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| ボブとバーニーの家のぐるりには、5,6軒いずれも新しい家が建っている。一軒一軒の間がかなり離れていて、詳細には見えないが、どの家もバルコニーが大きく広がり、庭にはプールがあって、見るからに快適そうな生活ぶりが伺える。隣近所のことに話が及んだとき、ボブがその中の一軒を指して、あの家の奥さんは働いていないんだよと、如何にも珍しいといった口振りで話した。昼間はテニスに行ったりしてるんだよと、少々軽蔑的な口振りでさえある。日本では何処にでも見られる主婦像であるが、ここアメリカでは、こういった専業主婦は、かなり奇異な存在・・・というより、怠け者と捉えられるらしい。 そういえば、アメリカに来て出会った女性で、仕事を持っていない人は・・・と、一人一人考えるが、お年寄り以外は、思いつかない。バーバラやケイ、モーリーンは先生だし、ダイアン、ノエルも仕事を持っている。ダイアンの息子達のお嫁さんも、ノエルの娘も子どもを育てながら、仕事をしている。バーバラもマンハッタンで働く娘メガンが、よい職場にかわる度に、とても誇らしげに報告してくれる。成る程、ここでは女性も職業を持つのが当たり前なのだ。 実は、この年の夏、ハーバードのE.S.Lで、作文レポートの多さに苦しんだのだが、最初の宿題のテーマは、「幼児を持つ母親と仕事の是非」であった。この作文のクラスでは、アメリカの社会問題について、たくさんの資料を読み、それぞれについて、自分の意見をまとめ、提出する。教育問題、民主主義、テレビや新聞といったメディア、家族、死刑の是非、銃規制などといったテーマである。 幼児を置いて外に出ることについてのアーティクルは、家庭崩壊や青少年犯罪の原因だとする反対意見、社会の変化と女性の労働力の必要性を説くもの、女性の自己達成、自己実現の欲求を訴えるものなどである。また、北欧の国々での実状についても、多くの資料を読んだ。職住隣接、保育所の普及、労働時間の短縮、両親育児休業などなど。アメリカはここまではいっていないが、働く女性にとっての環境や回りの意識は日本とは大いに違っている。子育てを終えた後の職場復帰も容易だし、年令差別は許されない。日本のように女性への求人で40歳までなどというのも駄目だ。 女性の自立、女性の人権といったことに対する意識という点では、日本はまだまだ後進国であると認識したわけである。 1999.10.1 |