「晩鐘」The Angelusは,有名な「落穂拾い」などの農民の生活風景を描き続けた19世紀フランスの農民画家ミレーによる1855〜1857(安政2〜安政4)年頃の油彩作品。バルビゾンの夕暮れのジャガイモ畑で,教会から聞こえてくるアンジェラスの鐘に合わせて農民夫婦がジャガイモ収穫の手を休め祈りを捧げているもの。農民画でありながら信仰心の深さを表現している絵画。”アンジェラス”とは,”エンジェル”,”神の言葉を伝える天使ガブリエル”の意。
「ジャガイモを植える人」Potato Plantersは,1861(文久1)年頃の油絵作品。現在,二つともフランスのオルセー美術館所蔵。農家の夫婦がジャガイモの植付け作業をしている様子を描いています。ミレーは1814(文化11)年フランスノルマンディー地方の農村に生まれ,家族を持ってからバルビゾンに引っ越し,自ら農業をしつつ,農民画を描いていた。引っ越した翌年画いたボストン所蔵のものよりより躍動感があり、彼の納得した作品となった「種をまく人」は山梨県立美術館にあります。自然主義派(バルビゾン派)の多くは風景に力を入れ,人物も風景の一部として描いた。しかし,ミレーは逆で人物を見せ,人物を立体的・効果的に表現するため,順光を避けて逆光とし,背景をあまり強く描き込まないのを特徴としていました。

2.ヴィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh,1853-1890年)
「ジャガイモを食べる人々」The Potato Eatersは,後期印象派に属する画家ゴッボが1885(明治18)年オランダのニューネン在住時に描いた作品。アムステルダムのゴッホ美術館所蔵。画家としてのキャリアの初期の頃の作品です。一日の仕事を終え帽子をかぶったままのまずしい農民が,ランプの下で1つの皿に盛ったジャガイモを食べている風景,つまり,いわゆる「同じ釜の飯を食った仲」を描いたもの。
後日この絵のモデルとなった女性のひとりが妊娠していることが知られました。その父親がゴッホではないか、と疑われたため。ニューネンの牧師はゴッホのモデルになってはダメと勧告したと言う話もあります。
ニューネン在住の期間に制作された作品の作風から,ゴッホの「暗黒の時代」とか「薄闇の時代」などと称されることがあるが,その時代を代表する作品とも言われる。後期の作品の“ひまわり”の感じとは違います。同年,籠に盛られたジャガイモの絵(Basket with potatoes,1885)も画いています。37歳で亡くなるまで,自身を燃焼し尽くすまで描き続け,その主観的,表現的な傾向は,20世紀の表現主義,フォービスム(野獣派)のもっとも影響力の多い原点となったと言われています。
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4.ロベルト・ヴァルトミューラーRobert Warthmuller

5.ウイリアム・ローゼンステインWilliam Rothenstein
イギリスの画家。1917年。「ジャガイモの植え付け」
6.ジョアン・ミロ(カスティーリャ語式の読みではホアン・ミロ)Joan Miro
20世紀のスペインの画家。バルセロナ生まれ、ガウディ、ダリと同じカタルーニャ地方の出身(1893 - 1983)。1917年に「ヌビオラの肖像」、1921年に「スペインの踊り子」、1924-525年に「カタルーニャの農夫の頭」などを残し、彼がけっひんする前年の1928年に「ジャガイモ」を画いた。ミロは人物、鳥などを激しくデフォルメした有機的な形態、原色を基調にした激しい色を使って画き、あふれる生命感などは、古典的・写実的描法を用いることで知られています。1925年の作品で、パイプを吸う人の横顔と黄色い煙をデフォルメして画いた「パイプを吸う男」は富山県立近代美術館に所蔵されています。
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