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エンリッチメントと呼ばれる英才教育
エンリッチメント4年生の子どもたち

  ホストティーチャーのバーバラとケイは、エンリッ チメントと呼ばれる教育に携わっている。エンリッチメントとは、豊かにするという意味である。国語や算数といった教科の枠にとらわれず、子どもたちの知識や考え方をより豊かにしようという教育で、ニューヨーク州では、10数年前に発足したとのこと。何でも新しいことに挑戦することが好きなバーバラは、それまでクラスを担任する普通の先生であったが、この教育に興味を持ち、教育担当に応募し、資格を得た。その後、仲良しのケイもこの資格を得、今はピークスキルにある4つの小学校を、ふたりで2校ずつ分担し、中学校はバーバラが受け持って、この教育を意欲的に進めている。

 スパイスと呼ばれるこのエンリッチメントのクラスに入るには、先ず本人が希望すること、その上で担任の先生の推薦、もしくは入級テストに通らなければならない。3年生以上、各クラス3,4人のいわゆるギフティド・チルドレン(よく出来る子)が集められる。英才教育である。エンリッチメントの授業の内容は、多岐にわたっていて興味深い。ビデオ、スライド、コンピューター、CD、絵、写真、図書、などを使っての学習テーマは、9ヶ月の滞在の間、垣間見たものだけでも、ギリシャ神話、シェークスピア、ヴィクトル・ユーゴー、絵画、彫刻、オペラ(魔笛など)、画家モネ、南極、中米、日本、海、航海、自然、環境、ゲーム、クイズ、童話作りなどであった。自分でリサーチすることも、この教育の大きな柱であった。

 エンリッチメントは、英才クラスだけでなく、一般クラスでも、回数は少ないが、形を変えて、バーバラやケイが出向いて進められる。また、学校全体として取り組むプロジェクトやツアーなども、彼女たちが計画し、意欲的に進めていく。

 他国の文化を知ることもエンリッチメントの大きな柱の一つである。この秋、バーバラは中学校で、千羽鶴プロジェクトを進めた。広島で被爆後、白血病で亡くなった少女の話「さだこと千羽鶴」を全クラスで読み、鶴を折り、千羽鶴を広島に送るプロジェクトである。日本の子どもたちと比べると、決して器用とは言えない中学生達が、懸命に鶴を
折る姿はなかなか感動的であった。

 日本やフランスの高校との交換学生もバーバラの指導で隔年交替で続いている。また、美術館やオペラ、ブロードウェイのミュージカルなどへのツアーは、頻繁に行われる。ヤオハンへの
バス・ツアーも人気があった。 

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