老人排除賛成70%

 中曽根、宮沢の両氏を好き嫌いで言えば中曽根さんは余り好きではない。宮沢さんは日本の知性を代表するように思えてやや好感を持っている。両氏共に体力は仕方がないが知力、洞察力、長い政治活動から身に付けた判断力やバランス感覚は素晴らしいと思っていた。

 それはイラクに対する発言や自衛隊の使用にかなり厳しい発言で窺える。あの鷹派で鳴らした中曽根さんがイラク攻撃に慎重な発言をしたのには驚いたし、宮沢さんが引退記者会見でこれからの日本の前途に危惧の念を述べた内容等をみれば、両氏共に現役若手国会議員に遜色どころかあれだけの発言は残念ながら小泉、菅両党主をはじめその他その右へでる者は見当たらない、と思う人も多いのでは有るまいか。つまり知的能力は衰えていないのである。

 ところが自民党は国会議員の73歳定年制を盾に、両氏を非公認に追い込み引退を強要した。成るほど世の中には老害という言葉もあるが、十把一絡げの味噌くそ一緒の議論は少し乱暴ではないか。世の中は子供から老人男女の混成集団である事を忘れた暴挙である。そんな発想だから国会議員は男女同数であるべきなのにそれへの配慮など少しもせず、平然として知識人だなんて大きな顔をしていられるのだと思う。

 だいたい老害という意味さえ理解されていないのではないか。老害とは知的能力が衰えてその任に堪えられない人が、その地位にしがみ付いて他に迷惑を及ぼす事である。ましてこれからは少子高齢化社会の到来である。有能な高齢者の協力は不可欠な時代に入っていることを理解しているのだろうか。

 なんだかんだというけれども老人は厄介者という発想が透けて見えるのはあながち高齢者のひがみと言い切れるだろうか。ところがこの両氏に対する仕打ちを、見事な人事をしたと小泉氏を称える人が70%あったと新聞紙は世論調査の結果を報じていた。

 日本人は最近どうかしていませんかと言いたい。冷たいと言うよりも浅薄さが、また知性の欠落が浸透しているのではあるまいか。それが驚くべき社会犯罪を呼び起こす最近の世相に繋がっていないか、不安に思えるがこれがほんとの老婆心というもであろう。