今回、難民認定を申請した七人のうちチャン・キルス君(一七)は以前から韓国でその存在は知られている。キルス君は一九九九年の北朝鮮脱出後から北朝鮮国内の住民生活の惨状を絵に描いており、同年にソウル市内で開かれた国際非政府組織(NGO)大会で自作が展示されたことがある。
韓国の人気誌「週刊朝鮮」の六月二十一日号には、人肉を食べる北朝鮮住民の絵が掲載されるなど、今回の難民申請を示唆する動きがあった。
一方、マスコミ各社も、七人の難民認定申請についていずれもトップニュースとして報じるなど注意深く見守っている。特に北朝鮮からの脱出者の救援活動をする人権保護団体などは、「公式かつ公開で難民認定を申請した限り、中国政府もむげに扱えないだろう」と、期待を込めて見守っている。
韓国政府当局者は個人的見解ながらも、「本人たちが韓国への亡命を希望すれば政府は受け入れねばならない」と語っている。
しかし、金正日総書記の訪韓をはじめとした南北関係改善を切望する韓国の金大中政権としては、今回と同様の申請が続出することに懸念も感じているようだ。南北関係だけでなく、今後の対中国関係への影響も考えられ、対応をめぐっての苦慮が予想される。・