「Voice」2005年11月号(PHP研究所)所収
次世代総合研究所代表 木村英哉 執筆記事

筆者略歴=1965年神奈川県生まれ。東京大学文学部哲学科卒。特殊法人、民間会社勤務を経て、1995年国会議員政策担当秘書試験に合格。1996年から民主党衆議院議員(初当選)の政策担当秘書として国会および地元で勤務。2000年総選挙で所属議員が再選を果たしたのを機に退職。現在、次世代総合研究所代表


   内容要約(詳しくは「Voice」2005年11月号P.110〜
  「民主党よ、崩壊するのか」をご覧ください)


総選挙において民主党が惨敗した。しかし解散の決定をした時点で、官邸は自民圧勝の世論調査結果をすでに得ていたという。

〔今回総選挙における民主党の敗因〕

1.親自民系無党派層による、「『自民党に灸を据える』ために自民党に投票する」という選択肢・構図が非 自民系無党派層にまで拡大し、従来は「消去法」で自民党に灸を据えるために「よりまし」な選択として民主党に投票していた無党派層が、対案も出さずに現状に満足している民主党に灸を据えるために今回自民党に投票した。

2.争点が明確に設定された結果、自民党からの攻撃が予想以上に強くなった。自民党はパンフレットで民主党に「守旧派政党」「護官政党」とレッテルを貼り、小さな政府実現の流れへの「抵抗勢力」との烙印を押した。


.従来から民主党議員は候補者本人の魅力や人間性、信頼度によって選ばれ、国会に送り込まれていたのではなかった。

4.自民党は「政策のためには身内を切る」という点で民主党を凌駕していた。その手法は明らかに政策優先であって身内議員優先ではなかった。民主党はまず身内の国会議員を「食わせる」ことを優先した。


5.「言っていること」は確かに民主党の方が理想的であったが「実行力の伴わない政策は絵に描いた餅」というのが有権者の判断であった。

6.民主党は選挙に入ってからのマニフェストの「口頭修正」がひどすぎた。



〔民主党候補者の問題点〕

 前回総選挙で、民主党新人が多数当選したが、これらの人物は大企業に入社してほっとしている新入社員のような気分に浸っていたものと推察される。


1.民主党の若手議員には「オタク」的な人間が少なくない。自身のホームページは充実していて一方的に話す朝の駅頭演説は大好き、しかし、人との対話は下手で電話かけ一つまともにできないという衆議院議員が実際結構多い。


2.官僚出身者が多い。今回の選挙では民主党候補の二十八名が元官僚であるという。

3.何でも若いか又は女性ならいいと思っている。社会経験のまったくない、フリーター同様の人物を安易に候補者にしてしまう例がある。

             

〔連合との関係について〕

 連合は民主党の自発的応援団に徹するべきである。連合の政治力の源泉は何なのか、実は私にも謎である。大規模単組の委員長(地方単産議長)は「うちの組合員はみんな自民支持だからなあ」と言っていた。


〔政策不在、反省なしの救い難いドタバタ劇〕


 本稿を執筆中、民主党の新代表が決まった。この選出過程は政策論争ゼロ、総選挙総括ゼロの救い難いドタバタ劇=茶番であったという一語に尽きる。新代表が決まったが、今後、党内の足の引っ張り合いは益々激しさを増すであろう。しかし、再び国民不在のドタバタ劇を繰り返した日には民主党の政権担当は向こう十年はない。


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