
5000万年後の目に映る景色は黄金の人類時代と比べると似ても似つかないものとなっている。哺乳類はほとんど地上から姿を消し地上では外敵がいなくなり飛ぶ必要が無くなった鳥類が繁殖している。草木が生い茂った平原には濃い靄が垂れ込みあちこちにガラスのドームが見られる。ドームには地球を訪れたよそ者(帰還者=リターナー)が住んでいる。彼らは5000万年前に地球を見捨て遠い惑星に移り住んだ者たちの子孫である。
一方地球に残った人類は4500万年前に森や野原を枯渇させ、鉱物資源を漁りつくした結果都市は荒廃し、谷は砂漠となり海にはゴミがあふれている。その報いとして人類は地表に住むことができなくなり今や広葉樹を住処としている。
![]() |
5000万年後の人類は種としての活性力が著しく低減していて肉体単体で生存する事は不可能となっていた。脆弱な肉体で地上生活を営むことはできずいまや生活圏は樹上となり生命を維持するために生命維持カプセルをその肉体に纏っている |
![]() |
人類は小さく退縮した臓器と細い手足を持つ哀れな肉塊になり果てていた。しなびた肉体は全く役に立たず、足は完全に麻痺していた。機能しているのは性器と感覚器官だけであった。対照的に脳は著しく巨大化−その大きさは人類時代のおよそ10倍に達した、かれらの貧弱な身体では巨大な脳を支えることはできず産まれた瞬間から、人工的に造られた「もうひとつの身体」が全身を保護してくれる。この身体中には生存のために必要な古代の遺伝子のストックから複製された−健康な−身体器官が詰まっている。
|
![]() |
環境破壊の結果地上に大型哺乳類はいなくなり樹上で生活していた鳥類が生き残った。天敵のいなくなった鳥類はやがて地上に降りいまや地上の覇者となった。 多くは空を飛ぶ必要が無くなり翼が退化し中には蛇のように身をくねらせながら徘徊する者も現れた(イラスト右下)
|
![]() |
見たこともないような種類の奇怪な動物が荒れ果てた地球上を闊歩しているが、これは、不注意な遺伝子操作の結果生まれた「モンスター」である。技術やモラルの面で未熟な科学者によってよって造られ、棄てられた人体の欠陥器官を、死肉をあさる動物が食べた結果、気味の悪い「合成動物」が誕生した。かれらの体内には−人間の細胞や遺伝子が取り込まれているため−人間のそれと全く同じ器官が存在するのだ。 |
![]() ![]() |
草原に生き残った生物
|