@端材の利用(その1)

木工をやっていると、どうしても半端な材料が大量に発生してしまいます。
なんとか上手に利用できないかと考えた作品(非売品)を紹介してみます。
どちらでも、宅配などの受け取り用にハンコを玄関に置いているようです。
今回はこれを作ってみました。パイン材をバンドソーで二つ割にして蓋と
本体にします。
左下の写真でわかるように印鑑ケースとハンコが入る穴を彫ります。
穴彫りは治具を使ってトリマーで彫ります。
写真の印鑑ケースは100円ショップで調達しました。
蝶番は竹ヒゴのピンを使って作ります。
親族・お客様へのお歳暮(お年賀)用に使いました。

押印セット(幅×奥行×高=14.5×8.5×3.2cm、ウレタン系塗装)

 

A端材の利用(その2)

前回の押印セットに引き続き、端材の利用第2弾です。
今回は、コースターとも茶托ともつかないもの?の製作です。
バンドソーで真四角に切断したパイン材料を木工旋盤で円形に彫り込んで
塗装しただけです。材料の木目や節などが結構アクセントになりました。


コースター

(幅×奥行×高=8.5×8.5×1.8cm、
ウレタン系塗装)

旋盤で表面彫りこみ→

塗装終了

 

B新工具(スピンドルサンダー)の導入


当工房では部材の平面部あるいは凸部の研磨は、通常の電動サンダーで行ない、凹部の場合は、サンドペーパーを円形の棒に巻きつけたものを用いて、ひたすら手作業で磨いておりました。
最近、体力の衰えが感じられるとともに、研磨断面の直角度が手作業では確保できないため、仕上がりのシャープさが失われる...などの理由から、新兵器を導入することにしました。研磨方法は、ヤスリが巻きつけてある回転するスピンドルに部材を押し付けることになりますが、この機種ではスピンドルが回転するだけでなく、同時に上下運動を行ないます。その効果かどうかは定かではありませんが研磨面は大変きれいです。またヤスリの磨耗に関してもこの方式は有利ではないかと思われます。
しかし、なによりも作業が楽なのが一番!なのです。


写真1

オシレイティング
スピンドルサンダー
全景


全幅=46cm
全高=40cm
奥行=45cm


写真2

研磨作業状況




 

C机と椅子の高さ

木工を生業にしているものが必ず作るものといえば、机(テーブル)と椅子(スツールも含む)ではないでしょうか?
この机と椅子の高さについてはなかなか悩ましい問題があります。それは使っていただく方の身体寸法が千差万別な上に、個人的な好みや使い方にもそれぞれ個性があるからです。これを解決するためには、
製作前にいろいろな高さの組合せを実際に試して頂いて選択するのが一番と思われます。
ここでは、そういうケースを除き一般的な高さの設定法についてご紹介いたします。
例えば、
小国木材加工研究所のホームページに紹介されているテーブルと椅子の高さの関係式では、次のものがあります。

@式

SH=Hh × 0.26
TH=Hh × 0.4

Hh=身長
TH=テーブル高
SH=
椅子のシート高

A式

SH=Hh ÷ 4 →→→→→→→=Hh × 0.25
THとSHの差(S)=Hh ÷ 6
TH=SH + S →→→→→→→=Hh × 0.417
注)アンダーライン部は、私が勝手に計算追加

私も不勉強でこれらの式の由来などは把握しておりませんが、今までの経験から、かなり妥当なもので目安としては十分と思われます。
他に公的な基準値のようなものとして、学校で用いる机と椅子についての
JIS規定が挙げられます。
このJISには学校家具の強度やその試験法さらには寸法などについて、詳細に規定されています。身長〜椅子の高さ〜机の高さの関係だけを抜粋すると下の表になります。

身長(cm) 90 105 120 135 150 165 180
椅子の高さ(cm) 22 26 30 34 38 42 46
机の高さ(cm) 40 48 52 58 64 70 76

これらを、一緒くたにグラフに書き込むと以下の通り。

ところで、これらの関係式は、日本人向けでしょうか?それとも外人の標準でしょうか?はたまた靴は履いているのが標準でしょうか?など色々疑問は湧いてきます。
これらについては、秋岡芳夫先生の著書(新版”木のある生活”TBSブリタニカ)を参考になさってください。ちなみに、当工房で製作している子供テーブルと子供椅子、カントリーテーブルとカントリースツールの高さは次のとおりです。

子供椅子 18cm
子供テーブル 31cm
カントリースツール 40cm
カントリー組立テーブル 70cm

これらのうち、カントリーテーブル&スツールを上のグラフにあてはめると、若干標準より、胴長短足気味かもしれません。
小生が快適に感ずる高さを設定していることに原因しているのか!?

 

D電動工具・機械の集塵

当工房は手づくりと銘打っているものの、すべてを手作業でやっている訳ではありません。最低限の設備(工房の紹介欄を参照下さい)を使用して木工作業を行なっています。
これらを使う時に頭が痛いのは集塵です。色々な人が色々工夫をなさっているようですが、あまり金をかけないでそこそこ効果のある方法であると思われる当工房での例を紹介いたします。
集塵装置の要である集塵機は1万円に満たないごく普通のパワークリーナーといわれるものです。この吸塵ホースの先端(φ37mm)を使用する木工機械あるいは電動工具にその都度接続します。

 

<集塵装置の要>
パワークリーナー↓

 

<バンドソーの集塵状態>
集塵ダクトを元々装備して
いるが口径が合わないため
ジョイント箱を自作↓

<トリマー作業台の集塵>
フェンスの裏側に集塵ボックス
を設けて吸塵↓

 

<ジョインター(手押しカンナ盤)>
裏側に設置してある吸塵口の口径変更用
ジョイント板を装着↓

<プレーナー(自動カンナ)の集塵>

   

後ろ側にあるカバー鋼板(黒色)
に装着した吸塵ジョイントボッ
クス↓

カバー鋼板とジョイントボックス
をはずした状態、カンナのナイフ
が見えます↓

   

ジョイントボックス内部の状況、
吸塵口に向かって仕切り板を
斜めに設置して吸塵効果の向上
を図っています↓

吸塵ホースの装着状態
写真の上部にホース中間部を固定
するための針金とそれを引っ掛ける
ための木ネジを用意しています。
こうすることで、切削木材の出口を
ホースが邪魔しません↓

<スピンドルサンダーの集塵>

手前の黒い袋は購入時に
付いていた集塵カバー↓

ジョイントボックスとホース↓

<手持ちサンダーの集塵>

コンパクトに作った(つもり?)
ジョイントボックス↓

作業状況↓

 

E手押しカンナ刃の研磨とセット

当工房では、木材の正確な木取りをする際の基本として、最初に木材の”鉦(かね)だし”を手押しカンナで行ないます。
鉦(かね)だしとは、正確な平面とそれに直角な、これまた正確な平面を作り出すことです。これが最初の作業ですので、この作業に不可欠な手押しカンナ盤は重要な木工機械となります。
(1)手押しカンナ刃の研磨
手押しカンナの刃(ナイフ)が磨耗したり欠損した場合、通常新品に取り替えるか専門業者に研ぎなおしを依頼する訳ですが、貧乏工房のエイビー・クラフトでは、手工具の刃物を砥石で研磨するように、電動手押しカンナ刃の場合はグラインダーで研ぎ直しています。

グラインダーと平行にセット
した研磨台とジグを利用して
研磨する

研磨途中の刃
(右側部分が研磨済み)


研磨完了後のカンナ刃の断面

 

2)手押しカンナ刃のセット
砥ぎが終了したカンナ刃を正確にセットしないと、切削木材表面が凸面や凹面に
なってしまいます。当工房で行なっている、カンナ刃と定盤の高さを一致させる方法
は次のとおりです。
@)カンナ刃を定盤表面より低めに仮セットします。
A)スチール製の直線定規を、下図のように定盤の端部とカンナ刃に橋渡しさせます。
B)仮セットしたカンナ刃を徐々に上昇させます(矢印@および矢印A参照)。
C)カンナ刃の上昇にともなって、直線定規先端が下降(矢印B参照)します。この
定規先端の動き(矢印B)は、カンナ刃の動き(矢印A)に比べ、テコの原理により、
相当大きいことになります。
したがって、矢印Bの動きに注目すれば所定のセットが比較的容易に出来る訳
です。
以上、つまらないことを長々と書きましたが、もっとスマートな方法を知っている方
是非お便りください。

 

F手押しカンナ盤の刃幅より広い板の鉦(かね)だし

前回のEでも説明しましたが、木材の正確な木取りをする際の基本は、木材の”鉦(かね)だし”で、通常は手押しカンナ盤で行ないます。
今回は、手押しカンナ盤の刃幅より広い板の鉦(かね)だしの方法についてです。
板幅が特に広い一枚板のテーブル天板などについては、当工房でも電動カンナや手カンナで定規をあてながら、コツコツ削るしかないのです。
しかし、自動カンナ盤にかかる程度の板幅(30cm程度)であれば、これから説明する方法で簡単に水平面が製作できます。

STEP T 反り、ねじれ、曲げが生じている板材を基準平面(作業机の天板など)におきます。基準平面におおむね直角になるよう、手押しカンナで木端を削ります。
 

   
STEP U STEP Tで切削した木端面に、直線性が確保された姿勢固定板を木ネジなどで取り付けます。次のSTEPでは自動カンナ盤を用いて上面切削をしますから、姿勢固定板の長さは板材の長さ以上であること、また木ネジが次の切削に支障とならないように気をつけてください。
   
 

   
STEP V もうお分かりのように、自動カンナを用いて上面を切削すれば、上面の平面性が確保できます。これ以降は、姿勢固定板をはずし、板材を反転させれば、上下面が平行水平面となります。
   
 

   

 

Gトリマーによるダボ切削用補助具

ネジの頭を隠したりするために打ち込んだダボを皆様はどのように仕上げておられますか?当工房では、トリマーに補助具を取り付けて突出量を限りなくゼロに近くして切削するようにしています。昔は、鋸で切り落として、サンドペーパーで仕上げ
る方法を採用していましたが、能率向上と失敗(鋸で傷をつけてしまう)を避ける意味で現在の方法に落ち着いています。

(写真ー1)補助具の構成部品

(写真-2)トリマーに取り付けた状態

補助具の構成部品は(写真-1)のとおり、変形底板(塩ビ板で自作)と本来の底板にこれを取り付けるためのビス、ナット、ワッシャーだけです。
(写真-2)は、もっぱらダボ切削専用になっているトリマー(DIYセンターなどで売っている超安物)に取り付けた状況です。なお、ビットはなんとなくアリ溝ビットがよさそうに思えて、ずっとこれで済ましてい
ます。ビット先端を変形底板の表面に限りなく近ずけてセットして、ダボを横から切削すれば、その後のサンドペーパーがけは、ほんの数こすりでOKです。

 

Hトリマーによる円形切削用補助具

リマー補助具の第二弾です。トリマーで円形の溝を彫りたい、あるいは板を円形に切り抜きたいことがしばしば起こります。
トリマー購入の際の付属品でも可能ではありますが、使いやすくて簡単に製作できる円形切削治具を御紹介します。材料は前回のダボ切削治具と同様、DIYセンタ-などで販売している塩ビ板(3mm厚)を使用します。製作するものは、写真ー1のスライド板と底板だけです。スライド板の下に三角形の補強板を取り付けているのは、ここにあけた2mm径の孔に円形切削の中心を決める釘を打つためと、スライド板の下面と底板の下面を一致させるためです。写真ー2のようにトリマーの台座に取り付け、固定ネジを緩めて半径を調節します。
今回の治具の場合、半径3cm〜20数cmの切削が可能です。
写真ー3,4は切削状況で、切削中心は釘を打ってあるのがわかります。

(写真ー1)補助具構成部品
左→スライド板、右→底板

(写真ー2)トリマー台座への装着状況

(写真ー3)半径の大きい切削

(写真-4)半径の小さい切削

 

Iバンドソーによる円形切削用補助具

トリマー用の円形切削補助具に続き、今度はバンドソーの円形切削用補助具の紹介です。
バンドソーに比較的細い刃を装着すれば、簡単に曲線切削が可能となります。さらに(写真ー1)のような簡単な補助具を製作すれば、容易に円形切削が行なえます。
角材を写真のように切り欠いて、先端に木ネジを装着しただけの単純な道具です。当工房では、加工する板厚&切削半径に対応して2種類作製して使用しています。なお、木ネジの先端は加工材の回転中心を確保するためですので、ネジ山をグラインダーなどであらかじめ落としておくことをお勧めします。
切削にあたっては、あらかじめ円の中心にポンチを打っておいた加工材を、バンドソーの切り始めの位置にセットします((写真ー2)参照)。
ここで大切なのは、バンドソーの刃と直行する直線上に切削円の中心をセットすることです。これを怠ると切削円がスパイラルになってしまいます。(写真ー3)のように補助具をクランプで定盤に固定し、ポンチ穴に木ねじ先端を挿入して切り始めます。その後はあせらずゆっくり切削を進めます。

(写真ー1)補助具(大&小)

(写真ー2)円中心とバンドソーの位置 (写真ー3)切り始め

(写真ー4)切削状況 (写真ー5)切削完了

 

Jグラインダーの刃物固定補助具

当工房では、木工旋盤を用いて椅子の丸脚の削りだしや椅子座面のえぐり加工などを行いますが、ターニングツールの研削作業はしょっちゅう行なうことになります。
当工房のターニングツールは耐熱性に優れたハイス鋼製のものを用いているので、研磨はもっぱらグラインダーで行います。市販のグラインダーの刃物固定台は貧弱なものが多いので、当工房では自作のジグを製作・使用しています。構造はパンタグラフ式の支持具の上に回転可能な刃物固定台を設置しただけのものです。
以下写真をみれば一目瞭然!

(写真ー1)
研削対象の
ターニングツール(ハイス鋼製)
(写真ー2)補助具全体
<パンタグラフの上に
刃物固定台を設置>
(写真ー3)ヒンジ部詳細

<蝶ネジと打ち込みナット使用>

(写真ー4)ジグを使った研削の状況

 

Kバンドソー&作業盤

当工房では、バンドソー(帯鋸盤)として、フランス製のINCA340を用いていましたが、寄る年波には勝てず上下ホイールの軸受け部の磨耗が激しくなった結果、ホイールの蛇行による鋸刃の破断や脱輪が頻繁になり、このたび買い替えを決意しました。INCA340と同程度のサイズで廉価なものということで、REXON社(台湾)製のBS-10Kをさらに安く購入しました。これまでの経験から、バンドソーの性能より作業盤の使い易さが重要なことを考慮して、以前のものに比べ機能を強化いたしましたのでご紹介いたします。

(1)作業盤の大型化
当工房ではテーブルソー(昇降盤)を使わず、バンドソー(写真ー1参照)で板の縦・横切り、挽き割り、曲線切りなど多様な切断をこなすため、作業盤は大きければ大きいほど良いのです。
工房の狭さと両立させるため、写真ー2のように補助テーブルを折りたたみ式にして、長物の横切りの際などに補助テーブルを広げます。




(写真ー1)
バンドソー&作業盤全景
(写真ー2)補助テーブル
左⇒テーブル展開時、右⇒テーブル折畳み時
   
(2)ドリフトへの対応
バンドソーの刃の状態により、多少なりとも切削時の左右偏向がでるため、マイターゲージ、リップフェンスとも左右傾斜設置が可能な構造にしています。
@マイターゲージは、スライドレールを受けるチャンネル材を左右に傾斜させて設置できるよう、作業盤に円弧状の取り付け溝を介してねじ止めしています。
Aリップフェンスは、作業盤を前後方向に締め付けて固定しますが、先端部の突起板の形状を円弧状にするとともに、手前側のクランプ先端部が頭を振れるものを採用して、斜め固定を可能にしています。



(写真ー3)
マイターゲージ標準方向設定

(写真ー4)
マイターゲージ゙レール受け用チャンネルの傾斜設置状況
上⇒左傾斜
下⇒右傾斜
   

(写真ー5)リップフェンスの設置
左⇒左傾斜設置、右=右傾斜設置

 

           (写真ー6)リップフェンスの裏側
    左⇒先端部の円弧状突起で作業盤との傾斜定着を可能にします
    右⇒手前側で作業盤に固定するためのクランプねじ
      注1)先端部が自在に振れるため傾斜固定が可能
      注2)黄色のクランプは上下方向をしっかり固定するための100円ショップのクランプ

   
   
(3)集塵効率の向上
このバンドソーの集塵孔は向こう側の右下部に(写真ー1参照)設けられていますが、集塵効率は推定20〜30%で、とても納得できません。この集塵孔は使用せず、作業盤直下に集塵機のホースの一部を利用したノズルを設置しています(写真ー7参照)。
材料切削直後の粉塵を最大限取り込むため、バンドソーの刃がノズル先端部に割り込むような構造にしています(写真ー8参照)。
この構造で集塵効率は推定80〜90%程度と思われます。まずまず!

   (写真ー7)集塵ノズル
 作業盤下に設置したノズルに
 集塵機からのホースを接続します

   (写真ー8)集塵ノズル部詳細
 集塵ノズル先端に刃が喰いこんでいる
 状況

 

 

 

Lバンドソー・ブレードの研磨

バンドソーのブレードは使用するに従って切れ味が鈍くなります。
当貧乏工房では、ご多分に漏れず、このような場合、再研磨や刃付けも自ら行います。

(1)グラインダーの準備

回転砥石と作業台 回転砥石の整形
(手前の砥石研磨用ダイヤモンド砥石で整形)
   
(2)ブレードの再研磨
ブレードの再研磨状況
(上記の砥石整形により、既存のブレード形状に砥石形状がフィットしている)
 
(3)ブレードの刃付け
刃をつける前に帯鋼の幅を揃えます 刃を途中まで付けた状況