出雲市教育委員会での意見陳述
      
         「農薬空中散布により健康被害を受けている子どもたちへの配慮を求める請願」

出雲市は毎年、6月に市内の山林や公園で松枯れのための農薬空中散布を実施しています。農薬は
スミチオンで通常、畑に散布されるときには、1000倍に薄めてつかわれますが、この場合は、18倍と
高濃度で散布されます。

平成13年度、出雲市農林振興課が、高浜、神西、神門地区を対象に行ったアンケートでは、76世帯
の内4人の方が目の痛み、頭痛、吐き気などの健康被害にあわれたことがわかっています。

他に、ひどい症状がでるために、散布の間、1週間ずつ市外に避難しておられる方もおられますが、
この中には、含まれていません。今年の散布では、目の症状がひどくなり、高校を早退した、生徒さんも
いらっしゃいます。
このように、健康被害を訴える方がいるため、県内8市の内、現在も実施しているのは、
平田市と出雲市だけになりました。

とくに、最近、化学物質過敏症の研究がすすみ、ごく微量の農薬などの化学物質でもひどい症状がでる
ことがわかってから、行政側も化学物質に対する対策をとらなければ、ならないということで文部科学省
では、 シックスクール対策に国費の補助をする方針をこの8月に決めています。この9月には、農林水
産省が、公共施設や住宅地に近接する場所おける病害虫の防除については、極力、農薬散布以外の
方法をとるべきことなどの通知を出しています。

島根県教育委員会保健体育課でもこのことを重要視し、化学物質過敏症の周知や農薬空中散布での
子供向けの文書を各教育委員会に配布するなどの対策をとっていただいています。

また昨年は島根県森林整備課にお願いし、県内の農薬空中散布の区域から子どもの施設までの距離を
調べていただき、さらに今年度は、隣接市町村の実施区域からの距離も調べていただきました。高浜小
学校付近で毎年目の痛みなどの症状が出る方がいらっしゃいますが、高浜小学校では出雲市の散布区
域からは、600メートル、大社町の実施区域からは、700メートル、平田市の実施区域からは、1500メ
ートルとなっています。民間団体の農薬空中散布の飛散調査では2キロメートルのところで農薬が検出さ
れたというデータもありますので、3重に農薬被爆を受けている可能性もあります。

高浜小学校のアレルギーの児童の保護者の方は、大社町、出雲市の農薬空散から1週間は、車で送り
迎えをし、戸外での体育などの授業は休ませるなど気を使わなければなりませんでした。幸い、プール開
きなどの日程は学校の理解を得、変更するなどの対策はとられたものの、農薬がプールに混入すること
など考えれば、ビニールシートなどでプールにふたをするなどの対策をとっていただきたかったと思います。
校長先生にお聞きしたところ、予算の関係で今年は間に合わなかったとおっしゃっていました。

現在、玉湯町では農薬空散は中止されていますが、10年前実施されていたときには   空散当日は
10時登校(散布終了を待って登校するため)屋外での体育の授業等は当日に限り中止、空散終了後
プールの水の入れ替え(93年)2回目の空散の終了を待ってプール水を貯め始める(94年)幼稚園、
保育園の砂場にシートなどの対策をとっておられます。玉湯小学校、玉湯幼稚園は散布区域より500
メートル、保育園は800メートルの距離でした。

94年に2回目の散布が当日中止になり95年より完全中止となっています。

スミチオンは塩素と結合するとスミオキソンに変化し毒性が強まります。塩素消毒のしてあるプールは
さらに危険がますと思われます。
どうか、子どもたちのために対策をとっていただきますようお願い申し上げます。

なお資料3は、化学物質過敏症の周知を求める申し入れを私たちの団体提出させていただいたときの
文書です。化学物質過敏症はアメリカでは10人にひとり、日本では、20人にひとりといわれています。
この申し入れ書は、私の友人で化学物質過敏症の当事者が書いたものです。