業務委託とは?
「業務委託は、会社に雇用されるのではなく、あくまで対等の立場で仕事の依頼を受ける働き方です。
どんな仕事をどんな料金でいつまでに完了させるかなど、会社と個別に契約を結びます。
メリットは、得意分野の仕事を専門に行なえること。契約どおりに業務をこなせばいいので、受ける仕事の内容によっては在宅勤務もできるなど、勤務地・勤務時間などが自由になります。
また実績が直接、収入につながるため、実力や努力によっては高収入も期待できます。
反面、デメリットは、会社に雇用される労働者ではなく独立した事業主なので、労働基準法など労働者を保護するための法律外になること。
税金の申告も自分でしなくてはいけません。また、仕事をもらう条件を我慢しなくてはならないケースもあります。
業務委託の場合、どんな仕事をどんな料金でいつまでに完了させるかといった内容をきちんと取り交わすことが重要です。
契約書の内容がすべてになりますので、仕事を始めるにあたって、契約内容はよく確かめるようにしましょう。」
〔引用〕出典:リクルート社、isize next http://next.rikunabi.com/qa/01/06/1008.htmlより
■雇用関係がない=労基法の適用がない。社会保険の加入もない。
労働者として会社に雇用されれば、労働者に関わる様々な法律の適用を受けることになります。
ところが、業務委託の場合、労使契約が発生しないため、求人の応募者はこれらの法律の保護を受けることができません。
また、本来、事業者が必ず加入しなければならない労災保険、失業保険、健康保険や厚生年金といった制度も存在しないため、応募者としては非常に不利な立場に置かれることとなります。
労働基準法がさだめる労働者保護の主なものには、
労働条件の明示
賠償予定の禁止
前借金相殺の禁止
不当解雇の禁止
出来高払いの保障給
最低賃金
労働時間と休憩
などがあります。(もっとある)
また、雇用関係があれば、研修や機材など、業務に必要となる費用は事業者が負担します。
同時に、研修期間中で実際に売上を上げていない時でも、業務のための研修であれば、給与を支払わなければなりません。業務委託の場合、こういった費用は自分で負担しなければならず、また、売上を上げられなかった場合には、無給ということもありえるのです。
■なぜ業務委託が増えているのか
このような業務委託が増えている理由のひとつとして、現在の社会保険制度を知っておく必要があるでしょう。
社会保険制度はその費用の大半を事業者が負担しなければならない、という制度になっています。
労災保険→事業者の全額負担
雇用保険→事業内容により、事業主と労働者が按分負担
健康保険→労働者と事業者が折半で負担
厚生年金保険→労働者と事業者の折半で負担
このため、経費削減の流れのなかで保険費用を払わない「業務委託化」が行われているようです。
最近は、社会保険の適用を免れるために安易に業務委託を設定していることも多く、トラブルも多く発生しています。→例(SRアップ21)
ちなみに裁判所は、労働者に該当するかどうかは、総合的な判断が必要であり、たとえ形式上は委託契約を結んでいたとしても、使用者の指揮監督下で業務を行っていれば、労働者に該当することもあると判断しています。たとえば、→例(立命館大学)
■業務委託を見抜くためのポイント
業務委託契約の求人広告では、あたかも雇用関係があるかのような表示をして、不当誘引していることが少なくありません。
実例としては
@ 雇用形態が明示されていない(大抵は「完全出来高制」とだけ表示されている)
A 「契約社員」という表示をしている。
など。その他、「出勤時間は自由」、「自由出勤」、「在宅ワーク」などといった表示は疑ってかかる必要があります。
労使関係が発生しているかどうかについては、使用者の命令系統下で業務が行われているかということによって判断されますが、これは机上審査では分かりにくいものです。
そこで、次のポイントを突っ込んで確認する必要があります。
・社会保険はあるのか(労災、雇用は必須。健康保険、厚生年金は5人以上を使用する事業者であれば必須。ただしパートタイムは例外あり)
・最低賃金は保障されているのか/出来高払の保障給はあるのか(賃金の支払い体系のチェック)
これらが守られていない「社員募集」は、そもそも労基法、各保険法違反ですので、不法就労となり掲載できません。
■業務委託の際のチェックポイント
業務委託の法律上の性格は、むしろ代理店募集に近いでしょう。あくまで契約書に書かれたことがすべてです。
疑問があれば契約書を取り寄せて内容を判断する必要性があります。
最近は、委託される業務の内容も細分化、専門化しており、はたして素人さんが個人事業者としてやっていけるか疑問な内容も業務委託されています(最近では保険金支払いの調査員など)。
応募者に不利となる場合には、十分慎重になるとともに、ノルマなどがある場合は、原則不可と考えておくべきでしょう。
業種別に、特にチェックしなければならないところを考えてみましょう。
・宅建業、運送業などの免許事業
免許事業はほとんどの場合、委託することができません。業性が出てきた場合には新たに免許が必要になります。・健康食品、化粧品他一般消費財
商品買取制度があるかどうか、マルチ商法に該当しないかどうかについてのチェックをしなければなりません。・宛名書き、パソコン内職、テープ起こし
内職については原則掲載しませんが、まずは業務を提供するだけの実態があるかないか、商品売付けが目的ではないか、業務委託契約書を通じて確認しておく必要があります。特に苦情の多い内容です。気をつけましょう。
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