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第7回健康被害原因調査会へ

 第7回健康被害原因調査委員会 資料2から(植村委員案)   2008.9.11
    
   
 赤い文字は、植村委員が付け加えられたところ。
    青い文字は、植村委員が削除されたところ。

農薬空中散布

 飛散・気中濃度
    【主な意見】
      ・MCの粒子径から考えると相当遠くまで飛散している。
      ・少なくとも提出された分析結果から0.03μg/m3は検出されている。
    【論点整理の考え方】
      ・気中濃度調査結果では、8箇所で散布当日(5/26)〜6日後(6/1)までの計7回測定し、いずれも
       定量下限値(0.5μg/m3)未満(第1回資料12)
      ・定量下限値は航空防除農薬環境影響評価値10μg/m3の1/200(第4回資料7)であるが、航空防除農薬環境影響評価値は、
       感受性の高い人々は、対象外としており、同評価を健康被害原因究明の判断基準とすることは不適切である。

      ・散布区域近隣(0.1〜2km)で収穫された農作物のフェニトロチオンの残留は、野菜類の9検体(5/27採取)は
       いずれも0.01ppm以下、ブドウの10検体(5/26採取)はいずれも0.005ppm以下(第2回資料12)であるが
       これらは、必ずしも飛散実態を反映するものではなく、飛散していないことを証明するものではない。

      ・散布液全量が風下T,2,4kmの半円方向に均一に飛散分布したとするとウサギ眼刺激性試験投薬量のそれぞれ
       約8千分の1、約3万分の1、約12万分の1.また、距離と発生率に関連性がない(第4回資料8)。

      ・27日(荒茅入口交差点)、28日(妙見橋西詰)及び29日(荒茅入口交差点)において明らかにスミチオンが検出されていること、
       ならびに26日(高松小及び妙見橋西詰)及び28日(浜山中及び荒茅交差点)においてスミチオンに相当ピークが見られることから
       空散区域周辺一帯にスミチオンが飛散していることが伺われる。
      ・農薬空中散布に伴う周辺区域の気中濃度は数時間で数十分の一乃至百分の一程度減少することが知られている。
       得られた気中濃度 測定値は、散布時刻より7時間余り経って採取された試料についてであって被害発生時刻(7時〜8時頃)の
       気中濃度を正しく反映しているとは云えず、10μg/m3オーダーの飛散があったと推測される。

   
 分析方法
    【主な意見】
     ・気中濃度測定にあたってカートリッジからジクロロメタンで溶出できるのか。
     ・0.02μg/m3まで定量できるのでは。
     ・分析感度が悪い。
     ・FDPで測定すればさらに感度よく測定できる。

     【論点整理の考え方】
     ・MC剤を用いた添加回収試験で良好な回収率が得られている(第3回資料1)。
     ・標準品では十分可能であるが、環境資料のマトリクス、試料採取量のばらつきを考慮すれば
      定量限界を統一的に0.05μg/m3とすることも妥当。
    
 ・提出資料(GCチャート)の検討により、少なくとも0.02μg/m3まで定量できることは、明らかである。
      FDPで測定すればさらに精度高く検出できたはずである。

  

 眼刺激性

    【主な意見】
     ・(毒性データ疑問)製剤原液で目に対する刺激性がないというのは到底信じ難い。
    
    【論点整理の考え方】
     ・現内閣府食品安全委員会で毒性評価に用いられた、農水省ガイドラインに準拠したGLP試験による結果。
     ・「スミパイン乳剤およびスミパインMC剤に関する技術レポート」のスミチオン眼刺激性なしとの記載は正しくない。
     ・農水省ガイドラインによる眼刺激性を肉眼で観察する方法は、眼科学的には不適切。

 医師の所見
   第3回資料、第3回議事録
    【主な意見・論点整理の考え方】
     5/26救急外来で45名受診、全般的に軽症例が多く「かゆみ」か「充血」がほとんど。
     アレルギー性結膜炎とは異なる印象。
     5/27眼科外来で16名受診、「かゆみ」、「充血」がほtんど。アレルギー結膜炎以外の症状(なんらかの物理的・化学的な
     刺激による症状)を思料する必要のある症例がある。
   第4回資料6
   ・本人が「空散と関連」と言って25名が受診、そのうち5/26に症状が出た22名について。16名が「目のかゆみ」、2名が
   違和感その他流涙、充血、眼通、1名に頭痛。多く(18名/22名)にアレルギー既往あり。
   アレルギーの確定診断はできていない。
   ・視力低下、縮瞳なく、前眼部以外に異常なし。
 第4回資料5
   ・本人等が「空散と関連」として受診した119名についての所見は、99名(26日に受診)のほとんどが「かゆみ」。
 受診時には症状がないのが大多数。
   ・入院が1名(14歳男、有機リン特有の症状なし)入院直後症状は軽快、翌日退院。
   ・他に1名(13歳女)当日19時に眼の充血主訴に受診、 5/29歳受診、6/2入院、散布と眼の充血との関係不明。

疫学的解析
  第5回資料1及び資料4
   【論点整理の考え方】
     ・一般的には、眼の痒み・充血、喉の痛み、鼻水等の症状は花粉や大気汚染物質等でも発症することが知られているが、これらが
      25日から26日早朝にかけて急に増加しているとの報告はなく、警報が発せられるほどの濃度でもなかったこと、さらに関係地域において
      自動車や工場等の事故に伴う眼や喉、皮膚を刺激する化学物質の放出は報告されていないことから。25日から26日にかけて
      発生した原因として農薬の空中散布以外に考えられない。
    ・原因物質が空中散布された農薬によるとの仮説が、米国公衆衛生局長諮問委員会提案の基準(関連の時間性、関連の強固性、
     関連の特異性、関連の整合性、関連の一致性)を充たしているかどうか検討した結果、全ての基準を充たしており、今回の健康被害は、
     疫学的には、農薬の空中散布が原因であると結論づけられる。)

 
  第6回資料2
   【論点整理の考え方】
  ●関連の一致性(人、場所、時間の関連に普遍性があるか)
   ・長年、出雲市でもスミパインMC空中散布が行われているが、児童生徒のHRでの健康チェック、救急外来では今年以外には
    このような「健康被害は報告されていない。
   ・必ずしも一致していないが、スミパインMC空中散布での同様の報告はある。評価できる科学雑誌で人についてスミパインMCまたは
    有機リン系農薬の 疫学論文はない。
  ●関連の強固性(量ー反応関係が成立するか)
   ・交絡要因であるアレルギー既往がもっとも強いを関連していた。ついで、通学方法(自転車>徒歩>その他)との関連が強かった。
   ・暴露量の指標である距離の二乗については単相関での関連は認められるが、多変量解析では有意に反比例していた(アレルギー疾患
    既往暦のない児童でも同じ結果であった。)。
    散布地に近い浜山中学・大社高校で発症率が高いが、多変量解析では距離の二乗との関連はない。
  ●関連の特異性(原因のある所に結果があり、結果のあるところに原因があるか)
  ・児童・生徒の症状は、科学的刺激症状またはアレルギー症状を呈しており、アレルギー疾患既往のある児童・生徒では
   治療の有無に関わらず症状が強く持続していた。
  ・必ずしも農薬に特異的な障害ではないが、化学物質によるアレルギー毒性がほうこくされているので農薬の関与を否定するものではない。
  ・フェニトロチオンの周辺への飛散は検出限界以下であった。
  ●関連の時間性(原因→結果の順になっているか)
   発症は当日または翌日までで農薬散布との時間性は認められる。
  ●関連の整合性(既知の知識体系と矛盾しないか)
    スミパインMCに用いられている化学物質に粘膜刺激性のある物質(フェニトロチオンおよび助剤)が含まれ、ウサギでの肉眼(検眼鏡?)を
    用いた実験では48時間までの軽度の前眼部の刺激性が認められた(眼科的には十分な検査とは言えない)。また。眼科学的には、
    アレルギー性結膜炎とは異なった病像(好酸球増多を認めない)が含まれていた。