| 郵政民営化の攻防と日本政治の動向 |
先日衆議院の本会議場で郵政民営化法案が僅差で可決成立した。反対勢力は否決でもしたかのような笑顔であったのに引替え小泉さん苦笑いで対照的であった。 郵政民営化に付いては賛否両論が庶民の間でも交わされお茶の間でもよく解らないと言うのが実態であるように思う。 ことほど左様に難解な政治問題ではあるが小泉さんの言う「民で出来る事は民で」と言うキャッチフレーズは正しいと思い、靖国問題では困った人だと手を焼くがこの郵政民営化問題については応援している。 総論賛成各論反対は政界の常識だが今回もまたそのとおりで推移した。民間で出来る事を高給取りの官吏が何故やらねばならないのかという命題に反対する議員はいない。 然し民営化されると困る人が沢山いるのも事実で、その人たちの代表として国会に出ている議員は当然反対するだろう。反対する人々はどんな人かと考えてみると、先ず関係従業員は自分はこれからどうなるのか不安で反対だろうし、又民間金融関係者は強力な競争相手の出現を歓迎する筈もなくこれも反対だろうし、物流業者も恐ろしい競争相手を喜ぶはずもなくこれも反対だ。特定郵便局長という明治の遺物で長い間甘い汁をすい続けた人々は死活問題だと騒ぎ出し関係議員に反対を依頼するし選挙応援しないぞと脅しにかかる。 小泉さんの尻馬に乗るわけでもないが国家補償の付いた郵貯に莫大な現金が集まり、その投資先もなくて運用益が出せず、仕方なく国債ばかり購入して国の借金作りに協力する今の郵政事業はこのままでいい筈がない。挙句の果ては無駄な公共事業にこれを使って赤字を出しその穴埋めに税金を使うと言う構造を最近国民は知らされ唖然としているのだ。これは蛸が画自分の足を食べるに似て自殺行為である事を最近国民知らされた。 それにつけて思い出すのは昭和二十九年予算案審議の国会で小笠原蔵相が赤字国債発行要求の議員に対して「赤字国債を発行し始めると猿が自慰を覚えたように死ぬまで止められなくなる。」と多少ビローな表現ながら赤字国債発行の恐ろしさを指摘して赤字国債発行拒否の答弁をしたあの場面を思い出し当時の政治家の質の高さに今更ながら驚き懐かしい。 野党も情けない。国家百年の計よりも政権獲得を優先させているのだろうが党利党略優先で国の前途に責任を感じているようには思えない。近く政界再編になるのだろうが太平洋戦争で犠牲になった多数の国民に対して誰も責任を取らな日本の異常さに気の付かない議員ばかりでは前途は暗い。 郵政民営化法案は奇しくも議員の心底をあぶり出して見せてくれた。「国乱れて忠臣現る」とは言うから今の日本は幸せな国なのだろう。 |