巻頭ページの一言

酒好き


「代表、昨日も飲んだんですか」
「…飲んだ」
「よく飲みますねぇ」
「…飲まないと死んじゃうもん、多分」

コメント

初めてまともに酒を飲んだのは、確か高校2年の夏だった。部の
OBの飲み会に参加させられ、ビールを大瓶で2本ほど飲んだ。
暑い日だったので、美味いと思った。学生服のまま電車で酔っぱ
らって帰った。駅のトイレで吐いた。帰宅したら両親が苦笑してい
た。親父は「大」がつく酒飲みなのでむしろ喜んでいた。

その後、日常的に酒を飲むようになったのは大学二年の秋、実
家を出て学生寮に入寮した時からだと記憶している。この寮は学
内では「アル中養成所」と言われるくらいのところで、何かというと
宴会をしていた。

山形の地方都市だったが、ただでさえ酒飲みの多い土地柄に加
えて飲み屋の料金も安かったので、ほぼ毎夜寮か飲み屋かで酒
を飲んでいた。何しろ国に支払う寄宿料は月間150円(築年数は
当時で20年、つまり私と同い年の鉄筋2階建てだった)、寮の自治
会で炊婦さんを雇用して飯は平日昼と夜食えて、光熱費は頭割
り、とにかく当時15年前で月3万円あれば何とか餓えずに生きて
いけた。

その頃でも苦学してるやつなんかはほとんどいなかったので、仕
送りとバイトで豪勢に暮らせたのだ。ちなみに小遣いは今よりは
多かった…。

入寮当時、隣の部屋には4年生の先輩が住んでいた。4年生の
後期、もう卒論もメドがつき就職も決まっていたこの先輩は、新入
りの私をとにかく毎夜酒に誘ってくれた。あるときは自分の部屋、
あるときは私の部屋、あるときはスナック…。

ハタチそこそこの若造にとって、「スナック」というところは初体験
だった。薄暗い照明の中、おねぇちゃんがサントリーオールド(当
時はまだ高級品だった)の水割りを作ってくれる。この先輩はこの
店のママとできていたというが。思い出の先輩だった。

この先輩は就職後数年して精神を患い、思い出のこの学生寮の
敷地の片隅で首を吊った。合掌。
2001/12/15



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