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昭和51年10月22日大阪府条例第84号
大阪府消費者保護条例をここに公布する。
経済社会の進展により府民の消費生活は著しく高度化し、多様化したが、大量生産、大量消費の経済機構の下で多種多様な商品が市場に登場し、消費者がその品質、性能、安全性等について十分な認識を持つて選択を適正に行うことはむずかしく、そのため消費者の安全と利益を害する問題が多発している。
本来、消費者と事業者は対等の立場において経済取引が行われるべきであるにもかかわらず、消費者は事業者に対し、不利な立場におかれることが多い。
このような事態を改善し、安全で良好な消費生活を営むためには、事業者間の公正で自由な競争を確保するとともに、消費者の自主的な努力と相まつて次に掲げる消費者の権利を確立することにより消費者と事業者の対等性の回復を図ることが必要である。
1 消費生活に必要な商品及び役務について正しい知識及び情報が提供されること。
2 消費生活商品等について意見を表明すること。
3 消費生活商品等によつて生命、身体及び財産に危害を受けないこと。
4 消費生活商品等について不当な取引条件及び取引方法を強制されないこと。
5 消費生活商品等によつて不当に受けた被害から速やかに救済されること。
わが国屈指の消費地であり、かつ、商工業の中枢をなす大阪にあつて、消費者と事業者の良好な信頼関係の確立をねがいつつ、この課題の解決を目指して、この条例を制定する。
(目的)
第1条
この条例は、消費者の権利の確立に関し、府、市町村及び事業者の果たすべき責務並びに消費者の果たすべき役割を明らかにするとともに府が実施する施策について必要な事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進を図り、もつて府民の消費生活の安定及び向上に資することを目的とする。
(府の責務)
第2条
府は、消費者の保護に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。
2 府は、前項の施策の策定及び実施に当たつては、消費者の意見を反映するとともに市町村との連絡調整を緊密に行うよう努めるものとする。
(市町村の責務)
第3条
市町村は、府の施策と相まつて、当該地域の社会的、経済的状況に応じて、消費者の保護に関する施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。
(事業者の責務)
第4条
事業者は、消費者が消費生活において使用し、又は利用する商品及び役務並びにこれらの提供を受ける権利(以下「消費生活商品等」という。)を供給するに当たり、危害の防止、適正な表示及び包装の実施、適正な取引の確保等必要な措置を講ずるとともに、府又は市町村が実施する消費者の保護に関する施策に協力する責務を有する。
2 事業者は、常に、その供給する消費生活商品等について、消費者の意見の反映、品質その他の内容の向上、適正な価格の維持並びに消費者からの苦情の適切かつ迅速な処理及びこれに必要な体制の整備等に努めなければならない。
(消費者の役割)
第5条
消費者は、消費者の権利を自覚し、その確立を目指して、自ら進んで消費生活に関する必要な知識を修得するとともに、消費者相互の連携及び組織化を図る等自主的かつ合理的に行動するよう努めることによつて、消費生活の安定及び向上に積極的な役割を果たすものとする。
(勧告等)
第6条
知事は、消費生活商品等がその欠陥により消費者の生命、身体又は財産について危害を発生させ、又は発生させるおそれがあると認めるときは、法令に基づく措置が執られる場合を除き、当該消費生活商品等の供給を行う事業者に対し、当該消費生活商品等の供給の停止又は回収その他の当該消費生活商品等による消費者の生命、身体又は財産に対する危害の発生又は拡大を防止するための必要な措置を執るべきことを勧告することができる。
2 知事は、前項の規定による勧告をしたときは、必要に応じ、その旨を消費者に周知させるものとする。
(調査等)
第7条
知事は、消費生活商品等がその欠陥により消費者の生命、身体又は財産について危害を発生させ、又は発生させるおそれがあるかどうか明らかでない場合において、必要があると認めるときは、当該消費生活商品等について必要な調査を行うとともに大阪府消費者保護審議会の意見を聴かなければならない。
2 知事は、前項の調査を行うに当たり、必要があると認めるときは、当該消費生活商品等を供給する事業者に対し、当該消費生活商品等がその欠陥により消費者の生命、身体又は財産について危害を発生させず、かつ、発生させるおそれがないものであることの立証を求めることができる。
(協定又は規約)
第8条
事業者又は事業者団体は、消費生活商品等について、消費者が適切かつ容易に選択し、又は安全に使用し、若しくは利用することができるようにするため、消費生活商品等ごとに事業者が遵守すべき表示又は包装の基準についての協定又は規約を締結し、又は設定するよう努めなければならない。
2 事業者又は事業者団体は、前項の協定又は規約を締結し、又は設定しようとするときは、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。当該協定又は規約を変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
3 知事は、前項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る協定又は規約の内容が第1項に規定する目的に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その内容を同項に規定する目的に適合するように改めるべきことを勧告するものとする。
4 知事は、第2項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る協定又は規約(前項の規定による勧告に基づき是正された協定又は規約を含む。)の内容が第1項に規定する目的に適合すると認めるときは、規則で定める事項を公示しなければならない。
(府の基準)
第9条
知事は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、消費生活商品等ごとに、事業者(第二号に掲げる場合にあつては、前条第4項の公示に係る協定又は規約(以下「自主規約」という。)に参加している事業者を除く。)が遵守すべき表示又は包装の基準を定めることができる。
一 自主規約が締結されず、又は設定されていない場合
二 自主規約に参加していない事業者が存在する場合
三 自主規約が前条第一項に規定する目的に適合するものでなくなつた場合
2 前条第4項の規定は、前項の基準(以下「府の基準」という。)の設定、変更又は廃止について準用する。
(品質保証表示及び単位価格表示)
第10条
前2条の表示には、消費生活に必要な商品に係る次に掲げる表示を含むものとする。
一 当該商品の品質その他の内容を保証する旨の表示をする場合における当該表示
二 単位量目当たりの販売価格の表示
(勧告)
第11条
知事は、事業者の自主規約又は府の基準を遵守していないと認めるときは、その者に対して当該自主規約又は府の基準を遵守すべきことを勧告することができる。
(自動販売機)
第12条
知事は、自動販売機その他これに類する機械によつて供給される消費生活商品等について、消費者が適切かつ容易に選択し、及び取引を円滑に行うことができるようにするため、事業者が遵守すべき自動販売機その他これに類する機械の管理の基準を定めることができる。
2 第8条第4項の規定は前項の基準の設定、変更又は廃止に、前条の規定は前項の基準を遵守すべき事業者について準用する。
第13条
知事は、消費生活に必要な商品のうち耐久性を有すべきであると認められるものについて、当該商品ごとに、事業者が遵守すべき補修用性能部品(当該商品の機能を維持するため不可欠な部品であつて補修の用に供されるものをいう。)の保有の基準を定めることができる。
2 第8条第4項の規定は前項の基準の設定、変更又は廃止に、第11条の規定は前項の基準を遵守すべき事業者について準用する。
(不当な取引行為の禁止)
第14条
事業者は、消費者との間で行う消費生活商品等の取引に関し、次のいずれかに該当する行為であつて規則で定めるもの(以下「不当な取引行為」という。)を行つてはならない。
一 消費者に対し、不実を告げ、誤信を招く情報を提供し、威迫し、心理的に不安な状態に陥れる等の不当な方法で、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させる行為
二 消費者に対し、著しくは不利益をもたらす不当な内容の契約を締結させる行為
三 消費者に対し、契約(契約の成立について、当事者間で争いのあるものを含む。)に基づく債務の履行を不当に強要し、消費者の正当な根拠に基づく契約の解除等を妨げ、又は契約若しくは契約の解除等に基づく債務の履行を拒否し、若しくは正当な理由なく遅延させる行為
(調査)
第15条
知事は、不当な取引行為が行われている疑いがあると認めるときは、その行為の方法、内容その他の事項について調査を行うことができる。
(指導及び勧告)
第16条
知事は、事業者が不当な取引行為を行つていると認めるときは、その者に対し、当該不当な取引行為を是正するための必要な措置を執るべきことを指導し、又は勧告することができる。
(情報の提供)
第17条
知事は、不当な取引行為による被害の発生及び拡大を防止するため必要があると認めるときは、速やかに、その行為の方法、内容その他の必要な情報を府民に提供するものとする。
(指定)
第18条
知事は、府民の消費生活との関連性が高い物資(以下「生活関連物資」という。)の価格が異常に上昇し、又は上昇するおそれがある場合において、当該生活関連物資の買占め又は売惜しみが行われ、又は行われるおそれがあると認めるときは、当該生活関連物資を特に価格の安定及び流通の円滑化を図るべき物資として指定することができる。
2 知事は、前項の規定による指定をし、又はこれを解除したときは、その旨を公示しなければならない。
(勧告)
第19条
知事は、事業者が前条第1項の規定により指定された物資の買占め又は売惜しみにより価格の安定又は円滑な流通を妨げていると認めるときは、その者に対し、売渡しをすべき期限等を定めて当該物資の売渡しの措置を執るべきことを勧告することができる。
第20条
知事は、第6条第1項、第11条(第12条第2項及び第13条第2項において準用する場合を含む。)及び前条の規定に
よる勧告、第15条に規定する調査又は第16条の規定による指導若しくは勧告を行うため必要があると認めるときは、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、これらの者の事務所、事業所その他その事業を行う場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
(苦情の処理)
第21条
知事は、消費者から消費生活商品等の取引に関する苦情の処理の申出があつたときは、適切かつ迅速に処理するよう努めなければならない。
(審査会のあつせん等)
第22条
知事は、消費者と事業者との間の消費生活商品等の取引に関する苦情のうち解決が困難であると認めるものについて、大阪府消費生活苦情審査会(以下「審査会」という。)によるあつせん又は調停に付することができる。
2 審査会は、調停のため必要があると認めるときは、当事者の出席を求め、その意見を聴くことができる。
(訴訟資金等の援助)
第23条
府は、消費者が消費生活商品等によつて受けた被害に関して事業者を相手方として訴訟を提起する場合において、当該訴訟が次の各号のいずれにも該当するときは、規則で定めるところにより、当該消費者に対し、当該訴訟に要する費用に充てる資金の貸付けその他の援助をするものとする。
一 当該訴訟に係る紛争が審査会によるあつせん又は調停によつては解決できないものであること。
二 当該訴訟に係る被害の原因と同一又は同種の原因による被害が多数生じ、又は生ずるおそれがあること。
三 資金の貸付けをする場合にあつては、当該訴訟に要する費用の額が当該訴訟に係る被害金額を超え、又は超えるおそれがあること。
四 審査会により当該援助をすることが適当であると認められたものであること。
(貸付金の返還等)
第24条
前条の資金の貸付けを受けた者は、当該訴訟が終了したときは、規則で定めるところにより当該貸付けに係る資金の全額を返還しなければならない。
2 知事は、特別の理由があると認めるときは、前条の資金の貸付けを受けた者の当該貸付けに係る資金の返還債務の全部又は一部を免除することができる。
第25条
知事は、事業者が次の各号のいずれかに該当する場合において、その行為について正当な理由がないと認めるときは、その者の氏名又は名称及びその行為の内容を公表することができる。
一 第6条第1項、第11条(第12条第2項及び第13条第2項において準用する場合を含む。)、第16条及び第19条の規定による勧告に従わなかつたとき。
二 第7条第2項の規定による立証の要求に応じず、又は虚偽の証拠を提出したとき。
三 第20条第1項の規定による報告の要求に応じず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
四 第22条第2項の規定による出席の要求に応じなかつたとき。
2 知事は、前条の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び証拠の提出の機会を与えるため意見の聴取を行わなければならない。
(試験、検査等の施設の整備)
第26条
府は、この条例に定める施策の実効を確保するため、消費生活商品等に関する試験、検査等を行う施設の整備に努めるものとする。
(情報の提供等)
第27条
知事は、消費者の自主的かつ合理的な行動を促進するため、必要に応じて消費生活商品等の品質、安全性その他の内容に関する試験及び検査並びに需給の状況等に関する調査の結果の発表等消費生活に関する知識の普及及び情報の提供に努めるものとする。
(消費者の申出)
第28条
消費者は、第2章の規定による措置が執られていないと認めるときは、知事に対し、その旨を申し出て、適当な措置を執るべきことを求めることができる。
2 知事は、前項の規定による申出の内容が事実であると認めるときは、この条例に基づく措置その他適当な措置を執らなければならない。
(国に対する意見表明等)
第29条
知事は、消費者の利益の擁護及び増進を図るため必要があると認めるときは、国に対し、意見を述べ、又は必要な措置を執るべきことを求めなければならない。
(他の地方公共団体との相互協力)
第30条
知事は、この条例に定める施策を実施するに当たつて必要があると認めるときは、他の地方公共団体に対し、協力を求めなければならない。
2 知事は、他の地方公共団体からその実施する消費者の保護に関する施策について協力を求められたときは、適当な措置を執るよう努めなければならない。
(規則への委任)
第31条
この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(施行期日)
1 この条例は、昭和52年2月1日から施行する。
(附属機関に関する条例の一部改正)
2 附属機関に関する条例(昭和27年大阪府条例第39号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附 則
(昭和60年条例第13号)抄
(施行期日)
1 この条例は、昭和60年4月1日から施行する。
附 則
(平成2年条例第8号)
この条例は、平成2年7月1日から施行する。
附 則
(平成7年条例第3号)
(施行期日)
1 この条例は、平成7年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行前に大阪府消費者保護条例第25条第2項又は大阪府福祉のまちづくり条例第22条第2項の規定により行われた聴聞又は聴聞のための手続は、改正後の大阪府消費者保護条例第25条第2項又は大阪府福祉のまちづくり条例第22条第2項の規定により行われたものとみなす。