▼赤っぴの本棚メモ
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to be continued...
●未読/○途中まで/×処分
いやー、いよいよ読んじゃったよ! 武士道ですよ武士道。これが思った以上に面白い。もとが英文で、新渡戸さんが日本の文化を、文化的に何も下敷きのない海外の人に向けてわかりやすくいろいろ翻訳(つまり海外の文化に置き換えながら)説明した論文の日本語訳。この論文の素晴らしさは、そういう前提に立って書かれたものであるため、現代の私たち(つまり、日本人であるが、過去の侍文化などとはまったく切り離されて文化を営んでいる私たち)にとっても、大変わかりやすく当時の文化を理解することができるという点だろう。新渡戸さんにとっては、未来の日本人などは当時の海外の人と変わらないわけだ。そこまで彼が予言して書いてたらもっとすげえな、と思うが、彼自身やはり当時の侍文化はすでに死に行くものとしてとらえているので、もしかしたらどこかにそういう“未来の子孫”に向けて記録を残したいという思いもあったのではないだろうかとまで想像してしまう。
私が感動したのは、論文であっても、その締めくくり方が文学的ですらあるところ。ラストは、感動の涙が出そうになったしまったほどだ。なんでこんなところで涙が出そうになるのかと考えれば、自分がやはり日本人だからだと認識したからに他ならず、それはしかし新渡戸さんが本書で予言した通り、私たちはすでに武士道から遠ざかり、遠ざかったにもかかわらず、富士の山や、毎年咲き誇る桜に心を動かされる何かを、過去の人たちと共通して持っていることを実感するからだろう。文化がいかに長い年月をかけて培われるものかということと、それがそう簡単になくなるものではないということが、それこそ「桜の花が匂うがごとく」実感できる書。正直、現代で武士道を実践しようと思っても無理な話だが、心の根っこに持っていたいなぁと思った。