあると認められる情報
イ 他人を誹謗,中傷すると認められる情報
ウ 他人に財産的不利益又は精神的苦痛を与えると認められる情報
エ 不当な差別を助長するおそれがあると認められる情報
オ 性的好奇心をそそると認められる情報
カ 非行・犯罪をあおると認められる情報
(3)記録行為
本市が管理する電子掲示板に情報を記録することをいう。
(4)削除
記録行為による情報を不特定又は特定の者が受信することを防止する措置をいう。
(有害情報の記録行為の禁止)
第3条
何人も有害情報の記録行為を行ってはならない。
(措置)
第4条
市長は,有害情報の記録行為がなされていることを知ったときには,本市が管理する電子掲示板に定める掲示期間内であっても,当該有害情報の送信を防止するため,当該有害情報の全部又は一部を削除するものとする。
2 市長は,営利を目的とする情報,政治的又は宗教的中立性を損なうと認められる情報その他の本市が管理する電子掲示板の設置趣旨に著しく反する内容の情報(有害情報を除く。)について,本市が管理する電子掲示板に定める掲示期間内であっても,その全部又は一部を削除することができる。
3 市長は,前2項の規定に基づき削除を行った場合には,電子掲示板に削除の日時及びその理由を明示しなければならない。
(公表)
第5条
市長は,毎年少なくとも1回,削除の実施状況を公表するものとする。
(削除情報の復帰)
第6条
市長が第4条に基づき削除を行った場合,当該削除の対象となった情報の記録行為を行った者は,その情報が有害情報及び第4条第2項に定める情報のいずれにも該当しないことを理由としてのみ,当該削除が行われた日から起算して7日以内に,市長に対し,当該削除の対象となった情報の復帰の申出を行うことができる。
2 市長は,前項の規定に基づく申出があった場合には,有害情報審査会(以下「審査会」という。)への諮問を経て,当該申出について判断するものとする。
(審査会)
第7条
前条第1項の規定に基づき削除の対象となった情報の復帰の申出が行われた場合は,市長の諮問に応じて市長が行った削除についての審査を行うため,岡山市総合政策審議会条例(平成12年市条例第5号)第5条第2項の規定に基づき審査会を置く。
2 審査会は,委員5人以内をもって組織する。
3 委員は,人権問題について識見を有する学識経験者のうちから市長が委嘱する。
4 委員の任期は2年とし,補欠委員の任期は,前任者の残任期間とする。
5 委員は,職務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も,また同様とする。
6 審査会の運営に関し必要な事項は,審査会が別に定める。
(報告の聴取)
第8条
市長は,この条例の施行に必要な限度において,次に掲げる者に対し,質問し,又は報告を求めることができる。
(1) 有害情報の記録行為を行ったと認められる者
(2) 前号に掲げる者のほか,有害情報の記録行為に関与したと認められる者
2 前項の規定に基づき,質問を受け,又は報告を求められた者は,正当な理由がない限り,当該質問又は報告に対する回答を拒否してはならない。
(過料)
第9条
第3条の規定に反し有害情報の記録行為を行った者は,5万円以下の過料に処する。
(委任)
第10条
この条例の施行に関し必要な事項は,市長が別に定める。
附 則
この条例は,平成14年5月1日から施行する。