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1 遺伝子組み換えメロン 2 島根県の姿勢 3 国内の遺伝子組み換え作物の開発状況 4 有機栽培メロンの生産者に伺ったこと |
5 島根県農業試験場成績概要集から 6 島根県農業試験場での情報公開 7 請願と陳情の提出 |
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8 遺伝子組み換えボタン 9 遺伝子組み換えシンポジウム 10 請願と陳情への回答と要望書の提出 11 農林水産技術者会議の判断 | 遺伝子組み換え食品 |
10月6日に「たべもの」の会の会員から「来年度島根県農業試験場で、遺伝子組み換えメロンの野外実験が行われる」という情報が入り、倉塚香織と情報を集めたり、対応を取ったりしてきました。16日には、「詳しい情報を教えて欲しい。」と倉塚香織が日本消費者連盟に問い合わせしたら天笠啓祐氏から送られてきた市民バイオテクノロジー情報室のバイオジャーナル(2003・10)の記事をあちこちにファックスしました。22日には、倉塚香織と県農林水産部総務課政策推進室にいって、市民バイオテクノロジー情報室のバイオジャーナル10月号のコピーを渡し、来年度実施の遺伝子組み換えメロンの野外実験について聞きました。政策推進室主幹の中村純一氏は「来年度は実施するとしても非閉鎖系温室での実験なので、野外実験は誤報だ」と答えました。私たちは「島根が遺伝子組み換えメロンを作っているという評判が立ったら、メロンだけでなく島根の農産品すべてのイメージダウンになってしまう」と実験の中止を訴えてきました。このあと、県の誤答であるの発言について連絡すると、「市民バイオテクノロジー情報室」はバイオジャーナルの掲載記事の基になった「日経バイオテク」の記事について教えて下さいました。「日経バイオテク」2003.8.4 P16〜17の掲載記事「島根農試発酵果抑制とウィルス抵抗性付与組み換えメロン非閉鎖系試験開始へ」によると、島根県は3年計画で予算をつけ、県単独の事業として試験を進め、この秋の非閉鎖系温室での結果次第で来年度隔離圃場による試験を進める計画です。
目次
農林水産総務課政策推進室とのやり取り
来年度野外実験されると掲載された遺伝子組み換えメロン
遺伝子組み換えメロンと周りへの影響
農林水産総務課政策推進室とのやり取り
10月22日10時半〜
政策推進室主幹 中村純一氏
岩本幸治氏
- GMメロンの野外実験を来年度実施するというのは、誤報。
- 島根県農業試験場のGMメロンは、今閉鎖系温室で実験している段階である。
- 来年度は行うとしたら、非閉鎖系温室での実験である。
非閉鎖系の温室は、空気は出入りするが、水は出入りしない。
受粉は、人為的または蜂を使って行う。
- GM作物の環境影響調査は
閉鎖系温室→非閉鎖系温室→隔離圃場と進む。
隔離圃場は、障壁で覆うが、普通のビニールハウスである。
- 食品系の安全調査をクリアしたら、品種登録をし、野外での実験が可能になる。
GM大豆は、品種登録して、野外実験を始めた。
岩手のGM稲は、隔離圃場までの実験である。
- 国際的な議定書・カルタへナ議定書批准のために、遺伝子の使用を制限する。国内法が2004年1月または2月施行されるが、それによると
第1種 野外実験(隔離圃場はこれに含まれる)
第2種 隔離してある(非閉鎖系温室はこれに含まれる)
- 島根県農業試験場は、いまは、非閉鎖系への申請を検討している段階である。
質疑応答
- 県の姿勢は?
県農試に生物工学科ができたのが昭和61年(1986年)で、この頃は茎頂バイオといって、脇芽がでる直前のところを取ってきて、実験していた。これは、いまサツマ芋やいちごの苗に使われている。
GMは、技術として研究している。1997年から国費で行われてきた。
- 研究の目的は?
メロンのウィルス病対策
いま使われている土壌消毒の毒ガス臭化メチルが2005年から、国際法で使えなくなる。(クロルピクリンは使える。)
発酵果抑制
アルコール臭が、産地のイメージを傷つける。
- どんなメロンか?
風評被害があるので品種はいえないが、島根で多く作られている(栽培面積は全国4位)アムスメロンではなく、島根で開発した品種である。
- 今決定しているのは?
非閉鎖系温室での実験の検討はしている。
(来年度の予算が1月下旬〜2月につく。反対の陳情を出すのなら、12月〜1月上旬で間に合う。)
決定の日程は県農業試験場に聞いて欲しい。
- 研究のメリットは?
環境に与える影響を実際の栽培に近づけて、土、根、葉などの調査ができる。
来年度野外実験されると掲載された遺伝子組み換えメロン
(掲載は「日経バイオテク」2003 8/4)
遺伝子を導入したメロンは、島根県が独自に開発したもので、とてもおいしいのに発酵果になりやすいため、遺伝子組み換えを始めた。
発酵果抑制メロン
- 発酵果とは、実が発酵してアルコール臭がしたり、舌にぴりぴりした刺激が起きることである。
- 発酵果はピリビン酸からアセトアルデヒドとエタノールができることで生じる。対策として、他のメロンのピルビン酸脱炭酸酵素遺伝子を導入する。
えそ斑点病抵抗性メロン
- メロン壊疽斑点ウィルス(MNSV)感染で、育った葉には褐色や黒の壊疽(死んだ細胞や組織)が生じて葉脈沿いに広がる。若い葉には小さな黄色の斑点が生じる。
- これまでは臭化メチルによって土壌薫蒸してきたが、臭化メチルがオゾン層を破壊することがわかったため、国際的な取り決めで2005年からは使用禁止になったことが背景にある。。
- ウィルスの増殖を阻害する遺伝子(ウィルスの外被タンパク質のアンチセンス配列)をメロンに組み込む。
遺伝子組み換えメロンと周りへの影響
◎メロンは自家受精
トウモロコシ、ナタネ、インゲン豆やそら豆などとは違い、メロンは自家受精が主で花粉は遠くへ飛ばない。
栽培はハウスで、受粉に蜂を使う。蜂はハウスを出入りする。2キロ飛ぶ。
◎メロンの実は当代
仮に他家受粉したとしても種をたべるトウモロコシなどとは違い、実をたべるメロンの場 合、種は次代で遺伝子組み換えになるとしても、実は当代で遺伝子は植えた苗のものなので遺伝子汚染はない。
一般に農家は苗を購入するため、他家受粉したとしても種は使わない。