忘却と混沌の思考の狭間
RehaMuhtar不定記
2005年1月10日
人生の達人


今日は母方の祖父の葬儀です


祖父は92歳で大往生と言ってよいので それほど悲しみというのは込み上げてこない
むしろ 最後こそ1週間ほど入院したもの さほど苦しまずに逝った事が幸いだとも感じた
全身の器官が自然に止まる多臓器不全が死因なので 所謂 自然死 大往生である

ポッポじぃちゃん

今 思うと遊んで貰った思いでしかないなぁ
線路脇に住んでいたので 小さな頃からずっと ポッポじぃちゃんと呼んでおりました
大人になってからは 恥ずかしくてポッポじぃちゃんとはなかなか呼べなかったけど
でもやっぱりポッポじぃちゃんだったぁ

床屋で手先が器用だったので虫籠 鳥小屋を作ってもらったり
小学校での宿題の工作なんかも 手伝ってもらってました

色々な身近な物を使う発想や現在あるもので
物を作るって事はポッポじぃちゃんから教えてもらったようなもの^^

ざりがに釣り等にも連れてって貰ったり 勿論 普通の釣りも連れてって貰ったし
親が共働きだったので 結構預けられてたし^^

幼稚園を抜け出し(脱走)車で20分もかかる
ポッポじぃちゃんの家に良く歩いて行った

大好きだったなぁ〜


思い出がいっぱいだなぁ〜


かなり面白い爺さんで 良くふざけた事もいっていました

ポッポじぃちゃんの独特の語り口とユーモアは
童話や絵本にしてもよさそうな優しく洒落とトンチのきいた言葉だったなぁ〜

例えばアイスクリームでの話


俺がアイスクリームってどうしてアイスクリームっていうの?と質問したら
(子供は必ず そういった どうでも良い質問を唐突に大人にぶつける)

この白い物がクリームって事は知っているだろ?
ポッポじぃちゃんの仕事で使う ヒゲを剃る時の白い泡もクリームっていうんだよ
(シェービングクリーム)
こうゆうフワフワしたのを世界ではクリームっていうんだ

じゃーアイスってのが何かってことだなぁ〜

アイスってのは愛してるの愛なんだ

お前はお母さんが好き
ポッポじぃちゃんはポッポばぁちゃんが好き
いっぱいいっぱい好きな人いるよなぁ〜

そうゆう好きって思うことを愛っていうんだ

だからこのアイスクリームは
愛のクリームってことなんだよ

お父さんやお母さんが働いて
大好きなお前の為に買ってくれるクリーム

そしてポッポじぃちゃんも大好きなお前と一緒に食べれるクリーム

たまにお前は お父さんやお母さんに怒られるよな?

それはお前が悪い事をしたからだな

でも怒るのも愛があるからなんだぞ

この大好きがいっぱいのアイスクリームも
いっぱい食べ過ぎると お腹痛くなるだろ?
それは このアイスクリームが怒っているんだ

いっぱい食べ過ぎると お母さんが一所懸命作ったご飯が食べれなくなるよ
ってアイスクリームが怒ってるんだ

だってこのアイスクリームはお父さん お母さん ポッポじぃちゃん
ポッポばぁちゃん みんなみんなの愛が入っているから
みんながお前を大好きで心配している 愛の固まりなアイスクリームだからな^^

世界中の誰かが食べてるアイスクリームも
そのアイスクリームを作る人も
みんな誰かを愛しているし 誰かの愛を貰ってるんだ

愛のクリームだからアイス(愛す)クリームなんだな

わかったか^^



こんな感じで答えてくれたのを 今でも鮮明に覚えています

今となっては とんでもない説明なのですが
逆に心に残っています
むしろ良い事 言っちゃってます

てかICE CREAMのICEの意味を知らなかっただけかな??

大正3年生まれだから それもありえる


しかし俺はいくつのときだったかな〜?

まだ小学校に行ってなかったかな?
それとも小学校の低学年だったかも・・・
その辺の記憶は曖昧だけど
夏の暑い日に近所の公園に遊びに連れてって貰い
木陰のベンチでこの話をした状況と内容は
たったさっきの話くらいに鮮明な記憶です

まだいっぱいあるけど それはまた別の機会に^^


酒を飲むと踊り出すポッポじぃちゃん

いつも何か面白い事をいう ポッポじぃちゃん

入院してまだ話せる時も 面白い事を言ってナースを笑わしていました

シベリアに抑留された時の話

−40度とか−50度になる世界で終戦にも関わらずロシアに強制労働を数年間された

宿舎(といっても只の大きな小屋)に数百人づつ寝ているらしいのですが
朝起きると 数人づつ死んでいるそうです

慢性的な栄養失調と重労働 そして寒さ
戦友がどんどん死んでいく中で何とか生残るためには
くだらない話を永遠として 周りに笑顔と笑いをもたらすことが重要だったそうです

そんな抑留生活の中で何が1番大変だった?と聞くと

トイレと答えました

ちゃんとしたトイレなんか無いから 外でするんだ
あまりにも寒いので 金槌を持って行かなきゃいけない

おしっこが 出した先から すぐに凍るから
金槌で叩き壊しながらしなけりゃならない

と笑って言ってました

女性の場合は釘抜きを持っていくそうですwww

もちろん 冗談でしょうけどね^^



葬儀の終わりに導師(お坊さん)がこんなことを言っていました
我が浄土真宗では 魂という考え方はありません
仏も 皆がわかりやすいように絵や木像 はたまた南無阿弥陀仏と書かれた掛け軸だったりしますが それを拝んだからといって何かご利益があるものではないのです

死んだら骨になるだけ それ以上でもそれ以下でもないのです
故にいかにして死ぬかが重要なのです
いかにして死ぬ すなわちいかに生きるか なのです
そして死んでなにを残すか?
何を子供や親族に残せるのか?
全て生き様によって伝えるのです
生き様そのものが その人が子孫に残す教えなのです

その教えを良く考え そしてまた自分もより良く生きるために南無阿弥陀仏などという言葉で 確認していくのです
何せ言葉自体には 何の力もないのですから・・・

こんなことをおっしゃってました

俺がポッポじぃちゃんから教えてもらった事・・・

いっぱいだぁ〜(^_^)


大正3年に生まれ 戦争に兵隊として行き
戦争中に子供一人残して 奥さんを失い シベリヤに抑留も数年され
(足に凍傷のあとが残ってました)
その帰国後 元奥さんの妹(親戚のはからいで)を嫁に貰い
2人の男の子をもうけ 家業の床屋を80歳ころまで続け 引退
廃業後も地域の活動などで元気に動き回っていました
当時の人としては背も高く 痩せ型で 昔の写真を見ると かな〜り良い男
(これにはビックリ まじでイケメン)


ポッポじぃちゃんも苦労はしたようだけど 幸せな人生だったに違いないです

まさに
人生の達人(Master of Life)だったんだなぁ〜

俺もそんな年の取り方出来るように ガンバロ〜ヽ(^o^)丿


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BGM by 夢 ◇原題:Reverie ◇作曲者:C.A.Debussy(1862〜1918)
BGMをお借りしているサイト ノクターン