注:平成14年7月に改正された条例が施行されます。

東京都消費生活条例

平成6年10月6日
条例第110号

東京都消費生活条例を公布する。

 

東京都消費生活条例

東京都生活物資等の危害の防止、表示等の事業行為の適正化及び消費者被害救済に関する条例(昭和50年東京都条例第102号)の全部を改正する。

 

目次

前文
第1章 総則(第1条〜第8条)
第2章 危害の防止(第9条〜第14条)
第3章 表示、包装及び計量の適正化(第15条〜第20条)
第4章 不適正な事業行為の是正等
第1節 価格に関する不適正な事業行為の是正(第21条〜第24条)
第2節 不適正な取引行為の防止(第25条〜第27条)
第5章 消費者の被害の救済(第28条〜第38条)
第6章 情報の提供の推進(第39条・第40条)
第7章 消費者教育の推進(第41条・第42条)
第8章 消費生活に関する施策の総合的な推進(第43条・第44条)
第9章 東京都消費生活対策審議会(第45条)
第10章 調査、勧告、公表等(第46条〜第50条)
第11章 雑則(第51条・第52条)
附則

 

前文

古来、人は、物を生産し、消費することによって、生存を維持し、生活を営んできた。
しかし、大量生産及び大量消費の社会の到来は、消費生活に便利さや快適さをもたらす一方で、消費者の安全や利益を損なうさまざまな問題を発生させてきた。とりわけ、大消費地である東京における消費者問題は、極めて複雑、多様であり、常に変容を続けている。
健康で安全かつ豊かな生活は、都民のすべてが希求するところである。その基盤となる消費生活に関し、事業者、消費者及び行政は、経済社会や環境に及ぼす影響に配慮しながら、消費者の利益の擁護及び増進に努めていくことが強く求められている。
東京都は、消費者と事業者とは本来対等の立場に立つものであるとの視点から、事業活動の適正化を一層推進するとともに、消費者の自立性を高めるための支援を進めるなど、都民の意見の反映を図りつつ、総合的な施策の充実に努めるものである。
このため、都民の消費生活における消費者の権利を具体的に掲げ、その確立に向けて、実効性ある方策を講ずることを宣明する。この権利は、東京都はもとより都民の不断の努力によって、その確立を図ることが必要である。
事業者は、事業活動に当たって、消費者の権利を尊重し、消費生活に係る東京都の施策に協力する責務を有するものであり、また、消費者は、社会の一員として、消費者の権利の確立に向けて、主体的に行動することが期待されている。
このような認識の下に、健康で安全かつ豊かな生活を子孫に引き継ぐことを目指し、都民の消費生活の安定と向上のために、この条例を制定する。

 

第1章 総則

(目的)
第1条
この条例は、都民の消費生活に関し、東京都(以下「都」という)が実施する施策について必要な事項を定め、都民の自主的な努力と相まって、次に掲げる消費者の権利(以下「消費者の権利」という。)を確立し、もって都民の消費生活の安定と向上を図ることを目的とする。
(1)消費生活において、商品又はサービスによって、生命及び健康を侵されない権利
(2)消費生活において、商品又はサービスを適切に選択し、適正に使用又は利用をするため、適正な表示を行わせる権利
(3)消費生活において、商品又はサービスについて、不当な取引条件を強制されず、不適正な取引行為を行わせない権利
(4)消費生活において、事業者によって不当に受けた被害から、公正かつ速やかに救済される権利
(5)消費生活を営むために必要な情報を速やかに提供される権利
(6)消費生活において、必要な知識及び判断力を習得し、主体的に行動するため、消費者教育を受ける権利

(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)消費者 事業者が供給する商品又はサービスを使用し、又は利用して生活する者をいう。
(2)事業者 商業、工業、サービス業その他の事業を行う者をいう。
(3)商品 消費者が消費生活を営む上において使用する物をいう。
(4)サービス 消費者が消費生活を営む上において使用し、又は利用するもののうち、商品以外のものをいう。

(都の責務)
第3条
都は、この条例に定める施策を通じて、消費者の権利を確立し、もって都民の消費生活の安定と向上を図るものとする。
2 都は、都民の参加と協力の下に、この条例に定める施策を実施するよう努めなければならない。
3 都は、消費生活の安定と向上に関する施策(以下「消費生活に関する施策」という。)に、都民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
4 都は、都民が消費者の権利を確立し、消費生活の安定と向上を図るため自主的に推進する組織及び調査、研究、学習等の活動に対して、必要な援助及び協力を行うよう努めなければならない。

(特別区及び市町村に対する協力)
第4条
都は、次条第二項に定めるもののほか、特別区及び市町村が実施する消費生活に関する施策について、必要に応じ、情報の提供、調査の実施、技術的支援その他の協力を行うものとする。

(国又は他の地方公共団体との相互協力)
第5条
都は、消費生活に関する施策を実施するに当たり、必要に応じ、国又は他の地方公共団体に対して、情報の提供、調査の実施その他の協力を求めなければならない。
2 都は、国又は他の地方公共団体が実施する消費生活に関する施策について、情報の提供、調査の実施その他の協力を求められたときは、これに応ずるものとする。

(国に対する措置要求等)
第6条
知事は、前条第一項に定めるもののほか、都民の消費生活の安定と向上を図るため必要があると認めるときは、国に対し、意見を述べ、必要な措置をとるよう求めなければならない。

(事業者の責務)
第7条
事業者は、商品又はサービスの供給その他の事業活動を行うに当たり、消費者の権利を侵してはならない。
2 事業者は、事業活動を行うに当たり、常に法令を守るとともに、都がこの条例に基づき実施する施策に協力しなければならない。
3 事業者は、商品又はサービスの供給その他の事業活動を行うに当たり、自主的に、危害の防止、表示等の事業行為の適正化、事業活動に伴う消費者からの苦情の迅速かつ適切な処理等必要な措置をとるよう努めなければならない。

(知事に対する申出)
第8条
都民は、この条例の定めに違反する事業活動により、又はこの条例に定める措置がとられていないため、消費者の権利が侵されている疑いがあるときは、知事に対しその旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
2 知事は、前項の規定による申出があったときは必要な調査を行い、その申出の内容が事実であると認めるときはこの条例に基づく措置その他適当な措置をとるものとする。
3 知事は、都民の消費生活の安定と向上を図るため必要があると認めるときは、第1項の規定による申出の内容並びにその処理の経過及び結果を明らかにするものとする。

 

第2章 危害の防止

(安全性に関する調査)
第9条
知事は、必要と認める商品又はサービス(商品の原材料又は事業者がサービスを提供するために使用する物を含む。次条において同じ。)について、その安全性につき必要な調査を行うものとする。

(危害に関する調査)
第10条
知事は、商品又はサービスが消費者の健康を損ない、又は身体に危害を及ぼす疑いがあると認めるときは、速やかに必要な調査を行うものとする。
2 知事は、前項の調査を実施し、なお同項の疑いを解消することができないことにより必要があると認定したときは、当該商品又はサービスを供給する事業者に対し、資料の提出その他の方法により、当該商品又はサービスが当該危害に関して安全であることの立証をすべきことを求めることができる。
3 知事は、事業者が前項に規定する立証を行わない場合においてその理由がないと認定したとき、又は当該事業者が行った立証によっては当該危害に関して安全であることを十分に確認することができないと認定したときは、当該事業者に対し、再度立証をすべきことを要求することができる。

(調査に関する情報提供)
第11条
知事は、消費者の健康及び身体の安全を確保するため必要があると認めるときは、前2条の規定による調査等の経過及び結果を明らかにするものとする。

(危険な商品又はサービスの排除)
第12条
知事は、商品又はサービスがその欠陥により消費者の健康を損ない、若しくは損なうこととなり、又は身体に危害を発生させ、若しくは発生させることとなると認定したときは、法令に定める措置をとる場合を除き、当該商品又はサービスを供給する事業者に対し、その製造若しくは販売又は提供を中止すること、製造又は提供の方法を改善することその他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

(緊急危害防止措置)
第13条
知事は、商品又はサービスがその欠陥により、消費者の生命又は身体について重大な危害を発生させ、又は発生させるおそれがある場合において、当該危害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、法令に定める措置をとる場合を除き、直ちに当該商品又はサービスの名称、これを供給する事業者の住所及び氏名又は名称その他必要な事項を公表しなければならない。
2 前項の規定による公表があったときは、当該商品又はサービスを供給する事業者は、直ちにその製造若しくは販売又は提供の中止等必要な措置をとらなければならない。

(危害防止のための表示)
第14条
知事は、商品の使用又はサービスの利用による消費者の生命又は身体に対する危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、法令に定めがある場合を除き、商品又はサービスごとに、その危害について具体的内容、防止のための使用又は利用の方法その他の表示すべき事項、表示の方法その他表示に際し事業者が守るべき事項(以下「危害防止表示事項等」という。)を指定することができる。
2 事業者は、商品又はサービスを供給するに当たり、前項の規定により指定された危害防止表示事項等を守らなければならない。

 

第3章 表示、包装及び計量の適正化

(表示等の調査)
第15条
知事は、必要と認める商品又はサービスについて、その表示、包装又は計量の実態等につき必要な調査を行うものとする。
2 知事は、消費者の商品又はサービスの適切な購入、適正な使用若しくは利用又は消費生活上の被害の防止のため必要があると認めるときは、前項の規定による調査の経過及び結果を明らかにするものとする。

(品質等の表示)
第16条
知事は、消費者が商品を購入するに当たりその内容を容易に識別し、かつ、適正に使用するため必要があると認めるときは、法令に定めがある場合を除き、商品ごとに、その成分、性能、使用方法、製造年月日等の日付、供給する事業者の住所及び氏名又は名称その他の表示すべき事項、表示の方法その他表示に際し事業者が守るべき事項(以下「商品表示事項等」という。)を指定することができる。
2 知事は、消費者がサービスを購入するに当たりその内容若しくは取引条件を容易に識別し、かつ、適正に利用し、又は消費者の被害を防止するため必要があると認めるときは、法令に定めがある場合を除き、サービスごとに、その具体的内容、取引条件、提供する事業者の住所及び氏名又は名称その他の表示すべき事項、表示の方法その他表示に際し事業者が守るべき事項(以下「サービス表示事項等」という。)を指定することができる。
3 知事は、商品又はサービスが自動販売機その他これに類似する機械により供給される場合において、消費者がその商品又はサービスの内容及び取引条件を識別するため必要があると認めるときは、商品又はサービスごとに、商品表示事項等又はサービス表示事項等を指定することができる。
4 事業者は、商品又はサービスを供給するに当たり、前3項の規定により指定された商品表示事項等又はサービス表示事項等を守らなければならない。

(品質等の保証表示)
第17条
知事は、必要があると認めるときは、商品又はサービスごとに、その品質、性能等を保証する旨の表示(以下「保証表示」という。)につき、保証期間、保証内容その他の表示すべき事項、表示の方法その他表示に際し事業者が守るべき事項(以下「保証表示事項等」という。)を指定することができる。
2 事業者は、商品又はサービスについて保証表示を行う場合には、前項の規定により指定された保証表示事項等を守らなければならない。

(単位価格及び販売価格の表示)
第18条
知事は、消費者が商品を購入するに当たり、これを適切に選択するため必要があると認めるときは、商品ごとに質量、長さ、面積、体積等の単位当たりの価格を表示する方法及び表示に当たり使用する単位を指定することができる。
2 商品を消費者に販売する事業者のうち、知事の指定する業種、規模又は態様により事業を行う者は、商品を販売し、又は販売のために陳列するに当たり、前項の規定により指定された方法及び単位によりその単位当たりの価格及び販売価格を表示しなければならない。

(適正包装の確保)
第19条
知事は、商品の包装(容器を用いる包装を含む。以下同じ。)について、内容品の保護、過大な又は過剰な包装の防止等のため必要があると認めるときは、法令に定めがある場合を除き、販売の際の包装について事業者が守るべき一般的基準を東京都規則(以下「規則」という。)で定めることができる。
2 知事は、前項に定めるもののほか、商品ごとに包装の基準を設定することができる。
3 事業者は、商品を包装するに当たり、第1項の規定により定められた一般的基準及び前項の規定により設定された基準を守らなければならない。

(計量の適正化)
第20条
知事は、消費者が事業者との間の取引に際し、計量につき不利益を受けることがないようにするため、法令に定めがある場合を除き、商品又はサービスについて適正な計量の実施を確保するために必要な施策を講ずるものとする。

 

第4章 不適正な事業行為の是正等

第1節 価格に関する不適正な事業行為の是正

(価格等の調査)
第21条
知事は、必要と認める生活関連商品等(都民生活との関連性が高い商品、サービスその他のものをいう。以下同じ。)について、その価格の動向、需給状況、流通の実態等につき必要な調査を行うものとする。

(特別調査)
第22条
知事は、生活関連商品等の価格について、これが異常に上昇し、又は上昇するおそれがある場合その他の消費者に著しく不利益となるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、当該生活関連商品等を特別の調査を要する生活関連商品等として指定することができる。
2 知事は、前項の規定により指定された生活関連商品等について、価格の上昇の原因、需給の状況その他必要な事項を速やかに調査しなければならない。

(不適正事業行為の是正勧告)
第23条
知事は、前条第2項の規定による調査の結果、生活関連商品等を供給する事業者が、その円滑な流通を妨げ、又は適正な利得を著しく超えることとなる価格で供給を行っていると認定したときは、当該事業者に対し、これらの行為を是正するため必要な措置をとるよう勧告することができる。

(調査等に関する情報提供)
第24条
知事は、価格の安定を図り、又は消費者の商品若しくはサービスの適切な選択を確保するため必要があると認めるときは、前三条の規定による調査等の経過及び結果を明らかにするものとする。

第2節 不適正な取引行為の防止

(不適正な取引行為の禁止)
第25条
知事は、事業者が消費者との間で行う取引に関して、次のいずれかに該当する行為を、不適正な取引行為として規則で定めることができる。
(1)消費者に対し、販売の意図を隠して接近し、又は商品若しくはサービスの品質、安全性、内容、取引条件、取引の仕組み等について、重要な情報を故意に提供せず、若しくは誤信を招く情報を提供して、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。
(2)消費者の自発的意思を待つことなく執ように説得し、消費者の取引に関する知識若しくは判断力の不足に乗じ、若しくは消費者を心理的に不安な状態に陥らせる等して、契約の締結を勧誘し、又はこれらにより消費者の十分な意思形成のないまま契約を締結させること。
(3)取引における信義則の要請に反し、消費者に著しく不当な不利益をもたらすことの明白な事項を内容とする契約を締結させること。
(4)消費者又はその関係人を欺き、威迫し、又は困惑させる等不当な手段を用いて、消費者又はその関係人に契約(契約の成立又はその内容について当事者間で争いのあるものを含む。)に基づく債務の履行を迫り、又は当該債務の履行をさせること。
(5)契約に基づく債務の完全な履行がない旨の消費者からの苦情に対し、適切な処理をせず、履行を不当に拒否し、又はいたずらに遅延させること。
(6)消費者の正当な根拠に基づく契約の申込みの撤回、契約の解除若しくは取消しの申出又は契約の無効の主張に際し、これらを妨げて、契約の成立若しくは存続を強要し、又は契約の申込みの撤回、契約の解除若しくは取消し若しくは契約の無効の主張が有効に行われたにもかかわらず、これらによって生じた債務の履行を不当に拒否し、又はいたずらに遅延させること。
(7)消費者の他の事業者からの商品又はサービスの購入を条件又は原因として、当該消費者に当該購入に要する資金の貸付けその他の信用の供与をする契約に伴い、当該他の事業者を含む多数の当事者が関係を有する場合において、消費者に対し、その関係について重要な情報を故意に提供せず、若しくは誤信を招く情報を提供し、若しくは当該購入に係る他の事業者の行為が、第1号から第3号までに規定するいずれかの行為に該当することが明白であるにもかかわらず、契約の締結を勧誘し、若しくは契約を締結させること又は当該他の事業者に対して生じている事由をもってする消費者の正当な根拠に基づく対抗にもかかわらず、不当な手段により、消費者若しくはその関係人に契約に基づく債務の履行を迫り、若しくは債務の履行をさせること。
2 事業者は、消費者と取引を行うに当たり、前項の規定により定められた不適正な取引行為を行ってはならない。

(不適正な取引行為に関する調査)
第26条
知事は、前条第1項に定める不適正な取引行為が行われている疑いがあると認めるときは、その取引の仕組み、実態等につき必要な調査を行うものとする。

(不適正な取引行為に関する情報提供)
第27条
知事は、不適正な取引行為による被害の発生及び拡大を防止するため必要があると認めるときは、前条の規定による調査の経過及び結果を明らかにするものとする。

 

第5章 消費者の被害の救済

(被害の救済のための助言、調査等)
第28条
知事は、消費者から事業者の事業活動により消費生活上の被害を受けた旨の申出があったときは、当該被害からの速やかな救済のために必要な当該消費者への助言その他の措置を講ずるものとする。
2 知事は、前項の措置を講ずるため必要があると認めるときは、当該被害に係る事業者その他の関係人に対し、資料の提出、報告又は説明の要求その他必要な調査を行うことができる。

(東京都消費者被害救済委員会)
第29条
前条第1項に規定する申出に係る事件のうち、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、その公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行う知事の附属機関として、東京都消費者被害救済委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、次に掲げる者につき、知事が任命する委員22人以内をもって組織する。
(1)学識経験を有する者 10人以内
(2)消費者 6人以内
(3)事業者 6人以内
3 委員の任期は、2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
4 特別の事項に係る紛争のあっせん、調停等を行うため必要があるときは、委員会に臨時委員を置くことができる。
5 専門の事項を調査するため必要があるときは、委員会に専門員を置くことができる。
6 委員、臨時委員及び専門員は、非常勤とする。
7 委員会は、専門の事項に係る紛争のあっせん、調停等を行うため必要があると認めるときは、小委員会を置くことができる。
8 委員会は、紛争を解決するため必要があると認めるときは、当事者、関係人等の出席及び資料の提出の要求その他紛争の解決に必要な調査を行うことができる。
9 第2項から前項までに定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、知事が定める。

(事件の周知)
第30条
知事は、紛争の解決を委員会に付託したときはその概要を、当該紛争が解決したとき又は解決の見込みがないと認めるときは審議の経過及び結果を明らかにするものとする。

(消費者訴訟の援助)
第31条
知事は、事業者の事業活動により消費生活上の被害を受けた消費者(以下「被害者」という。)が、事業者を相手に訴訟を提起する場合又は事業者に訴訟を提起された場合で、次に掲げる要件(都民の消費生活に特に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがあると知事が認めるときは、第一号に掲げる要件は除く。)を満たすときは、委員会の意見を聴いて、当該被害者に対し、当該訴訟に係る経費(以下「訴訟資金」という。)の貸付け、当該訴訟を維持するために必要な資料の提供その他訴訟活動に必要な援助を行うことができる。
(1)当該訴訟に係る経費が被害額を超え、又は超えるおそれがあるため、自ら訴訟により被害の救済を求めることが困難なこと。
(2)同一又は同種の原因による被害を受けた消費者が多数生じ、又は生ずるおそれがあること。
(3)当該被害に係る紛争の解決が委員会の審議に付されていること。
(4)当該被害者が、当該貸付けの申込みの日前3ヶ月以上引き続き都内に住所を有すること。

(貸付けの範囲及び額)
第32条
訴訟資金の貸付けの範囲は、当該訴訟の遂行に要する裁判手続費用、弁護士費用その他訴訟に要する費用及び権利の保全に要する費用並びに強制執行に要する費用(以下「訴訟等の費用」という。)とし、その額は、規則で定める。

(貸付けの申込み)
第33条
訴訟資金の貸付けを受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に申し込まなければならない。

(貸付けの決定)
第34条
知事は、前条の規定により申込みを受けたときは、委員会の意見を聴いて、訴訟資金の貸付けの適否及び範囲を決定するものとする。

(貸付利率及び償還期限)
第35条
前条の規定により決定された訴訟資金の貸付金(以下単に「貸付金」という。)は、無利子とし、その償還期限は、規則で定めるところによる。

(貸付金の償還)
第36条
訴訟資金の貸付けを受けた者(以下「借受者」という。)は、その償還期限が到来したときは、規則で定めるところにより、速やかに貸付金の全額を償還しなければならない。ただし、規則で定める要件に該当するときは、知事は、貸付金の即時償還を命ずることができる。

(返還債務の免除)
第37条
知事は、前条の規定にかかわらず、借受者が訴訟の結果、訴訟等の費用を償うことができないときその他やむを得ない理由により貸付金を償還することができないと認めるときは、貸付金の返還の債務の全部又は一部の償還を免除することができる。

(違約金)
第38条
第36条に規定する貸付金の償還を怠った者は、その償還すべき金額に対し、償還期限の翌日から償還の日までの日数に応じ、年14.6%の割合で計算して得た違約金を支払わなければならない。ただし、知事が特別の理由があると認めるときは、この限りでない。

 

第6章 情報の提供の推進

(情報の提供等)
第39条
知事は、この条例の他の規定に定めるもののほか、都民の消費生活の安定と向上を図るため、消費生活に関する情報を収集し、消費者に必要な情報を提供するものとする。

(試験及び研究の結果の情報の提供)
第40条
知事は、必要と認める商品又はサービスについて試験及び研究を行い、それらの結果を明らかにするものとする。

 

第7章 消費者教育の推進

(消費者教育の推進)
第41条
都は、消費者が消費生活を営む上で、必要な知識及び判断力を習得し、主体的に行動し、並びにその行動が経済社会及び環境に及ぼす影響についての理解を深めるため、消費者に対する教育に係る施策を推進するものとする。

(学習条件の整備)
第42条
都は、消費生活に関する消費者の自主的な学習の支援のために必要な条件の整備を行うものとする。

 

第8章 消費生活に関する施策の総合的な推進

(基本計画の策定)
第43条
知事は、消費生活に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本となる計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。
2 基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1)消費生活に関する施策の大綱
(2)前号に掲げるもののほか、消費生活に関する施策を推進するために重要な事項
3 知事は、基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを明らかにするものとする。

(総合的調整)
第44条
都は、都の消費生活に関する施策について総合的に調整し、及び推進するために必要な措置を講ずるものとする。

 

第9章 東京都消費生活対策審議会

(東京都消費生活対策審議会)
第45条
都民の消費生活の安定と向上に関する基本的事項を調査審議させるため、知事の附属機関として、東京都消費生活対策審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 知事は、次に掲げる場合には、審議会に諮問しなければならない。
(1)第10条第2項若しくは第3項、第12条又は第23条の規定による認定をしようとするとき。
(2)第14条第1項、第16条第1項から第3項まで、第17条第1項又は第18条第1項若しくは第2項の規定による指定をし、又はその変更若しくは解除をしようとするとき。
(3)第19条第1項又は第25条第1項の規定による規則の制定をし、又はその改正をしようとするとき。
(4)第19条第2項の規定による基準の設定をし、又はその変更若しくは廃止をしようとするとき。
(5)第19条第3項の規定に違反して、一般的基準を守っていないことの認定をしようとするとき。
(6)基本計画の策定又は変更をしようとするとき。
3 審議会は、第1項に規定する基本的事項に関し、知事に意見を述べることができる。
4 審議会は、学識経験を有する者及び関係行政機関の職員のうちから、知事が任命する委員30人以内をもって組織する。
5 委員の任期は、2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
6 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
7 専門の事項を調査するため必要があるときは、審議会に専門員を置くことができる。
8 委員、臨時委員及び専門員は、非常勤とする。
9 審議会は、専門の事項を審議するため必要があると認めるときは、部会を置くことができる。
10 審議会は、所掌事項の審議に際し、必要に応じ都民の意見を聴くことができる。
11 第4項から前項までに定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、知事が定める。

 

第10章 調査、勧告、公表等

(立入調査等)
第46条
知事は、第10条、第12条から第14条まで、第16条から第19条まで、第22条及び第26条の規定の施行に必要な限度において、事業者に対し、報告を求め、その職員をして、事業者の事務所、事業所その他その事業を行う場所に立ち入って、帳簿、書類、設備その他の物件を調査させ、若しくは関係人に質問させ、又は第10条に定める調査及び認定並びに第12条に定める認定を行うため、必要最小限度の数量の商品又は当該事業者がサービスを提供するために使用する物若しくは当該サービスに関する資料(以下「商品等」という。)の提出を求めることができる。
2 知事は、事業者又はその関係人が前項の規定による報告、商品等の提出若しくは立入調査を拒み、又は質問に対し答弁しなかったときは、事業者に対し、書面により、報告若しくは商品等の提出を要求し、又は立入調査若しくは質問に応ずべきことを要求することができる。
3 前項の書面には、要求に応じない場合においては、当該事業者の氏名又は名称その他必要な事項を公表する旨及び報告、商品等の提出、立入調査又は質問を必要とする理由を付さなければならない。
4 第1項及び第2項の規定により立入調査又は質問を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
5 都は、第1項及び第2項の規定により事業者から商品等を提出させたときは、正当な補償を行うものとする。

(告示)
第47条
知事は、第14条第1項、第16条第1項から第3項まで、第17条第1項、第18条第1項若しくは第2項若しくは第22条第1項の規定による指定をし、若しくはその変更若しくは解除をしたとき、又は第19条第2項の規定による基準の設定をし、若しくはその変更若しくは廃止をしたときは、その旨を告示しなければならない。

(指導及び勧告)
第48条
知事は、第14条第2項、第16条第4項、第17条第2項、第18条第2項、第19条第3項又は第25条第2項の規定に違反をしている事業者があるときは、その者に対し、当該違反をしている事項を是正するよう指導し、及び勧告することができる。

(意見の聴取)
第49条
知事は、第10条第3項の規定による要求又は第23条若しくは前条の規定による勧告をしようとするときは、当該要求又は勧告に係る事業者に対し、相当な期間を置いて予告した上、公開による意見の聴取を行わなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。
3 意見の聴取に当たっては、当該要求又は勧告に係る事業者及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
4 知事は、事業者が正当な理由がなくて意見の聴取の期日に出頭しないときは、第1項の規定にかかわらず、意見の聴取を行わないで第10条第3項の規定による要求又は第23条若しくは前条の規定による勧告をすることができる。

(公表)
第50条
知事は、事業者が第10条第3項若しくは第46条第2項の規定による要求又は第12条、第23条若しくは第48条の規定による勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

 

第11章 雑則

(適用除外)
第51条
第2章の規定は、薬事法(昭和35年法律第145号)第2条第1項に規定する医薬品については、適用しない。
2 第2章から第5章までの規定は、次に掲げるものについては、適用しない。
(1)医師、歯科医師その他これらに準ずる者により行われる診療行為及びこれに準ずる行為
(2)商品、サービス及び生活関連商品等の価格で、法令に基づいて規制されているもの
3 第6章の規定は、前項第1号に掲げる行為については、適用しない。

(委任)
第52条
この条例に規定するもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

 

附則

(施行期日)
1 この条例は、平成7年1月1日から施行する。
(東京都消費生活対策審議会条例等の廃止)
2 次に掲げる条例は、廃止する。
(1)東京都消費生活対策審議会条例(昭和36年東京都条例第86号)
(2)東京都消費者被害救済委員会条例(昭和50年東京都条例第103号)
(3)東京都消費者訴訟資金貸付条例(昭和50年東京都条例第104号)
(経過措置)
3 この条例による改正前の東京都生活物資等の危害の防止、表示等の事業行為の適正化及び消費者被害救済に関する条例(以下「旧条例」という。)第29条の規定による東京都消費者被害救済委員会及び前項の規定による廃止前の東京都消費生活対策審議会条例第1条の規定による東京都消費生活対策審議会は、それぞれこの条例の規定による東京都消費者被害救済委員会及び東京都消費生活対策審議会となり、同一性をもって存続するものとする。
4 この条例の施行の際、現に旧条例第7条第1項の規定によりされている申出は、第8条第1項に規定する申出とみなす。
5 前項に規定する場合のほか、この条例の施行前に旧条例又は附則第2項の規定による廃止前の東京都消費生活対策審議会条例、東京都消費者被害救済委員会条例若しくは東京都消費者訴訟資金貸付条例の規定によってした処分、手続その他の行為は、この条例中にこれに相当する規定があるときは、この条例の規定によってした処分、手続その他の行為とみなす。