1、ラーメンすこぶる 美味しい季節
スープぬるくなって さあ大変
コショウをかけたら 味、辛っ!
坊ちゃん 幕府を 作りましょう
2、銅像が出てきて 「よう おやっさん」
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[どんぐりころころの曲に合わせて]
第一部 音楽は世界を変える
「どうでしょうか?」
部屋には自分と、この会社の偉い(らしい)男性の二人きり。
偉い(らしい)おじさんは私の書いた歌を見ながら、しきりに感心しているようだ。
「どうもこうも、・・・何これ?」
私には言っている意味が良く解らなかった、このおやじ・・・言語障害でもあるのだろうか。
「え?歌・・・です。私が作詞しました。」
「これで、君、CD出そうとしてるの?え?これで?」
「はい、デビューシングルになりますね。」
「なりますね・・・じゃないでしょうー、常識的に言ってこんなの売れないの、判らないの?」
「大丈夫でしょう。例の入れ替わり立ち代りの激しいアイドルグループだってこの程度であのくらいです。」
「あのねぇ、・・・まぁ君は顔もキレイだし、スタイルも悪くない、けどねぇ、歌じゃなくてもグラビアならいけそうじゃない?」
「私が目指しているのはそんなのじゃありませんよ。うたたね ひかるや、おくだた みお みたいなロックです、ロックバンドです。」
「・・はぁ・・そもそもその人たちロックじゃないでしょう、おまけにバンドですらない、君、君以外のバンドメンバー決まっているのかね。」
「要らないでしょう。どうせTVで映るのはボーカルばっかりです。」
「あのねぇ、・・音楽というのはねぇ・・〈中略・もっともらしいことを言っている〉・・・というわけで、君にCDを出させるわけにはいかんのよ、わかる?君みたいなトンチンカンはこの世界じゃやっていけないの!!」
どうやらこのハゲは私を採用する気は無いらしい。となるとこんな所にもはや用は無い、ハゲと二人で同じ部屋に入れられるなんてこれ以上耐えられない、不味い青汁を「不味い、不味い」と言いながら飲むようなものだ、愚かである。
「分かりました。帰ります。後でほえ面かきやがれ、ハゲ」
冷静に言い放ち、私は部屋を出た。ハゲはというと、顔を赤くして何やら言葉になっていない言葉を怒鳴っていた。
ちょっと言い過ぎたかもしれないが彼にとって今後、これがプラスになってくれれば幸いである。まぁ、私にはもはや関係ない。
私は町へ出た。正直言うとハゲの言いたいことも分からないことは無い、一人でバンドをするというのも少し甘い考えに思える。
噂によると、バンドには「ボーカル」の他に「ギター」「ベース」「ドラム」等の役割がいれば丁度良いらしい。
しかし、丁度良いくらいで満足してたらビッグにはなれない、と、どこかの書物で読んだ記憶がある。〈本〉と言わず〈書持〉や〈文献〉というと頭が良さそうに思える。
まぁここは、「クラリネット」あたりも加えたいものだ、父親から貰った物であれば丁度いいし、多少なら壊れていても構わない。愛嬌(あいきょう)だ。
「ドとレとミとファとソとラトシの音が出ない」くらいでも丁度良い。
『何の音が出るねん!』などとつっこむくらいの人がいれば最高だ、その存在だけでお腹一杯だ。
これで決まりだ。ボーカル・ギター・ベース・ドラム・クラリネット・そしてツッコミ。六人バンドだ。
ゲームセンターに到着した。ゲームの音がやたらウルサイ。長時間居ると気が狂いそうだ。
余談になるが、私はこれといって普段ゲームはしないが、『いつでもどこでもいっしょだよ』というゲームが大好きだ。
愛くるしい猫が人間の言葉を覚えていく、というものだ。私が教えた恥ずかしい言葉の数々をちゃくちゃくと覚えていき、笑顔でそれらを繰り返す姿を見るだけで、私はご飯が二杯はいける。
さて、『太鼓の鉄人』というゲームがあった。リズム通りに太鼓を叩くという遊びらしい、和太鼓にそぐわない曲の数々が私を圧倒する。誰だ、松○あやと和太鼓を組み合わせることを思いついた輩は。
今プレイしているのは六歳くらいの少年であった。
側に母親がおり、パカーと口をあけて、興味なさそうに見ている。皆、一歩下がれ、ビームが飛んでくるぞ。
私は近づき、そして言った。
「奥さん、息子さんを頂きたいのですが。」
婦人はハァ?といった顔で答えた。
「ハァ?」
隣で汗と鼻水を流しながらバチを振るやや興奮気味の息子。
ポカーンとしている婦人。
美しい私。
これは他人から見たら『三角関係』以外の何ものでもないだろう。
「実はですね・・・〈中略〉・・・ということなんですよ。」
「そうなんですか、その頭の薄いお方はダメですね。」
「ええ、ダメです。」
「でも、申し訳ないのですがうちの子は毎日塾に通っておりまして、そういうことをやらせる時間は無いんですよ。」
「そうですか、塾だと仕方ないですね。では、奥さんでも構いません、うちのドラムを担当して頂けませんか?」
「え!?私ですか・・・?ぇぇと、私もこれより帰って夕食の準備がありまして・・・。」
「それはなりません。塾帰りの息子さんには、コンビニ弁当を買ってレンジでチンする姿が非常にお似合いです。」
「そ、そんな、酷い。しょ、正直に言いますとね、私バンドというのもにはこれっぽっちも興味がございませんの、そういう歳でも柄でもないですしね。」
勝手に自己完結してしまっている。仕方が無い。少々強引だが、言葉づくで入れてしまおう。
「なんだっていいです。私のバンドのドラムをやってください。」
「嫌です。そんなにしつこいと、そろそろ警察を呼びますよ?」
でた、最近の婦人はこういえば全て済むと思っている、警察も因果な職業である。
「呼べるもんなら呼べばいい、呼んだ瞬間私は逃げる、あなたはやってきた警察官と二人で気まずい思いをすればいい。」
「お・・・大声出しますよ?!」
「出して御覧なさい。私はあなたが声を出す前にあなたの口を塞ぐ。」
「・・・・!!・・フフ、完敗です。分かりました。やりましょう、バンド。」
良し。一人目。