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2ヶ月半、日本人がひとりもいないピークスキルで過ごした後、たどり着いたボストンには、大勢の日本人がいて驚いてしまった。久しぶりに、人中で、 「マツモトサーン!」 などと呼ばれると、長年聞き慣れたはずの自分の名前が奇妙に聞こえる。たったの2ヶ月半で、この感覚は、いったいなんだろう。知り合った日本人の友人達の前で、懸命に英語で何かを説明している自分に気づき、 「あれ!日本語でいいんだ!」 と、照れてしまったこともあった。 さて、このハーバード・サマースクールは、1871年から、かれこれ125年もの歴史を持つ国際的にも評価の高いサマースクールで、(参加するまで知らなかったのだが)毎年5000人もの人々が世界中から集まってくる。8週間、レベルの高い講座で勉強し、テストを受け、単位(クレディット)を得る。私が参加したESL(英語教育)は、参加者400人ほど、残念ながら単位は認められていないが、毎日の宿題の多さには、いささか参ってしまった。 我々15人のクラス担任はリチャード、背の高い細身、金髪、30代後半のハンサムなプロフェッサーであったが、あまりにも多い宿題の量、提出物の質への厳しい要求に、生徒受けは余り良くないようであった。しかし、私は、美男に免じて(?)というわけではなく、その知的且つスピーディな授業の進め方、知識の豊富さに、本物のハーバード・ライフの片鱗を味わえるようで、大いに満足した。ただし、初めの10日間は、毎夜2時まで、頭も割れんばかりに勉強し、その後、少し手を抜くことを覚え、何とか生き延びることが出来たのだが。 クラスのメンバーは、日本人は私を入れて4人、後は、韓国、カナダ、ブラジル、モロッコ、ロシア、メキシコの人達で構成されていた。年令も様々で、9月からハーバードやMITの大学院に入る人達、企業派遣の人達、モロッコからのキリトは9月からハーバードで講義を持つ宗教学の教授であった。また、メキシコのアンゲルは、家族を引き連れて、ボストンで夏を過ごす良きお父さんであったが、授業中の様々なディスカッションの中で、常に私と意見がぴったり合ってしまうのには、お互いに驚いてしまった。 遠く国境を越えて、価値観を共有できる。世界は一つ。世界は狭い。我ら地球人、という意識、その実感を得たことは、私にとって、ハーバードで過ごした夏の最大の収穫であった。 |
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