11月27日
夕べは「らいおん丸」家の近くで「らいおん丸」と飲んだ。給料も入って、実は先月末「らいおん丸」にお金を借りるという情けない状態だったので、返済がてらお返しに鍋をつついて一杯やったのだった。
ここんとこ「らいおん丸」も寒いセンター内での残業で疲れているのか、酔いの早いこと。
「T副所長嫌い!」
のっけから爆弾発言が飛び出した。
もともとぐうさんもあの男は嫌いだが、まさか「らいおん丸」まで彼を嫌いとは。そう言えばTの野郎、「らいおん丸」に度々癇癪を爆発させている。えらい年下には怒りやすいのだろうか?時にぐうさんは「らいおん丸」がTに怒鳴られているのを見て、Tを即死させたい衝動に駆られることがある。怒鳴るほどのことでないのに怒鳴るからだ。
T、自分の大きなミスで本社から怒鳴られることがあったからと言ってパートさんの小さなミスで鬼の首でも取ったように居丈高に皆の前で怒鳴るのはリーダーが一番やってはいけないことではないのか。
更にはぐうさんの管理するあるメーカー商品が入荷予定日を過ぎても入荷しない。このままでは切れるので○VDに電話で警告した。電話に出た担当はメーカーに連絡しておくとのことだった。
そして今日、その商品が欠品した。しまった!それも午後になって出荷作業中に切れたという報告があがってきた。メーカーがちゃんと納品したかどうか確認すべきだった。
○VDに連絡すると、どうやらその商品はメーカーが埼玉のセンターへ誤納したらしい。センターではよく確認しないでそのまま格納してしまったようなのだ。ぐうさんも入荷の確認を怠ったし、出荷作業も棚入れの数量確認を怠った。
Tは本社からこっぴどく怒られ、Tの怒りはぐうさんへ向かってきた。
「怒られちゃったじゃねえか!」
吐き捨てるようにぐうさんに言うと掴んでい金庫の鍵を放り投げた。
ぐうさんは喉まで声が出掛かったものの、言うのは止めた。言っても無駄だし。ぐうさんもこの後のフォローはどうするのかとも聞かなかった。謝りもしない。この男の下では仕事できない。
職場においてリーダーが持つべき資質とは明確なビジョン・価値観・使命感・理念・大義を持っていて、仕事の目標・目的の設定能力があり、戦略性のある高所からの視点で人を動かし、或いは動機づけを行うことができることを言う。
従来、日本のリーダーシップでは、因習的なムラとしての管理が“人への関心”であった。“人への関心”とは、『人の心に火を燃やす事のできる』という意味である。人は、説明や説得を越えて納得して初めてより良い大きな仕事をする。『この人のあとに、ぜひ付いていきたい』という人が存在して、初めてその人はリーダーたり得る。
オハイオ大学のリーダシップ研究センターのポール・ハーシーとケネス・H・ブランチャードの考えたリーダーシップ・モデルはSL理論として有名だが、Tはさしずめ色眼鏡で部下を見るタイプのリーダーといえる。このタイプのリーダーは自分の監督下にある部下たちについて「良い奴」「悪い奴」あるいは「味方」「敵方」に分類していることが発見されている。
このプロファイルのリーダーに、成熟度のやや低いレベルの部下が付けられると、この部下を成熟度のやや高いレベルへか、あるいは極めて低いレベルへのどちらかへ持っていってしまう。
このスタイルのリーダーの問題点は、自分の嫌いな部下のポテンシャルを伸ばすためには、ほとんど何もしないことだ。このリーダーは、嫌いな部下たちに対して常に高指示、低協労の監督を行うことによって、これらの部下たちを未熟な状態に押し込んでしまうのである。それと共に、この種のリーダーは、委任を完全に行って、部下の成長を図ることができず、このリーダーに対する心理的依存をいつまでも続けさせる傾向を持つ。
つまりTのもとではぐうさんは成長を阻害されるということである。ぐうさんだけではない。自分の好きな部下とだけ仕事をするということは、センターの能率を半減させることでもあるのだ。
おうおうにしてぐうさん自身も好き嫌いの激しい性格だが、嫌いな奴を仕事で干すというようなことはしない。マツにしてもそうだ。嫌いだろうが、好きだろうがやはり共に仕事をするというスタンスでなくては入荷・格納の業務が終わらなくなる。
マツだろうが誰だろうが、与えられた部下をきちんと使って、ちゃんと働いてもらって初めてリーダーとしての仕事の一部ができるというものではないのか?
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