日本の知性

 日曜日の午前中に放映される各種の政治経済スポーツその他のワイド番組は余り熱心には見ないが今日は田原総一郎の司会番組に宮沢喜市元総理大臣が出られると言うのでテレビの前に久し振りにどっかり座り込み視聴した。

 宮沢さんの前に討論番組があってこれも久し振りに面白かったが面白い内容がどんな有能な専門家で有っても自分の住む世界の利益でしか物が見えないのだなぁと改めて感じ物悲しくなった。

 宮沢さんは経済の見通し、憲法の改訂問題、靖国参拝問題その他について語ったが正に日本の知性そのものだった。宮沢さんが「日本の知性」とは現役時代から言われていたので事改めて言うのも可笑しいがこうして改めてお話しを伺うと静かな語り口にもかかわらず並み居うるさ型の若き論客達も二の句を次ぐ人はいなかった。

 宮沢さんの政冶家としての活動は正にステーツマンの名に値するのだが水清ければ魚住まずで総理大臣に押されるのはかなり遅れてからだった。

 いま国内は中国侵略から太平洋戦争突入前夜に実によく似てきている。当時対外強硬論が国民に受け入れられ無敵連合艦隊だの関東軍の精鋭機械化部隊だの大和魂だのと大衆は貧しさ解消の特効薬は戦争しかないかのごとく信じ込んでこれらを強力に支持した。再びこの愚を繰り返してはならないと宮沢さんは警鐘を鳴らしたように思われた。