巻頭ページの一言

ぱちんこ


「まぁた、パチンコですか」
「まぁね…」
「勝ったんですか、そんで」
「8年前に12万勝ったよ…5年前に9万勝った…」

コメント

パチンコをはじめてやったのは、18歳のときだった。

ちょうど今ごろの季節、大学の二次試験のために実家から
100kmほど離れた街を訪れたときだ。

田舎のことなので交通手段も心もとなく、大事をとってその街に
試験日前日、宿泊した。生まれて初めて、一人で外泊。ちょっとド
キドキしていたのを思い出す。宿はさびれた旅館という感じの、今
考えれば「ビジネス旅館」というやつ。

早めにチェックインしてしまい何もすることがない。オフクロが渡し
てくれた金は、交通費と宿泊費を差し引いても当時の私の一ヶ月
の小遣い以上の金額が残る。私は一念発起して、駅前のパチン
コ屋に入った。

早熟な友人からパチンコのやりかたを聞いていたし、叔父貴に子
供のころ連れて行かれたこともあったため、特に戸惑うことなく小
銭を握りしめて台に座る。…ちなみに私は田舎の出でもあり、そ
れに十数年前だし、高校生でパチンコなどというのはとんでもな
い不良しかやらないもんだと思っていた。まぁ、高校も三年生、そ
れも卒業式を待つだけの時期というのは、「もう大人」という気分
だった。それに、これから受験する試験の、「運試し」のつもりだっ
た。

やったのはいわゆる「羽根モノ」というヤツ。盤面の両サイドにあ
る入賞口に玉が入ると中央部の「役モノ」が開き、その一瞬の間
隙をついて役モノ内の入賞口に玉が入れば、300〜500個の玉が
出る、というような、今も根強い人気のある遊べる台。

1000円使ったところで、役モノ内部の入賞口に玉が飛び込む。玉
が増えた。フィーバー機全盛の昨今と違い、この頃の「ドル箱」は
まだ小さかった。たばこを縦に10個並べたくらいの大きさ。コレに
いっぱいになったので、やめようと思ってうろうろ歩いていると店
員のおじさんが親切に説明してくれた。多分、高校生だというの
はわかってたろうな。

結局金は1000円くらい増えた。その金でビールとたばこを買って
旅館に戻り、早々と寝る。

その後、大学には無事合格し、初めてパチンコをして勝った街に
住み始めた。初めてパチンコをした店は、私がその街にいる間
に、閉店してしまった。その後私のパチンコの成績のほうは、今
に至るまで完全に負け越しである。まるで、私の愛する阪神タイ
ガースのように。
2002/02/10



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