☆関根幹雄・日弁連宛要望書(平成12年12月13日)

ー弁護士報酬の原則的敗訴者負担制度についてー

 拝啓 初冬の候、日弁連久保井会長・副会長各位並びに日弁連理事各位におかれましてはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。

 さて、司法制度改革審議会の中間報告が11月20日発表され、その中で「弁護士報酬の原則的敗訴者負担制度」の導入を裁判所へのアクセス拡大の方策の1つとして提案していますが、日弁連の司法制度改革審議会への2000年10月19日付「弁護士報酬の敗訴者原則負担に関する決議について」の要望書にも述べられているとおり、この制度が導入されるならば、消費者訴訟、公害訴訟政策形成訴訟などだけでなく、一般事件を含め、経済的・社会的弱者の強者に対する訴訟は著しく制限されることになるのは必然であります。なぜ、このような制度が日弁連の反対にもかかわらず、司法改革と称して提言されるに至ったのでしょうか。深い失望感があります。

 日弁連は司法改革の大きな柱として法曹一元や陪審制度の導入を強く求め、その運動を展開していますが、仮に法曹一元や陪審制が実現されても、「弁護士報酬の原則的敗訴者負担制度」が導入された場合には、訴訟そのものが提起できなくなり、これらの制度が意味のないものとなってしまいます。「弁護士報酬の原則的敗訴者負担制度」の導入は司法改革どころか司法改悪そのものであります。現状においては、この問題に対する日弁連の取り組みは極めて遅れていると思います。日弁連は司法制度改革審議会の最終報告に向けて「弁護士報酬の原則的敗訴者負担制度」の導入阻止のために単なる決議にとどめることなく、その先頭に立ち、全力で活動されることを強く要望申し上げる次第です。私も関係している消費者団体や市民団体に、あらゆる機会にこの制度の導入阻止が法曹一元や陪審制の導入とともに、今後の司法改革運動の最重要課題であることを強く訴えていく所存であります。

 以上ご要望申し上げます。