公正な審議を求める要望書
2002年3月7日
司法制度改革推進本部司法アクセス検討会 御中
亀井 時子 委員 殿
(座長)高橋 宏志 委員 殿
竹内 佐和子 委員 殿
西川 元啓 委員 殿
長谷川 逸子 委員 殿
長谷部由起子 委員 殿
始関 正光 委員 殿
飛田 恵理子 委員 殿
藤原 まり子 委員 殿
三輪 和雄 委員 殿
山本 克己 委員 殿
弁護士報酬の敗訴者負担に反対する全国連絡会
代 表 甲 斐 道 太 郎
同 清 水 鳩 子
同 清 水 誠
(事務局)
〒102−0085 東京都千代田区六番町13番地中島ビル1階
四谷の森法律事務所内(担当 瀬戸・公平)
電話 03(3265)2117 FAX03(3263)1084
要 望 の 趣 旨
弁護士報酬の敗訴者負担制度の検討にあたり、公正な議事運営が行われるよう要望する。
要 望 の 理 由
1 「原則導入、例外的に導入しない」という前提での議論及び検討対象を「導入しない範囲と導入した場合の金額負担」に限定する議事運営は、司法制度改革審議会意見書の趣旨を歪めるものである。
本年1月29日開催の貴検討会において、司法制度改革審議会意見書を「弁護士報酬の一部を敗訴者に負担させる制度を導入すべきである。但し、不当に訴えを提起させないように、これを一律に導入してはいけない。導入しない訴訟の範囲及びその取り扱いのあり方及び敗訴者に負担させる金額の定め方について検討すべきである。」と要約して議事が進められようとしている。
また、弁護士報酬の敗訴者負担制度が司法アクセスを促進するか否かに関して、この議論を回避しようとしているとしか思われない議事運営が行われている。
しかし、このような要約及び議事運営は、意見書の趣旨を歪めるものである。
弁護士報酬の敗訴者負担制度は、司法制度改革審議会において「司法アクセス促進の観点から」検討されてきたものである。このことは、弁護士報酬の敗訴者負担制度が意見書中「司法アクセス」の項におかれていることからも明らかである。
また、審議会の中間報告に対して多くの反対意見が寄せられた結果、意見書の記述が書き改められた。審議会で会長を務められた佐藤幸治教授は、書き改められた意見書の趣旨について「我々の趣旨は、そんな原則、例外ということではなかったんだということで、最終的にはこの最終意見のような表現に落ちついた」と述べられている(第151回国会参議院法務委員会)。
従って、司法アクセス検討会においては、@司法アクセス促進の見地から、A導入する場合の要件も含めて、弁護士報酬の敗訴者負担制度の導入が検討されるべきである。決して、意見書の趣旨を「原則導入、例外的に導入しない」などと曲解した下で議事運営が行われるべきではない。
2 資料や調査結果を偏見に基づいて評価することなく、謙虚にこれを受け止め、科学的に分析、判断、検討され、利用されたい。
上記検討会において、日本弁護士連合会が行ったアンケート調査に関して、「分析された方は、ご存じのとおり、弁護士報酬の敗訴者負担制度導入に反対の立場である。日本弁護士連合会も敗訴者負担制度の導入に反対している。反対の立場の方が反対の立場の学者に書いてもらったものであるという留保をした上での調査の結果である。」という趣旨の発言が高橋座長よりなされている。
弁護士報酬の敗訴者負担制度は、市民の裁判所へのアクセスに重大な影響を及ぼすものであり、国民的関心も高い課題である。この制度に関する議論は、裁判の実情や市民の意識等を十分に踏まえた上で慎重に検討されるべきであり、客観的調査資料や裁判の利用者の声は検討会の議論の上で重要な資料として取り扱われるべきである。前記アンケート調査は、厳密な学術的方法に基づいて行われたものであって、その結果は調査を行った主体の意思により動かされるようなものでは絶対にない。また、他に類似の調査が存しないことに鑑みれば、上記の調査結果自体は敗訴者負担問題を検討する上において極めて重要な資料とされるべきものである。
しかるに、前記発言は、専門家により行われたアンケート調査の手法、内容について議論することなく、科学的な根拠のないいわゆるレッテル張りをして、調査結果を軽んじせしめようとするものである。かかる姿勢は、事実に科学的に向き合う姿勢とは無縁のものである。
検討会では、このような偏見に基づく議事運営の行われることのないよう要望する。
3 特に高橋座長に対し、公正な議事運営を行うことを要望する。
高橋座長は、この問題について、明らかに推進論に立っている(ジュリスト1112号)。私たちはそのような主張をもつ方が座長の地位につくこと自体を問題とするものではない。しかし座長は、その地位にある以上、自らの主張を優先することなく公正な議事運営を行うことが求められる。残念ながら、これまでの高橋座長の議事運営は、座長として期待される役割を十分に果たしているとは評し得ない。
高橋座長に対しては、特に、公正な議事運営に努められることを強く要望する。
以 上