2002年5月8日
4月18日に載せました申し入れ書についての回答が出雲市から返ってきました。以下の通りです。
青色は、私の説明です。
1.住民の健康被害を防止するため、空中散布の範囲を縮小して下さい。
【回答】4月18日開催の森林病害虫等防除地区連絡会議において決定させていただきましたとおり396.61haを
実施したします。
4月18日開催の森林病害虫等防除地区連絡会議では、1名(倉塚)をのぞいて空散に賛成している地元の方々しか
出席(案内)がなかったのでほぼ、全員の方の賛成を得られ、空中散布を実施することになりました。
2.これまでに健康被害にあわれた方に対して、具体的な配慮を求めます。
【回答】平成13年度にアンケート調査を実施し、回答を得た中で4名の方が「空中散布後、何らかの体調の変化を感じた」との回答がありました。しかし、当日の所在場所や空中散布との因果関係等が不明でありますので、今後、面会し状況を確認いたします。また、今年度の実施に際しましても、注意事項を説明しつつ、4名の方の状況をフォローアップ
していきます。
素人の市役所職員が面会して、因果関係をどう調査していくのか不明です。当日の所在場所などは、対策協議会の前に調査して、説明するべきでした。記名式のアンケートに勇気を出して被害にあったと報告してくれた人々に対して
不誠実な対応と言わざるを得ません。
3.健康被害の実態を把握するために、空中散布後、できるだけ早い時期に、散布区域周辺の全地域で健康調査を実施して下さい。
【回答】散布日時、区域、注意事項等記載した、チラシ配布、ホームページや週報掲載、JA情報いずも、ケーブルビジョンによる放送等を通じ、空中散布が原因と思われる体の不調が起きた場合、直ちに市農林振興課まで連絡していただくよう周知徹底を図るとともに、全住民に喚起し、問題事例の把握に努めます。
専門医がいない状態では、農林振興課へ連絡をしたところで、因果関係がどうのこうのと疑われるばかりで、
余計に具合が悪くなるでしょう。問題事例の把握は、全地区でアンケートを実施することが必要です。
また、すでに、自己負担で市外に避難している人にはどう対応するのでしょうか。
2002年4月19日
昨日の協議会で、森林の専門家として出雲市がよんでいる横浜国大名誉教授の宮脇先生の名前が
出たとき、市長は、「宮脇先生も山の上の方は、空散で守るしかないと言っておられる」と言いました。
私は、「ええっ」と思いました。なぜなら、出雲市での講演会のとき、宮脇先生は、「自分は、ドイツで学んでいるときに
自然の森を薬剤で制することはできないと厳しく教えられた」と話されたことがあったからです。
私は、防災についても聞いてみたかったので、先生が所長をしておられる国際生態学センターに電話をしてみました。
外出中の先生にすぐに取り次いでいただき、お話をすることができました。
私「先生は、出雲市長と親しくしておられるので大変聞きにくいのですが、市長から先生が山の上の松は、空中散布で守るしかないと言われたと聞きましたが、どうだったのでしょうか。」
「・・・」先生の言葉が、かえってこなかったので、私「いえ、私は、先生を問いつめるつもりは、ありませんので、この点
についてお答えは、いただかなくてもいいので、、、、。では、防災についてお聞きしていいでしょうか。」
先生「私は、そういうことを言った記憶は、ありません。」私「そうですか。では、防災についてですが、地元の方々や
市長は、防災のために松がかれては困るということでしたが。」先生「防災に針葉樹は、適しません。なぜなら針葉樹は
葉っぱに水を含みませんし、上が枯れたら全部枯れてしまうからです。広葉樹は、上が枯れてもまた、生えてきますし、
葉っぱが水を含みます。」私「地元の方は、植樹しても鹿にやられてどうしようもないと言っておられますが。」先生「
鹿対策も指導しておきましたよ。」
以上が、先生と私のだいたいのやりとりでした。先生は、去年、植樹したからてっきり、空散の範囲は、狭くなったと
思っておられるようでした。最後に「倉塚さん、頑張って下さい。また、出雲での植樹のときにはお会いしましょう。」
と励ましていただきました。
昨日の協議会では、私ひとりが反対の立場で、地区代表で出ておられる14〜5人の住民(男性でおそらく65歳以上)と、もちろん、市長をはじめ、担当課の職員のすべて賛成の立場でした。市民のリーダーである市長は、
宮脇先生が言ってもいないことまで言ったかのような嘘をつき、担当職員は、宮脇先生より、細かく指導を
受けているはずなのに、何も言わず、高見の見物をし、地元代表は、口々にもっと広い範囲で撒いて
欲しいということのみ主張し続けて終わりました。これが、出雲市の大切なことを決めてきたリーダー達の姿なのだ
と改めて思い知りました。
2002年4月18日
平成14年度出雲市森林病害虫等防除地区連絡協議会が、きょう、開かれ、私も市民団体として参加しました。
今年の農薬空中散布は、天然記念物の鳥が生息しているということで、14.91ヘクタール減った396.61ヘクタールの山や公園で実施されます。平成13年度の空中散布後、高浜、高松、神西の区域で、健康被害などを問うアンケートを出雲市が実施した結果は、下記に載せていますが、4名の方が目の痛み、かゆみ、頭痛、などの健康被害を訴えておられることから、まずは、これについて質問しました。「鳥がいることがわかれば、すぐに中止されるのに、人間は、被害を訴えても何にも変わらないということは人間は、鳥以下ということか。」「戦後、出てきた農薬は、今なお、
こうした形で使用され続け、人体実験をしているようものだ。化学物質過敏症やアレルギーで苦しんでいる方もおられるので配慮を。また、このアンケートで反対を表明しておられる方は、13人ほどだが、これを少数意見として無視してしまうような地域でないことを願っている」
市長「松枯れを防ぐ方法は、今のところ他にないので、やむを得ず実施している。」
賛成住民、アンケートを読みながら、「必ずしもここに書いてあることは、正しくないと思う」
私「ここに書いておられる方は、あなたの区域の方です。地域での話し合いがたりないのではないか。」
賛成住民「空中散布したところは、枯れていない。急峻ながけ地で松が枯れたら土石流などの被害が起こると
考えられる。」
私「いつ枯れるかわからない松をあてにするような防災対策では、命は、守れない。防災は、防災で考えて。」
市長「松枯れと防災は、一緒にかんがえなければならない。では、倉塚さんは、どうしたら山を再生できると思うか。」
私「・・・・」心の中では、(20年以上も空中散布しかしてこなかったお粗末な森林行政の結果、荒れた山を何とかしろといわれてもね)とつぶやいていました。もちろん、いろんな方法は、あるけれど、農薬でしか山を守ってこなかった
人々に何を説明したところで聞く耳は、ないと思いました。何年もかかってだめになった山をきょうあしたで変えろといわれても、、、、。空中散布にかけたお金と時間を森林再生にかけていればこんなことには、ならなかったはずです。
防災対策は、早急に専門家を呼んでするべきだと思いました。全国には、禿げ山もたくさんあり、それの防災のエキスパートもいるはずです。
きょうの対策協議会の話し合いを踏まえて以下のような申し入れをしました。
出雲市長 2002年4月18日 西尾 理弘様 出雲くらしといのちのネットワーク 代表 倉塚 香織 出雲市塩冶町2076 TEL&FAX 0853-20-2533 松枯れ対策の農薬空中散布の実施における 住民の健康被害防止に関する申し入れ 今年度も松枯れ対策のための農薬空中散布が実施されることになりました。 毎年、この事業によって健康被害を訴える散布区域周辺の方々が、おられます。 特に今年度は、出雲市がアンケート調査をした、高浜、神西、高松の区域から 4人の方が、頭痛、吐き気などの症状が出たとして、アンケートに記入しておられます。 昨年度の北山区域では、アンケートの時期が遅かったにもかかわらず、 1人の人が、健康被害にあっておられることが判っています。 この状況を改善するために以下のことを申し入れます。 1.住民の健康被害を防止するため、空中散布の範囲を縮小して下さい。 2.これまでに健康被害にあわれた方に対して、具体的な配慮を求めます。 3.健康被害の実態を把握するために、空中散布実施後、できるだけ早い 時期に、散布区域周辺の全地域で健康調査を実施して下さい。 *なお、この申し入れについての回答は、文書で10日以内にお願いします。 |
平成13年松くい虫防除空中散布にかかるアンケート調査結果 出雲市農林振興課の調査
(調査対象地区:高浜・神西・神門地区のうち143世帯)
アンケート回収率 回収76世帯 53% 未回収67世帯 47%
問1.空中散布後体調に変化を感じましたか。
感じなかった 81%(62人)
感じた 5%(4人)
不在だった 7%(5人)
無回答 7%(5人)
問2.問1で感じた方の症状
目の痛み・かゆみ 3人 頭痛 1人 吐き気・めまい 1人
倦怠感 1人 腹痛・下痢 1人 倦怠感 1人
その他 2人(喘息、口の苦み、胸の締め付け感など)
問3.問1で感じた方は、その後どのような措置をとられましたか。
戸を閉め切って外に出ない。マスクやうがいをする。原因不明のため数々のお茶を服用している。
原因不明だが、当時、皮膚科で薬をもらった
問4.空中散布実施について
賛成 53% 反対 17% わからない 26% 無回答 4%
問5.「問4・わからない」の中の意見
空中散布の時には、洗濯物も干さず、畑のものも食べていない。他に防除方法がなければ仕方がない。
自然保護のためには、仕方がないが、身体の不調を訴える人が多ければ中止するべき
今は、害がないかもしれないが、将来は、どうなるのか?松のためにはよいのだろうが、
人間のためには、どうか。
山を持っている人が枯れた松を切らないので働きかけて欲しい。
被害の方が多いと思う。効果や結果が出なければ他の方法を考えて欲しい。
山だけでなく、里の松にも対策をして欲しい。
今まで実施されてきたがあまり効果がないように思う。
これだけ民家近くの松が枯れるなら松は、もう駄目だと思う。すこしづつでも他の木にすればよい。
本当に防除になるのか。あまり効いていないように思う。人体に害があることは、やめて欲しい。
山の空中散布で里に松くい虫が降りてくるように思う。
「問4・無回答」中の意見
住民の健康に気をつけて欲しい。
「問5・賛成」中の意見
松くい虫に強い松苗を開発中とか。空中散布で文句のでない世の中に。北山の美しい松林を
夢見ている。
自分の家の築地松も毎年、枯れている。早急に手を打ってもらいたい。
空中散布実施区域と未実施区域の被害差を公表されては、どうか。
近年、自分の地区は、空中散布が中止になり、松がみられなくなった
松枯れの現状から空中散布もやむを得ない。実施は、地区の実状把握と声に耳を傾け、環境配慮
を望む。
最近は、民家近くを空中散布しなくなったため家の裏山が枯れる。松枯れを止めたい。
市有林外の隣接する山林も実施して欲しい。
松林を保護するため空中散布は、必要と思う。
近年は、家の近くを防除しなくなった。大風の日などは、危ない。ぜひとも家の近くまで
防除してもらいたい。
松くい虫防除の効果は、林野庁に問い合わせた。研究・試験を続けているとの回答。
早く元の緑にして欲しい。
もっと拡大してやるべきだ。
平成町周辺の被害は、甚大なので伐倒駆除して欲しい。人家近くへ空中散布が必要。
無人リモコンヘリ使用等。
もっと広範囲に実施して欲しい。
空中散布の未実施区域では被害が多い。今まで通り実施して緑の山を残したい。
空中散布後の各河川の散布薬濃度を調査して欲しい。
もっと家の近くまで散布して欲しい。
「問4・反対」中の意見
松くい虫の原因がはっきりしていない。
生態系を壊す。空中散布の費用は、被害木の処理費用にあてるべき。
効果がないように思う。実施されているのに北山は、茶色にかわっている。虫に有害なものは、
人にも有害なのでは。
毎年実施されても北山一帯の若い松までが、大量に枯死状態。人家の大木も枯死。他に良案が
あれば検討を。
松枯れの原因もよく判らないまま20年以上も空中散布されたのに北山は、見られない状態。
アレルギーの人は、とてもつらい。
山も畑も薬漬け。環境問題等でいろいろ言われている中、もっと少数意見に耳を傾けて欲しい。
い
2001年11月22日
きょうの夕方、市の農林振興課から電話がありました。明日の森林への植樹の準備を
しておられるようで、すぐにそれの指導をしておられる横浜国立大の名誉教授の宮脇先生が
電話口に出られました。
薬剤散布でない方法で森林を再生させるために、明日植樹をするので、是非、これまで
市民運動をしてきた私にも参加して欲しいということでした。宮脇先生が直接お電話下さった
ということで大変恐縮してしまいました。しかし、残念ながら、明日は、子どもたちを
少年野球教室へ連れていかなければならないので参加できないので断らなければ
なりませんでした。一万本の苗木を植える計画のようで、長い間、クロマツ以外のものに
樹種転換をして欲しいと要望し続けてきた私にとってもうれしいことです。今後は、1日も早く、
農薬の空中散布が中止になるよう願っています。
今年の2月出雲市は、昨年6月に実施した農薬空中散布について、健康状態と
散布について賛否を問うアンケートを実施しました。
そのアンケートの1枚に書かれていたものをご本人の了解を得ましたので
紹介します。
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農薬の雨が降る町 M.M 昨年の秋、大学の同窓会が東京て゛開かれ、その席上、来年は、大挙して憧れの地 出雲へ出かけたいという提案があり、そのように可決した。期日を決める段階で6月案 が出た。6月は、松枯れ防止のためのスミチオンという農薬の空中散布があるので だめだと言ったら、皆怪訝な顔をした。「これだけ環境問題が論じられるように なったのに、まだ市街地の近くで空から農薬を撒いている地域があるのか」という のが皆の発言の大要であった。 本当にスミチオンの空散で山の松枯れが防げるなら、何年間は、我慢してもいい くらいの気持ちが以前は、あった。しかし、松枯れの原因は、松食い虫のせいだと 言うことで、空散が始まってもう20年にもなるのに、治まるどころか、どんどん 広がって、ついには、松が全滅したような地域が全国的に随分あるではないか。 近いところでは、山陽や石見部の海外沿いの低い広大な山々がそうである。 仁摩町では何年も前のことだが、町長の提案で人家に影響のない島で実験的に スミチオン散布を行い、松枯れを防げなかったので環境汚染と薬害を心配して空散を 取りやめた。 最近、松江の話であるが、ある市民が「松枯れがひどくなったので空散をしてくれ」と 言ったのに対して「そんな野蛮なことは、私にはできない」と市長は、おっしゃった そうだ。 幼児のアレルギー症状などが深刻な問題になってきていることなど考えると、ともに リーダーとしてふさわしい勇気ある決断である。 この出雲の北山沿いの地方も以前から松枯れの被害を受けているが、車の通行量が 激増し、しかも平均気温が高くなったこの数年、人家や車道に近くしかも低い山 南側部分は、急に多くの松が枯れ始めた。ところがその後ろに高く連なる山の松林は、 ほとんど枯れていない。前の方の山は、空散しないから枯れる、奥の山は、空散して いるから枯れないという説明で市は、空散を正当化し、一部の山持ちさんもそう言う 理由で空散を要求している。 しかし、山の高さ、平均気温、気象条件、地形や土質、排気ガス等の影響を受ける 程度、間伐等の手入れがしてあるかどうかなど、様々の違いを全く無視しての要求 或いは説明は、無知暴論としか言いよう がない。おなじような条件のところで 比較してはじめて効果があるかどうかが言える。 自然の変化は、計り知れない色々な原因が絡まりあって起こる。松枯れの原因も 各種複合汚染の結果だと誰もが思うようになってきている。今の日本で幹線道路や 工場に近い山の松枯れを防ぐ方法を見つけたらまさにノーベル賞ものだ。 山の松が枯れることは、山崩れにつながる。山は、守らなければならない。 しかしその方法は、山の手入れをして山を蘇らせると言う方向でなければならない。 昔の山は、美しかった。今は、林の中は、藪かガラ場になっている。 先般、「北山をどうするか」ということで指導を受けた横浜国立大学の 宮脇名誉教授も「防災と環境保全のために緑の復元は、是非必要だが、 その土地の主役になる木、つまり、北山では、シイ、タブ、カシの混植をすべきだ」 とおっしゃっている。空散を続けよとは一言もおっしゃっていない。 島根医大、県立病院、看護短大を有し、健康と福祉をスローガンに掲げながら、 今もなお 山の上から農薬の雨をふらしている。蛍もいない。メダカも勿論いない。 なんと情けなく 恥ずかしい話ではないか。 |