2月

2月26日

 今週一杯は年度末決算棚卸と新店オープンラッシュとホワイトデー特発出荷作業が重なって、帰宅即入浴で冷え切った身体を蘇生、ビールを飲みながら「らいおん丸」とメール。2時間以内に爆睡。

2月25日

 日曜日23日の夜、「らいおん丸」からメールが入った。
「今仕事終わったよお」

 極悪ベンダーでのお給料が余りにも安いので彼女、別に仕事をしているのである。週末の2〜3日は極悪ベンダーの仕事と重なり、日曜日も仕事とあって疲労が蓄積していたのだろう、朝は洗面所で吐いたという。

 厚木で待ち合わせて飲んだ。丸2日も顔を合わせないと話すことはお互いいっぱいある。しかも元気印の「らいおん丸」だ。賑やかなことこの上もない。

 ところが頭から冷や水をかけられるような事態が直後起こったのだった。広間の隅で飲んでいた初老の夫婦のおやぢの方が、トイレに行く途中、ぐうさんと「らいおん丸」の席に立ち寄るなり、

「おい、お前ら!はしゃいでるんじゃねえぞ」

 ぐうさん、
「は?」

 金払って飲んで相手と楽しく話してて何が悪いのかい?悪酔いの言い掛かりだろう。ぐうさん、女性と飲んでて過去にもこういうことがあって気分が悪くなった。前回も今回も言い掛かりの相手はおやぢ!

 前回はいきなり突き飛ばされたのと、近くに交番があったのとでおやぢ2人組は交番に突き出したのだったが、この時のおやぢの往生際が悪いこと。警官に向かって、
「俺は部長だぞ!」
警官、
「あ? それが何なの?今は人を突き飛ばしたことについて訊きたいんだがね」

 部長だからということだけで何でも許されるとでも思っているんだろうか。そういえば肩書きをカサにワルいことするの極悪ベンダーにも一杯いたわ。
 溜息…………。 

 翌月曜日。悪いことは続くもので出社途上、ボーっとして歩いていたぐうさんは交差点で左折してきたトラックの後輪に巻き込まれそうになった。とっさに身を引いたのだが倒れて後頭部をしたたか地面に打ったようだ。

 その時は「轢かれた」とか叫んでいたらしいのだが、それで騒ぎが大きくなってしまった。警察は来るし人だかりは凄いし、記憶は飛んでるし。

 会社に連絡を取ろうと思ってもぐうさんのケータイは通話が故障してて完全なメールマシン。それでもメールを送って中継でセンターへいち早く報告してくれたのは「らいおん丸」だった。

 まあ、所長に直接電話連絡しなかったということでこっぴどく怒られたぐうさんではあった。でもこんなことで以外な人がかかったり、冷たかったりという経験は新鮮だった。


2月22日

 来週は年度末決算を控えて最小限に在庫を絞り、欠品を起こさないギリギリの線で在庫金額を低く抑えようと在庫管理担当者達は誰もが考えているし、上からも厳命されてもいる。

 ところがチェーンの本部はそんなベンダーの涙ぐましい努力を鼻であざ笑うかのように月末に十数店舗もの新店やら改装オープンを計画したのだった。当然、既存店からの受注に加えて新規店の受注も加味した在庫を持たなくてはならない。

 月平均4〜5店の新規オープンであることを考えると今月は異常な新規オープンではある。そして新規の店の場合、店の立地や周囲の環境によって受注する商品がかなりバラつきがあるので、海に近いのか山に近いのか、市街地かそれとも田舎なのか、近くに学校があるのか、病院はあるのか、工場はあるのか、それこそ鵜の目鷹の目で地図を見てどの商品を多めに確保するかを検討する。

 正直なところ、
(普段の3倍だぞ、やってられねえよな…)
ぼやきつつ地図を見ていたが、あることに気付いて唖然とした。

「お? この新店の住所、4日前にオープンした店から500メートルくらいしか離れてないじゃん!」

 しかも向かいには某チェーンのコンビニが…。商売敵をツブす気なのか、それとも同じチェーンで食い合いするのか?

 何かチェーン本部の暗い面をかいま見たような気になって、オープンで不安と期待が入り混じったオーナーの気持ちを踏みにじるようなことはしないでもらいたいと本部に言いたくもなった。こんなことが行き過ぎれば詐欺まがいだぞ。

 さて今夜は長らく神奈川センターへ君臨してきた統括所長「タジイ」が目出度く古巣の西東京センター所長へと栄転?のため送別会が催されるらしい。

 コンビニ部門からはシゲ所長とT副所長と「ねこ」が出席するようだ。おつきあい程度のもの。

 しかし送別会が午後8時からとあって定時で仕事を終えているのにもかかわらず午後7時まで終礼が伸ばされたのには閉口した。送別会になど出席する気のない社員にとっては貴重な週末の一時を奪う迷惑な行為であった。


2月14日

 「らいおん丸」は休みだがぐうさんは出勤。夜に厚木駅前で待ち合わせしたが渋滞で遅れたぐうさん。1時間も外に立ち尽くしていたという「らいおん丸」の顔は真っ青だった。スタバやタリーズに入っていればよいものを…。
 早速駅北口を出てすぐ、一階に不
二家がある和光ビルの5階に上る。
「らいおん丸」お気に入りの「ゆう」と
いう店。駅前からの夜景を見ながら
一杯飲めるおつなところなのだ。

 カップルで行けばまず夜景が見れ
る窓際に案内してくれる。たかが厚
木の夜景、されど夜景なのだ。
 ところが夜景を堪能するいとまもなく、ビールを飲みながら「らい
おん丸」の不満が爆発する。

 「ぐうさん、考え過ぎだよぉ!」

 配送ドライバーと飲みにいくならぐうさんとはそれまでと言ったこ
とが腹に据えかねていたのだった。

 「どうしてそんな脅迫めいたこと言う
の?!」

 ぐうさんの頬を思いっきりつねりながら問い詰める「らいおん
丸」。

 (いたたた……! 本気でつねっているぞ)

 「何とか言って!」
言おうにもつねられたままでは話もできない。
 散々ぐうさんをつねりながら
言いたいことを言った「らいお
ん丸」、やがてふぅっとため息
をつくと、ぐうさんの頬から手
を離した。

「ま、ぐうさんはらいおん丸の
話ちゃんと聞いてくれるしね
…」
 ぐうさんとぎくしゃくしたのは「らいおん丸」にとって相当衝撃だったのだろう。ただ「らいおん丸」を誘った配送ドライバー達をぐうさんが嫌いだったのだ。好き嫌いの激しい男だからねぇ、ぐうさんも。

 でもこれで再びお互い普通に言いたいことも普段と変わりなく言えるようになったのでよかった。そのあとは普段通りに酔って騒いでそれぞれ帰宅したのだった。でも「らいおん丸」、ぐうさんの右頬真っ赤なんだけど(泣)。

「ゆう」の紹介サイト
  青屋酒店>旨い酒が飲める店>ゆう


2月13日

 昨日から今日にかけてぐうさんと「らいおん丸」離反の危機だった。発端はトークタイム中、通りかかった配送会社のドライバーに「らいおん丸」が声をかけたこと。

 「あたしのメルアドわかったぁ?」
声をかけられたドライバー、立ち止まると自分のケ−タイを覗いて
「え?入ってねえよ!」

 ぐうさんの眼前で「らいおん丸」は自分のメルアドをそのドライバーに再送したのだった。

 くだんのドライバー、
「おっ、今入ってきた。金曜日忘れるなよ!

と「らいおん丸」に言い捨てて去っていった。ぐうさんには目もくれず。

 「らいおん丸」、
「実はあたしの友達とあの人たちとで飲む約束したんだ。女紹介しろってうるさいんだもん」

 ぐうさんは仰天………。やつら妻子持ちだろうが!
でもうすうす想像はできた。「らいおん丸」の仕事の後半は配送ドライバー相手に返品商品の検品をすることだ。話をするうちにそんなこともあるだろうとは思っていたのだ。

 かつて「らいおん丸」にやらせろ!と迫った野郎もいた。どうもぐうさん、配送ドライバーは好かん。

 顔を合わせるたびに
「今度飲みにいこうぜ」
と言われると断りにくい。
「一人じゃなんだかららいおん丸の友達紹介してよ。こっちも二人でいくから」
ってことになる。

 大丈夫だという「らいおん丸」とぐうさんは2日間揉めた。挙句、
「らいおん丸は貴女のキライな女二人とぐうさんが、ぐうさんの友達と飲みに行ったらいい気持ちするかい?」

 とのぐうさんの問いに、
「いい気持ちしない。しかもその後ぐうさんとぎくしゃくするのも嫌」
と、やっとドライバー達との飲み会を断ったのだった。

 ふう………。

2月5日

 夕べはかつての同僚「なおちゃん」に久々にメールを送った。「なおちゃん」にメールを送る時の件名は必ず「最近どうよ?」

 返ってきた返事は日常がちょっとマンネリ気味だそうな。弟子の「きち君」の近くに今は住む彼女に都合いい時に新百合で飲もうかい?と誘ったらOKが出た。「らいおん丸」と弟子も連れて行くとしよう。

 そして出社しての朝礼前、同じく出社してきた店舗サポートプロジェクトチームにいる「ちかちゃん」と話す。インターネットやりたいということなので是非とも仲間に引き入れたい娘ではある。早くパソ買ってね。

 と、何やらマツが掛かってきた電話にはまっている。延々やりとりしていたようだが、やがて憔悴し切って所長にバトンタッチ。

 マツ、
「あのオーナーよお、いきなりキレやがってわけわかんねえよ」

 ぐうさん、
(いきなりキレるのはお前の専売特許だろうが。自分がされてわけわかんねえとはいい面の皮だ)

 そのあともマツったらぶつぶつ言っていたが、自分も瞬間湯沸し器だという自覚はどうやらないようだった。
 


2月1日

 月初早々、野獣マツがキレた。発端は「らいおん丸」がぐうさんのところへ伝票と入荷した商品の数が合わないと訊きにきたことだ。
(なぜオレ様が近くにいるのにオレ様のところへ拝聴しにこない?!)

 見る見る野獣マツの心の中で怒りが噴出してきたのだった。

 しかしちょっと考えても普段親しくもなく、質問すれば勝ち誇ったように横柄で、言動が粗暴で、顔色がドス黒くてカッパみたいな顔つきで他人の悪口を言い歩くような男に「らいおん丸」が質問しにいくことなどありえないではないか。

 ところがこの男ったら自分ではちっともそうは思ってはいないのだから始末が悪い。女は率先してオレ様のところへ寄ってくるのが当たり前で、おずおずとオレ様に質問しなければいけない。しかもこんなイイ男なんだから感謝しろと思っている。

 「らいおん丸」はその全てのマツのプライドを踏みにじった。そうし向けたぐうさんが殺したい程憎い!

 「やってられねえよ!」

 暴発した野獣はフォークリフトに乗ったまま周囲に体当たりを食らわせながら動き回る。危険だ。

 「マツ、何やってんだ!」

 ぐうさんの怒鳴り声にますます怒り狂う野獣マツ、フォークリフトを降りるとぐうさんに掴みかかった。

 「うるせえ! うるせえんだよっ!」

 と、普段は温厚なジョニーが血相を変えてマツとぐうさんの間に割って入る。
「やめろっ!」

 そのときは引き離されたものの、あとは終日荒荒しい野獣マツであった。所長に相談したものの、
「お互いのコミュニケーションが足りない」
で一蹴された。

 コミュニケしたくないからこうなったので何の解決にもならん答えではある。

 「嫌なことはさっさと忘れて」
「らいおん丸」に励まされつつ明日横浜で「らいおん丸」とラーメンと寿司を食う約束はしっかりさせられたぐうさんではあった。


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