〜前回までのあらすじ〜
時は西暦200x年、昭和から平成に変わり、、、まあ色々あった。 そんな中ロックバンドで名を挙げることを志す一人の女。 幾多の困難を乗り越え、いまやメンバーは三人。そして、今婦人警官に 声をかけられるという場面。
では、本編をどうぞ
「そうなんですか、そのハゲだめね」 「ええ、てんでだめです」 「そうねぇ、じゃあこういうのはどうかしら・・・『かき集めたーズ』」 「かき集めたーズ・・・・・」 いきなり何を言うかと思えばこの婦警、メンバーの一員でもないくせにさりげなく話題にはいってきたからビックリだ。 しかし、かき集めたーズとは、なかなか言い得ており、しっくりくる。 「なかなかいいんじゃない?」 婦人が賛成する。 「んだ」 田舎男も賛成する。たった二文字で賛成の意を表現出来るとは、恐るべし東北。 というわけで、見ず知らずのメンバーですらない婦警にバンド名を決められてしまった。 その時、ちゃーっちゃちゃーっちゃちゃちゃちゃちゃーーーてっどっ♪ いわゆる着メロ。私のではないな。 婦人「私のポケベルじゃないわ」 ポケベルかよ! 田舎「オレァケイタイデンワ持って無いっぺや」 持てよ 婦警「あ、ごめんなさい私です」 お前かよ、しかもキテレツの発明が完成した時の音楽。 「あ、はい。もしもし、あぁーはい、こっちはなんか勘違いだったそうです。一件落着 なようですね、ははは・・え?もう一件?ゲームセンターで迷子?はい・・・はい・・ 六歳くらいの男の子。太鼓のゲームの所で・・はい。全く母親は何をしてるんですか ね、腹立たしいですよ。はい・・分かりました。今から向かいます。」 「お仕事、大変ですねえ」 婦人(子持ち)がしみじみと言う。 「ハハ、そうなんですよぉ、面倒がたえなくて。」 「今度は迷子けぇ?」 「ええ、全く親の顔が見てみたいですよ。」 「本当になぁ、きっとアホ面だべ!!」 「「あはははは、そうよそうよ」」 私を除いた三人は変な盛り上がりを見せてくれた。しかも内一人は相当なアホ面である ようだ、自他共に認めている。もはや私は何も言うまい。 「では、私は仕事に戻りますね」 婦警はそう言うと、迷子のいるゲームセンターにむかった。 再び三人に戻った私たちは、次なる目的「ベーシスト」を探すべく、喫茶店に入った。 一休みしているベーシストをスカウトしましょう、という婦人のアイデアである。 多分ただ疲れたから休みたいだけだと思われる。 カランカランという心地よい音と共に扉は開いた。 客はおおよそ10人か、それ前後。上手いことベースを弾ける者がいればいいのだが・・・ 「ご注文はおきまりですか?」 私はコーヒー、田舎男はイチゴパフェ、婦人はチキンピラフのスープサラダセットをそれぞれ注文した。 かしこまりましたと言い、店員がいなくなると世間話タイムの始まりだ。 「私はねえ、家庭を第一に考えて上手くやりくりしてる!欲が無くて偉い!って いつも主人に誉められるんですよ、ホホホ。」 「へえ、そうなんですかあ」 残念ながら婦人の話は面白さのカケラも見出せない、しかも三人の中で 一番高いものを注文しておいて家庭第一も無いもんだ。 どうでもいいが息子を思い出してやれ。 「ガハハハ、奥さんは偉いねえ。オラァ今日はサイフ忘れてきちったべさぁ。」 もはや救いようも無い。誰がイチゴパフェの代金を払うというのか、誰かこの陽気なア ホをゲームセンターにいる婦人警官の所へ連れて行ってくれないか。 注文の品は続々と来て、皆思い思いの内に飲食を始めた。 しかし、とてもうまそうにイチゴパフェを食べる田舎男は、もはや 情状酌量の余地も無い。 一息ついた所で、私は店内に向かって声を張り上げた。 「お客様の中で、どなたかベースを弾ける方いませんか!??」 10人ほどいる客の中で、手を挙げてくれたものは、7人であった。 よく分からないが異様に多い。かえってここまで多いと不安である。 そして何故か、すでにメンバーである婦人も手を挙げている、恐らく 『皆挙げているから自分も(以下略)』的な考えだろう。更に不安が 募る。何にせよ絞り込む必要がある。 「で、では、その中で、自分はとても上手である、尚且つ私のバンド に入ってくれるという方はおりますか?」 6人であった・・・しかしその中には婦人も含まれている。もう勘弁 して欲しい。が、5人もいる、何と言う喫茶店だろう。 「ベースっつってもよお、おめーら、野球の一塁ベースどがじゃねぇがんな??」 田舎男は、自分はバカですよ的発言をした。もはやギャグとも取れない。 そしてびっくりしたのは、その質問で手が二本下りたことだった。 10人中2名が野球の一塁ベースと間違えたのだ。 そもそも一塁ベースをどう『弾く』のだ。とても不安である。 残り3名、これでもたいそうな数である。 「もっかい言うげどよぉ、野球じゃねえがんな?ガハハハハ」 頼む、ちょっと君しゃべらないでくれたまへ・・・ 手が一本下りる。 お、おい、どんだけ話を聞かない分からずやなんだ。呆れてきた。 もうどうでも良くなった私は残り2名の内、ジャンケンで決めてもらった。 結局一人の女性に決定した。 続く