bQ2
![]() |
|
|
| 9月半ば、予定通り、第2のステイ先に移った。ダイアンの家と違い、今度は幼児を持つ比較的若い夫婦の家庭であった。共に35歳、大学入学時、最初のオリエンテーションで出会い、恋に落ち、卒業後結婚、今に至ったというその年令にしては落ち着いた夫婦であった。トムはコンピューター会社に勤めるコンピューター技師で、少々太めながら、大柄の好男子、モーリーンは反対に日本人のように小柄な女性であった。モーリーンによると、二人とも気性が激しく、特にモーリーンの祖父母は、イタリーはシシリー島からの移民で、自分には熱い血が流れているんだということであった。夫婦喧嘩はすごいのよということであったが、幸か不幸か私の滞在中には見る機会はなかった。 モーリーンはバーバラと同じくウッドサイド小学校で働く教師である。私のウッドサイド出勤日には、車で一緒に出掛けるのであるが、彼女は低血圧か何かのせいで(熱い血の筈なのに)、朝に弱く、朝食もとらず、ビタミン剤を1粒飲み下し、カロリーメイトをポケットに学校にたどり着くが、概ね遅刻。一方トムは、出勤時刻がフレキシブルであるため、朝起きると、一人娘ダイアンとモーリーンの弁当を作り、ダイアンを幼稚園に連れていった後、出勤する。弁当といっても、ピーナツバターを塗るかハムを1枚はさんだサンドイッチと、ジュース、りんごとスナックの小袋を入れる程度の簡単なものではあるが、何しろ毎日のことであるから、感心である。 モーリーンは動物好きで、2匹の猫、ケーシー、タバサと、裏庭でウサギを1羽飼っていた。私は、特に猫好きではないが、何故かこのケーシーに気に入られ、ついて回られた。裏庭のウサギは10月ともなれば、厳しいニューヨークの冬に耐えるべく、皮下脂肪を蓄えはじめ,11月には、見たことがないほどの太ったウサギになっていた。 夫婦の家は築70年、不動産業をしていたモーリーンの父親から買ったもので、かなり 大きな家であった。このほかに、セカンドハウスを1軒持っているということで、若いのにえらいねと感心したが、毎日の生活の質素さにはまたまた驚いた。トムはサラリーマンであるが、背広など着ず、カウボーイハットに普段着、運動靴で出勤する。モーリーンも地味な恰好で、衣料費にお金がかかっているとは思えない。5歳のダイアンは、週1回バレーに通っていた。唯一のお稽古ごとである。幼稚園は公立であるから費用はゼロ。夫婦の趣味は、聖歌隊のコーラスとハンドベルの練習。 食生活がこれまた質素で、質素という点では負けないと思っていた私ですら、少々参ったのである。アルコールは一切飲まず、食事の時も、ミルクかスプライト。うーん!!これぞピューリタンの生活。一汁一菜でいい、白いご飯とおみそ汁があれば・・・!。ここでの2ヶ月間は、日本食の偉大さに思いを致し、いささかホームシックの日々であった。 |
![]() |
|
|