$h > 0$のとき, $f(h) > 0$に注意して, \[ 0 < \lim_{h \to 0+0} \frac{f(h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to 0+0} \frac{f(h)}{h} \] \[ = \lim_{h \to 0+0} \left( h^2 \sin \frac{1}{h} + \sin{h} \right) \] \[ \leq \lim_{h \to 0+0} (h^2 + \sin h) = 0 \] はさみうちの定理より, \[ \lim_{h \to 0+0} \frac{f(h) - f(0)}{h} = 0 \] となる.
初めの不等式の連鎖をそのまま読むと、 $0 < \cdots \leq \cdots = 0$より $0 < 0$となってしまう。 $h < 0$のときの議論も同様である。はさみうちの定理で評価する前から $\lim$記号を書くのは誤っていると考える。
$h > 0$のとき、 \[ 0 < \frac{f(h) - f(0)}{h} = h^2 \sin \frac{1}{h} + \sin h \leq h^2 + \sin h \] 最右辺は $h \to 0+0$にて $0$に収束するので、はさみうちの定理により……と書くのが正しい。
なお、 $0 < \frac{f(h) - f(0)}{h}$であることは、引用部冒頭の「 $h > 0$のとき, $f(h) > 0$に注意して」を根拠としている。実際には確かにその通りだが、これは自明ではないように思う。あえてこの事実を用いなくとも、以下のように議論することができる。
$h \neq 0$のとき、 \[ \frac{f(h) - f(0)}{h} = \frac{h^3 \sin \frac{1}{h} + h \sin h - 0}{h} \] \[ = h^2 \sin \frac{1}{h} + \sin h\] いま $h \neq 0$から $h^2 > 0$なので、これと $-1 \leq \sin \frac{1}{h} \leq 1$から、 \[ -h^2 + \sin h \leq h^2 \sin \frac{1}{h} + \sin h \leq h^2 + \sin h \] $h \to 0 \pm 0$のいずれに対しても、最左辺・最右辺は $0$に収束するため、はさみうちの定理から \[ \lim_{h \to \0 \pm 0} \frac{f(h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to \0 \pm 0} \left( h^2 \sin \frac{1}{h} + \sin h \right) = 0 \] と、左右極限を特に分けて議論せずとも、両者の一致することが示される。
つまり, \[ 0 < f(x) - f(0) = x \sin \frac{1}{x} \leq x \]
$x > 0$において $0 < f(x) - f(0)$、つまり $f(x) > 0$とは言えない。
$-1 \leq \sin \frac{1}{x} \leq 1$の各辺に $x(> 0)$を乗じて \[ - x \leq x\sin \frac{1}{x} \leq x \] これにはさみうちの定理を適用すれば示される。
(もちろん $x = 0$で微分可能であるが,ここでは証明しない)
ちなみに $f'(0)$はどうなるか。定義に従って計算すると、 $h \neq 0$のとき \[ \frac{f(0 + h) - f(0)}{h} = \frac{h^2 \sin \frac{1}{h}}{h} = h \sin \frac{1}{h} \] $\left| h \sin \frac{1}{h} \right| \leq |h|$であり、 $h \to 0$のとき右辺 $|h| \to 0$から、はさみうちの定理により \[ f'(0) = \lim_{h \to 0} \frac{f(0 + h) - f(0)}{h} = \lim_{h \to 0} h \sin \frac{1}{h} = 0 \] と求まる。結局 \[ f'(x) = \left\{ \begin{array}{ll} 2x\sin \frac{1}{x} - \cos \frac{1}{x} & (x \neq 0) \\ 0 & (x = 0) \end{array}\right. \] となる。
$f'(x)$が $x = 0$で連続になるかどうかは、 $\displaystyle \lim_{x \to 0} f'(x) = f'(0)$かどうかによる。今回は $f'(x)$が $x \to 0$で収束しないので、 目標の $f'(0)$の値が何であろうと、連続性は望むべくもない。
$x$が十分小さいとき, $\sin x > x^2$であり,
$\sin x$と $x^2$のグラフを描けば明らかに見えるが、根本的なところを追究している文脈であるので、簡単に言い切ってしまってよいのかどうか不安に感じた。
十分小さい $x$、例えば $0< x < \pi / 12$に対して、 $g(x)= \sin x - x^2$の増減表を書いてみよう。
$g'(x) = \cos x - 2x$ は、上記の範囲において \[ \cos \frac{\pi}{12} < \cos x (< 1) \] \[ -2\cdot\frac{\pi}{12} < - 2x (< 0) \] が成り立つことから、辺々加えて $\cos (\pi / 12) - 2(\pi / 12) < g'(x)$。この左辺は $\displaystyle \frac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{4}- \frac{\pi}{6} > 0$なので $g'(x) > 0$であることが分かる。これと $g(0) = 0$から、$g(x) > 0$となる。
初め「単位ベクトル方向の微分を方向微分といい」とあり、その後で単位ベクトル以外で考えた方向微分も登場するので、少し混乱した。
$u = (x - a, y - b)$
ここでの $u$はおそらく単位ベクトルとは限らない。
よって方向ベクトルは, $(m, n, -2am-2bn)$とかけ,
この「方向ベクトル」は、方向微分を考える際の方向ベクトル(xy平面上)ではなく、【接線の】方向ベクトルであることに注意。
ここの議論の流れを理解する際には、接平面と接線の違いに注意しよう。接平面の方程式はすでにp.70(4.3.15)で一般的な形が与えられている。今回、方向微分を用いて接線の方程式を求めた。確認したいことは、接線が接平面上にある(接平面に含まれる)ことである。これを示すためには、接線上の任意の点が接平面上にも乗っていることを示せばよい。
この例では、接線上の任意の点 \[ \left(\begin{array}{c} a + tm \\ b + tn \\ -a^2-b^2+10+t(-2am-2bn) \end{array}\right) \] が、接平面 \[ z = -2ax - 2by + a^2 + b^2 + 10 \] 上にあるかどうかを調べている。
この式の $x, y$に接線の方程式の $x, y$の値を代入すると,……(中略)……となり,接線の方程式の $z$座標と一致して
のところは、接平面の方程式の左辺と右辺に上記の座標を代入して、等式が成り立つかどうかを調べている、と考えてもよい。
結果は見事に等しくなっているが、接平面の方程式を整理せずに代入すれば、当然と感じられるようになる。
接平面の方程式は、もともと \[ z - (- a^2 - b^2 + 10) = -2a(x - a) - 2b(y - b) \] を整理したものである。上の形のままで「じぃ〜っ」と見つめて、座標代入の様子を想像すると(いやもちろん紙に書いても構わないが)、左辺=右辺となることが分かる。
この形で「そもそもなぜ代入して等しくなるのか」をたどれば、要するに(定義に従って計算した)方向微分 $f_{u}(a, b) = -2am - 2bn$の $m, n$についての係数( $-2a$と $-2b$)が、接平面の方程式に現れる $\partial f / \partial x$と $\partial f / \partial y$に一致しているおかげであることが分かる。
任意の点で全微分可能→任意の変数において偏微分可能
の対偶
ある変数において偏微分不可能→その点において全微分不可能
【任意の点で】全微分可能かどうかは、ここでは無関係ではないだろうか。
ある点で全微分可能→その点で、任意の変数において偏微分可能
の対偶
ある点で、ある変数において偏微分不可能→その点で全微分不可能
を使えばよい、という記述であれば納得できる。
$F(x)$のグラフの $x$軸の意味あいを取り違えないように注意しよう。 $f(x)$の正負は重要だが、 $F(x)$の正負は重要ではない。ここではたまたま初期値 $F(0)$ の値がゼロであるが、【初期値に比べて】上にあるか下にあるかが重要である。
\[ = \{ (F(2) - F(0)) + (F(3) - F(2)) + (F(4) - F(3)) \]
閉じ中括弧が抜けているが、 $+ (F(3) - F(2))$ の後に入れると分かりやすい。
積分記号を使って, $\int f(t)dt$ とかき,
「 $\int f(t)dt$ 」→「 $\int f(x)dx$ 」。
\[=\pi\qquad(a\to\infty)\]
「 $=\pi$ 」→「 $\rightarrow\pi$ 」。
$z=x^2+y^2=25(\mbox{const.})$
図形の方程式として「曲面 $z=x^2+y^2$ 」とか「 $x^2+y^2=25$ 」などが書かれているそばで、上記のように書かれていると、ちょっと混乱した。単に「 $25(\mbox{const.})$ 」と書かれていると理解すればOK。
\[W=\int_0^1F\cdot ds=\cdots\]
$F,s$ にベクトルの矢印を。
大文字を使って
「大文字」→「太文字」?
$\frac{1}{2}kb^2$ を移行すると
「移行」→「移項」。
面積はないので, $\partial S^1=\{\emptyset\}$ である.
「 $\{\emptyset\}$ 」→「 $\emptyset$ 」。空集合と「空集合を唯一の要素として持つ集合」は異なると思う。
大きさ $\sqrt{3^2+2.25^2+3^2}=4.5$ の水が流れる.
「 $4.5$ 」→「 $4.8$ 」(くらい)。
5.7.2〜5.7.6節の構成は以下のようになっている。
5.7.2節:ガウスの発散定理(2次元)の証明
5.7.3節:ガウスの発散定理(2次元)の右辺の積分計算( $\int dx,\int dy$ を別個に計算した場合)
5.7.4節:ガウスの発散定理(2次元)の右辺の積分計算( $\int dx$ にまとめた場合)
5.7.4節:ガウスの発散定理(3次元)の証明
5.7.5節:ガウスの発散定理(3次元)の右辺の積分計算( $\int dxdy,\int dydz,\int dzdx$ を別個に計算した場合)
5.7.6節:ガウスの発散定理(3次元)の右辺の積分計算( $\int dxdy$ にまとめた場合)
なぜか節が改まっていないが、5.7.4節の途中で2次元の話から3次元の話に移行することに注意。2次元と3次元のそれぞれについて、上記のように「証明」「右辺の計算(1)」「右辺の計算(2)」の議論がなされるという構成になっている。各節のタイトルには「具体的」という語が多用されていて、何をもって「具体的」と呼んでいるのか判然としないが、右辺の計算(1)と(2)を比較すると、(2)では法線ベクトルを計算しておくことにより、(1)で別個に計算していた積分をまとめて行なっている点が異なる。
\[\int_{\partial X}v\cdot ndl=\int_{\partial X}v_xdy+\int_{\partial X}v_ydx\]
この式と、後でグリーンの定理のところに出てくる式(5.8.3)を見比べると、接線ベクトルが $(dx,dy)$ であるのに対し、法線ベクトルは $(dy,dx)$ なのか?という疑問が生じる。これは(5.7.2)までの議論を追えば分かるが、右辺第2項の $\int_{\partial X}v_ydx$ だけが時計回りになっていることに起因する。方向まで盛り込むなら、法線ベクトルは $(dy,-dx)$ となる。これは「反時計回りに進んだときに外側を向く法線ベクトル」である。
同様にして、……
同様の議論が成立するためには、閉曲線が $y$ 軸だけでなく $x$ 軸にも高々2回しか交わらないという仮定が必要ではないだろうか。3次元でも同様。参考:限定された閉曲線に対する、ガウスの発散定理(平面版)の証明の概略
積分をまとめたときに何が起こるのか、詳しく考えてみよう。例えば $\int(\ldots)dx$ といった積分を見たとき、素朴に考えれば $dx$ の幅を均等にとった様子を想像するだろう。前節(5.7.3節)のように $dx$ と $dy$ で別個に積分する場合には、 両方とも均等にとることができる。しかし本節のようにまとめて積分する場合には、 $dx$ の場所によって $dy$ の幅が不均等になることを意味する。それでも正しい手続きを踏めば正しい積分結果が得られる。そもそも積分は必ずしも均等に刻んで考えなくてもよいのである。
ここは5.7.4節の「積分をまとめる」議論の3変数版であるが、さらに詳しくイメージを確立しておく必要がある。図4.17(p69)で描かれているような微小面積要素( $dS$ とする)の、 $xy,yz,zx$ 平面への正射影がそれぞれどのような姿になるのかを理解しよう。もしも前節(5.7.5節)のように別個に積分するのであれば、図4.17と同じような図を、 $yz$ 平面や $zx$ 平面を底面にして描き直せばよい。このとき、どの面を底面とするかによって、 $dS$ も異なったものとなる。
しかし積分をまとめる場合には、オリジナルの図4.17だけで考える必要がある。 $dS$ の $yz$ 平面への正射影は、 $z$ 軸に平行な2辺と、傾き $\partial f/\partial y$ の2辺を持つ平行四辺形となる。 $z$ 軸に平行なほうを底辺とすれば、その長さは $(\partial f/\partial x)dx$ であり、高さは $dy$ となる。したがって正射影の面積は $(\partial f/\partial x)dxdy$ であり、これが $dS$ の法線ベクトルの $x$ 成分の大きさに一致する(正確には符号を考慮する必要がある)。 $xz$ 平面への正射影についても全く同様である。このように、たとえ合同な微小長方形 $dxdy$ のタイルを $xy$ 平面に敷き詰めたとしても、 $yz, xz$ 平面に並ぶタイルはさまざまな形・大きさの平行四辺形となるのである。
\[=\left(v_x\frac{\partial f}{\partial x}+v_y\frac{\partial f}{\partial y}+1\right)dxdy\]
「 $1$ 」→「 $v_z$ 」。p.259についても同様。
\[=2\pi\int_0^a\frac{a^2r-2r^3}{\sqrt{a^2-r^2}}dr\]
ここから分子を2項に分けずに $r=a\sin t$とおくと $a^2r-2r^3=a^3\sin t(1-2\sin^2t)=a^3\sin t\cos2t$ (倍角・半角)。さらに「積→和」の変形を行えば $a^3(\sin3t-\sin t)/2$ となり、このように変形してから積分しても同じ結果が得られる。
ただし, $\partial D$ は円盤 $D$ の境界を表し,
同ページの下から4行目では $\partial D^2$ となっているが、両者は同じもの。
図5.65や図5.67を見ると、あたかも「上辺の左向き矢印」や「左辺の下向き矢印」が大きいほど、正の回転(反時計回り)を促すように見えてしまうが、それは反対である。これらはそれぞれ $-v_x(x,y+dy)$ と $-v_y(x,y)$ となっているから、「もともと正の方向を向いていたものを反転した」という前提で描かれている。反転する前のベクトルは正の回転を押しとどめる方向に作用するので、そのままで考えるならば $v_x(x,y)$ や $v_y(x+dx,y)$ から差し引く必要があるが、「反転して加える」と考えてもよい……という考え方で描かれたのが、これらの図である。すると、反転された矢印が(左向き・下向きに)大きければ多いほど、正の回転は打ち消される(あるいは負の回転が大きくなる)ことになる。もちろん、これらが初めから負の方向を向いているならば、正の回転を増大させるほうに寄与する。
\[dz=-\frac{\partial f}{\partial y}dy\]
これと全微分 $dz=(\partial f/\partial x)dx+(\partial f/\partial y)dy$ とを混同しそうになった。ここでの $dz$ は全微分とは異なり、微小面積要素 $dS$ の $yz$平面への正射影における $z$ の微小変化を指している。以降でも $dz$ がどちらを意味しているのか注意を払う必要がある。
\[-\frac{\patial v_x}{\partial y}dy=-\{v_x(x,y+dy,f(x,y+dy))-v_x(x,y,f(x,y+dy))\}\]
「 $f$ の中の2か所の $y+dy$ は、 $y$ とすべきでは?」と感じるかもしれない。もちろんそう考えてもよいが、図で考える場合には、このままのほうが少し分かりやすい。これは、「p256〜のノート」に掲げた図で言えば、「青マイナス赤」を考えるときに黄を経由するか紫を経由するかの違いである。テキストでは黄のほうを経由して考えている。図5.81も参照。
曲面上の回転では1つの $dS$ に対して各方向の回転の定義を与えることはできない
これには異論がある。「p256〜のノート」に掲げた図で言えば、同じ図で、「青マイナス赤」を考えたり、「緑マイナス青」を考えたりすることができる。 $dS$ の形が長方形である必要はない。
\[-\frac{\partial v_z}{\partial x}dxdz=\int_{\partial X}v_z\frac{\partial f}{\partial y}dy\]
左辺にも $\int_{\partial X}$ が必要。